4 / 13
俺は、冒険がしたい 4
しおりを挟む
源太を連行していた警備兵のみなさんのお陰でこのピンチを乗り越える事が出来た。
警備兵の人から話を聞くと、最近この辺りを縄張りにしてる組織の人間でやり口が巧妙でなかなか尻尾を掴めなかったらしい。
この一件を機会にこの組織壊滅への糸口になると、感謝された。
「後でこの街の警備施設へ来なさい。 君達にお礼をさせてくれ。」
「でも、俺達はただ絡まれてただけです。 感謝される様な事は何もしていません。」
「子供が遠慮するものじゃないよ。 そこの鼻水の少年のお陰でもあるのだから、明日にでも来なさい。」
「わかりました。」
一体何が何なのかわからないけど、悪い事じゃないから良しとしよう。
それより、源太に事情を聞くことにした。
「いきなり居なくなって、どこに行って何をしてたんだよ!」
「おら、迷子の女の子を見つけて助けてあげてたんだじょ。」
「それで、どうやったら警備兵に連行されるんだよ。」
「それが……。 わからないんだじょ。」
源太から聞いた話さしをまとめると
街外れの安い宿屋に向かってる途中、道のすみでうずくまって泣いてる女の子を見つけ駆け寄ったら、俺達とはぐれ泣いていた女の子は、鼻水垂らした男が近寄って来たものだから更に泣きじゃくる。
「うわぁぁん! うわぁぁん! 怖いよー! 汚ないよー!」
「どどどどしうしよう。 そうだ、お菓子があるじょ。 食べると元気になるじょ。」
鼻水袋から取り出したお菓子を女の子に渡そうとするが、女の子も汚ない汚ない袋から取り出した所を見ていたから顔が引きつっている。
それでも、お菓子の誘惑には勝てないのか、お菓子を受け取り泣きながら頬張った。
「お、美味しい……。 体がポカポカして元気が溢れて来る感じがする。」
「おらの特別なお菓子だじょ。 そこら辺では、売ってないじょ。」
あっという間に、受け取ったお菓子を平らげ、不思議と元気になった女の子は、源太にお礼を言って母親とはぐれた事を説明する。
「それなら、おらが一緒にお母さんを探してあげるじょ。 一人より二人の方が目立つから、きっと直ぐに見つかるじょ。」
「ありがとう! 汚ないお兄ちゃん!」
「う……うん。 任せるじょ。」
純粋とは、時にどんな物でも切り裂く凶器になるのだと、源太は知った。
しばらく二人で手を繋ぎ、人通りの多い道を歩いていたら、源太の予想通り目立ったからか、直ぐに解決の兆しが見えた。
複数人の警備兵に後ろから話かけられた。
「ちょっと君、話を聞いても良いかな?」
「あ、助かったじょ。」
「街の人から半笑いの男が、女の子を連れ回して歩いてると通報があったのだが……。 君で間違いないようだね。」
「ち、違うじょ! ままま間違いだじょ。 おらは、女の子を助けようとしただけだじょ。 女の子に聞けば、わかるじょ。」
女の子は、安心したのか不安になったからなのか、急に泣き出した。
場の空気が凍りつく。
もう、警備兵に囲まれ最初の笑顔が消えて犯人を見る様な怖い顔をしている。
「お、落ち着くじょ。 話せばわかるじょ。」
「良いから一緒に来てもらおう。 逃げようとしたら逃走と見なして、切るから大人しくしなさい。」
「はい……。」
未だに泣き続ける女の子と未だに半笑いの男を警備兵が屯所へ連行する。
屯所に着くとそこには、綺麗な女の人が必死に警備兵に何かを頼み込んでいた。
女の子の母親だった。
母親は、泣いてる女の子を見るなり走り出し、源太を殴り飛ばした。
「じょ~!」
理不尽に吹き飛ばされた源太は、半笑いを崩さず涙した。
それを見た母親は、怒りが収まらない。
「この腐れ外道が! まだ、そのにやけ面を止めないのか!」
また、殴りかかろうとした母親を娘が抱き付き静止させる。
「違うの! ママ、この汚ないお兄ちゃんが助けてくれたの。」
母親は、もちろん。 連行した警備兵全員が驚いた。
この後、みんなが源太に謝罪した。
「別に気にしてないから良いじょ。 それにお菓子を食べれば元気が出るから大丈夫だじょ。」
この状況でお菓子を食べ始める源太を見て、その場に居る全員の顔が引きつる。
「君に悪い事をしたね。 お礼と言ってはなんだが、君のお家まで送り届けさせてくれ。」
「丁度、迷子になってたから助かるじょ。」
「「「え……?」」」
こうして宿屋まで警備兵の人達に連れて行ってもらった。
警備兵の人から話を聞くと、最近この辺りを縄張りにしてる組織の人間でやり口が巧妙でなかなか尻尾を掴めなかったらしい。
この一件を機会にこの組織壊滅への糸口になると、感謝された。
「後でこの街の警備施設へ来なさい。 君達にお礼をさせてくれ。」
「でも、俺達はただ絡まれてただけです。 感謝される様な事は何もしていません。」
「子供が遠慮するものじゃないよ。 そこの鼻水の少年のお陰でもあるのだから、明日にでも来なさい。」
「わかりました。」
一体何が何なのかわからないけど、悪い事じゃないから良しとしよう。
それより、源太に事情を聞くことにした。
「いきなり居なくなって、どこに行って何をしてたんだよ!」
「おら、迷子の女の子を見つけて助けてあげてたんだじょ。」
「それで、どうやったら警備兵に連行されるんだよ。」
「それが……。 わからないんだじょ。」
源太から聞いた話さしをまとめると
街外れの安い宿屋に向かってる途中、道のすみでうずくまって泣いてる女の子を見つけ駆け寄ったら、俺達とはぐれ泣いていた女の子は、鼻水垂らした男が近寄って来たものだから更に泣きじゃくる。
「うわぁぁん! うわぁぁん! 怖いよー! 汚ないよー!」
「どどどどしうしよう。 そうだ、お菓子があるじょ。 食べると元気になるじょ。」
鼻水袋から取り出したお菓子を女の子に渡そうとするが、女の子も汚ない汚ない袋から取り出した所を見ていたから顔が引きつっている。
それでも、お菓子の誘惑には勝てないのか、お菓子を受け取り泣きながら頬張った。
「お、美味しい……。 体がポカポカして元気が溢れて来る感じがする。」
「おらの特別なお菓子だじょ。 そこら辺では、売ってないじょ。」
あっという間に、受け取ったお菓子を平らげ、不思議と元気になった女の子は、源太にお礼を言って母親とはぐれた事を説明する。
「それなら、おらが一緒にお母さんを探してあげるじょ。 一人より二人の方が目立つから、きっと直ぐに見つかるじょ。」
「ありがとう! 汚ないお兄ちゃん!」
「う……うん。 任せるじょ。」
純粋とは、時にどんな物でも切り裂く凶器になるのだと、源太は知った。
しばらく二人で手を繋ぎ、人通りの多い道を歩いていたら、源太の予想通り目立ったからか、直ぐに解決の兆しが見えた。
複数人の警備兵に後ろから話かけられた。
「ちょっと君、話を聞いても良いかな?」
「あ、助かったじょ。」
「街の人から半笑いの男が、女の子を連れ回して歩いてると通報があったのだが……。 君で間違いないようだね。」
「ち、違うじょ! ままま間違いだじょ。 おらは、女の子を助けようとしただけだじょ。 女の子に聞けば、わかるじょ。」
女の子は、安心したのか不安になったからなのか、急に泣き出した。
場の空気が凍りつく。
もう、警備兵に囲まれ最初の笑顔が消えて犯人を見る様な怖い顔をしている。
「お、落ち着くじょ。 話せばわかるじょ。」
「良いから一緒に来てもらおう。 逃げようとしたら逃走と見なして、切るから大人しくしなさい。」
「はい……。」
未だに泣き続ける女の子と未だに半笑いの男を警備兵が屯所へ連行する。
屯所に着くとそこには、綺麗な女の人が必死に警備兵に何かを頼み込んでいた。
女の子の母親だった。
母親は、泣いてる女の子を見るなり走り出し、源太を殴り飛ばした。
「じょ~!」
理不尽に吹き飛ばされた源太は、半笑いを崩さず涙した。
それを見た母親は、怒りが収まらない。
「この腐れ外道が! まだ、そのにやけ面を止めないのか!」
また、殴りかかろうとした母親を娘が抱き付き静止させる。
「違うの! ママ、この汚ないお兄ちゃんが助けてくれたの。」
母親は、もちろん。 連行した警備兵全員が驚いた。
この後、みんなが源太に謝罪した。
「別に気にしてないから良いじょ。 それにお菓子を食べれば元気が出るから大丈夫だじょ。」
この状況でお菓子を食べ始める源太を見て、その場に居る全員の顔が引きつる。
「君に悪い事をしたね。 お礼と言ってはなんだが、君のお家まで送り届けさせてくれ。」
「丁度、迷子になってたから助かるじょ。」
「「「え……?」」」
こうして宿屋まで警備兵の人達に連れて行ってもらった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件
エース皇命
ファンタジー
前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。
しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。
悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。
ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる