公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

谷 優

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80話

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   「お嬢様っ。お目覚めになられたのですねっ。」

三人の侍女達とディーノが入ってきた。マリアナは、とても泣きそうな声で私の目覚めを喜んでいた。

   「マリアナ、ディーノ守ってくれてありがとう。」
  
   「ティアナ様がお目覚めになられて本当に良かったです。ですが、僕は恥ずかしながら何もしておりません。力及ばすでした。ですので、こちらのフェンリル様に感謝を。」

  ステラは、満更でもない顔色をしている。自分が誇らしいのだろう。顔に出てるよ、もっと褒めて欲しいんでしょ。

ディーノは、自分の力が刺客に及ばなかったと強く反省していた。

  正直、ステラだけの力だけじゃないと思う。私の呼吸が乱れている時、マリアナは私を庇うようにして抱きしめていた。それは、いくら主だとしても自分の命より優先させる事は何よりも難しい事。それと同様に、ディーノも私たちを守るために命を張ってくれた。感謝してもしきれないよ。

   「ううん、あの場にいた人皆に感謝するべきだわ。誰が死んでもおかしくなかったもの。みんなが命を繋いでくれた。」

   「お嬢様…。私これから武術を学びますっ。」

   「え、急にどうしたの。」

   「あの場で思い知りました。いかに自分が無力な存在か。お嬢様が危機的状況になった時何も出来なかった自分に苛立ちを覚えました。仕事の合間を縫って学びますので、ご心配には及びませんっ。」

ローズやルーシーなら言いかねないけどマリアナまでそう言うなんて驚いたわ。

   「マリアナは十分すぎる働きをしたよ。それに、マリアナの仕事は私の身の回りの世話だよね。」

マリアナには、何も背負わせたくない。

   『私たちも、学びますっ。』

   「二人も!?」

マリアナだけでなく、ルーシーやローズも同じことを言っている。けど、私が何を言っても学びをやめないだろう。覚悟の決まっている瞳だ。

   「…うん、わかった。体には気をつけてね。」

   『はいっ。』

三人は、熱意に溢れた返事をした。

   「僕も、精進します。」

あ、三人の衝撃的な言葉で忘れてたけどディーノのも相当落ち込んでいたんだった。うーん。

   「ディーノ、私ね恐怖から上手く呼吸が出来なかったんだ。でも、その時ディーノの懸命な戦いの音や声聞こえたよ。」

   「……。」

実際には、微かにしか聞こえず安心したかと言ったら安心は出来なかったが、ディーノを励ます方が先だろう。

    「守ってくれてありがとうっ!」

今は、素直な感謝の気持ちを述べた方が気持ちが浮くはず。

   「うぅぅ。天使がいるぅ。」

え、え、天使?誰のこと?もしかして私?

ディーノは変な事を言いながら泣き出した。

   (声に出す言葉と心の中の言葉が混同したっ。失態だ。)

ディーノは失態だと分かっていながらも、事実であったため訂正はしなかった。

ティアナは天使と言われただ疑問に思っていた。
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