公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

谷 優

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100話

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  「本来だったらティアナは、あの子の神聖力の影響で確実に死んでいた。」

  それは、なんとなくだけど分かってはいた。人を治す事のできる神聖力には使い方を間違えると死に至ることもある。膨大な量を持つお姉様なら尚更。治療する為に用いられる薬が、過剰摂取により死ぬ事があるように、神聖力も適度な量を受けなければならない。

   「うん。正直あの時死ぬかと思ったんだよね。」

   「まぁ、ティアナの立場だったら死を覚悟するよ。奇跡的に今生きているのは、フィーネの力が大きい。」

確かにそうかも。あの場でフィーネが私の中に入らなければ……想像もしたくない。

   「フィーネ…確かにフィーネはあの時私緩和してくれた。けど、それだけじゃあの量の神聖力を分解することはできないよね。」

   「いや、それが出来たんだ。あの時、エリーは抵抗していたんだよ。耐えられない痛みがあったはずだが、できる限り流れる神聖力を止めようとしていた。それにより、流れる神聖力よりもフィーネが分解する速度の方が速かった為に今のティアナがある。」

  ものすごい量だったけど、お姉様の本来の神聖力はもっと大きかったのか。さすがヒロイン。と、言うよりも激痛だったのに制御しようとしているお姉様が凄すぎる。

    「まぁ、安心は出来ないけど。少なくとも今は生きてる。フィーネに感謝するんだよ?ティアナが目覚めるように内側からずっと支えているんだから。それに、家族もみんなティアナが目覚めるように願っているよ。」

    「家族…家族かぁ。」

  前までは有り得なかっただろうな、自分がわがままだったのもあるけど振り向いて貰えなかった。けど、今は心配してくれてるんだ。意識が途切れる前、初めて見るお父様の姿があった。リアムだっていつもの様子からは信じられないくらい焦ってたし、なんなら泣いてた。

   「ふふっ」

   「何笑ってるの?」
 
   「いーや、なんだか少しおかしくて。」

あの時の驚いた表情をしていた公爵を思い出し笑った。そんな様子を見ながら、リエルはふと上部を見た。

    「あ、そろそろかな。今は笑っていられるけど、向こうで
目が覚めたら、全身が痛いから覚悟しておいた方がいいよ。」

     「痛いのは本当に無理。」

お姉様の時は、突発的に動けたから別にだけど痛いのはなぁ。……てか、全身が痛いってなに!?そういえば、私の手とかあれ治るの?火傷みたいになってたけど、傷残るのはちょっと抵抗感あるな。あ、この感覚向こうに意識が飛ぶ時の感覚だ。

     「またなにか問題があったら呼ぶかも。」
     「わかった。バイバイ、リエル。」
    
2人は別れの挨拶を交わした。しかし、ティアナの意識が向こうに戻ろうとした途端、リエルはなにかを思い出したかのような表情になった。そして、ティアナに伝えようとした。

     「黒幕は、こ____から__には、気をつけ___」

え、何?何に気をつければいいの?ちょっと、ねぇ!"こ"の後は!?肝心なところが聞こえなかった!もう1回言ってよ!ねぇー!!!!

ティアナは、誰が犯人なのか検討もつかなかった。
















              ~お知らせ ~


     読者の皆様へ【⠀公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~  】を日頃からご愛読してくださりありがとうございます。ついに100話迎えることが出来ました!

そして、ご報告がございます。
この度アルファポリス様より、書籍化させていただく運びとなりました。応援してくださった皆様のおかけです。
本当にありがとうございます!私自身、至らぬ点が多いと思いますが皆様により、楽しんでいただけるようにさらに精進してまいります。
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