公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

谷 優

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82話

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  ふぅー、お兄様にぶつからなくて良かった。ステラ、すごい速さで走っていたのに急に止まれたのはすごいな。

   「…ティアナ。」

ギルバートは、驚いた表情で静かに名前を呼んだ。

   「は、はい。」

   あ、やばい怒られちゃう。
ティアナは、怒られると思い俯いてしまった。

   「目覚めたと聞いて、今からティアナのところに行こうと思っていたんだよ。もう、起きても大丈夫なの?」

   「え、あ、はい。体調も凄くいいです。」

   あれ?てっきり怒られるのかと思っちゃった。襲撃されたことに対して心配してくれた。

   「ティアナが危険な時、すぐに助けに行けなくてごめんね。」

   「いえ!凄く怖かったですけど、お兄様達がすぐに来てくれたので。」

ギルバートに感謝の気持ちを表すとともに、ステラを撫でた。

  実際には、何も見えていなかったから覚えて無いけど、マリアナが"急いで駆けつけた様子だった"って言ってたから慌てて助けに来てくれたのだろう。それに、あの件は私が招いたことだから。

   「父上から聞いたよ。頑張ったね、けど一人で背負い込むのは良くない。辛くなったらいつでも助けを呼ぶんだよ。僕が解決するから。」

   「あ、ありがとございます。」

お兄様が言うとちょっと怖いな、敵だと認識した者には容赦なさそう。でも、そう言ってくれるのは凄く嬉しいな。

   「そ・れ・と。」

ギルバートは、ティアナに一歩近寄った。

   「ん?」

まだ、何かあるのかな。

   「室内で、走るのは危ないんだよ。ぶつかってしまったら、相手や自分も怪我をしてしまうからね。」

あ、やっぱり怒られた。許されたのかなって思ったけど、やっぱり言われちゃった。でも、自分でもびっくりしたから反省してる。

   「ご、ごめんなさい。」

   「フェンリル様もですよ。」

   「ステラも謝って。」

   「す、すまなかった。」

ステラは、小さな声でボソッと謝罪をした。けど、私の気持ちに沿って走ってくれたんだよね。   

  「私が焦っていたから、お姉様のところに連れて行ってくれようとしてくれたんだよね。ありがとう、ステラ。」

   「まぁな。主のためだからな。」

   「エリーのところに行こうとしていたの?」

   「はい。」

   「僕も、ティアナの無事が確認できた事だし一緒に行くよ。おいで。」

   「ステラも一緒に行きます。」

   「ステラというのは、フェンリルの事かな?」

   「はい!毛並みがキラキラしていて綺麗なので!」

   「その神獣と仲良くなったのか。」

   「はい!お友達です。」

   「我とティアナは従魔契約をしたのだからな一心同体だ。」

何やら、ステラはギルバートに対して勝ち誇ったような顔をしている。まさか、対抗心でも芽生えているの?

   「ふーん。」

そう言うと、お兄様は両手を差し出した。ステラから、私を降ろそうとしていたのだ。危ないからかな。

ん?あれ?

どうして降ろしてくれないのかな。なぜか、お兄様は私の事を抱いている。

 (こんな、ぽっと出の奴にティアナを渡す事は出来ない。それに、僕よりも仲が良さそうなのも気に食わないな。)

   「じ、自分で歩きますっ。」

   「このままエリーの部屋に向かう。」

   「我の背中に乗った方が、速いのではないか。」

   「いや、僕が連れていく。」

なんか、ピリピリしてない?ちょっと気まづいな。
 
なんで、降ろしてくれないの。それに、なんだかちょっとお兄様怒ってる?
私もう9歳だから抱っこされて歩くような歳でもないのに。平均身長と比べたら小さい方だと思うけどいくらなんでも、恥ずかしいよ。





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