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ダンジョン編
ダンジョンと出会い
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どれくらいの時間落下しているのだろうか。
俺は、落下しながら昔、興味本意で調べた事を思い出す。
飛行機事故に会い、高度1万メートルから落下した場合、地表に激突するまで約3分かかると言われてるらしい。
助かる為に最善を尽くすべきだと、まずは、体を大きく開き風を
体全体で受け止め落下速度を落とし、着陸地点を探す。
海や水辺又は、森などの木々がクッションになってくれそうな場所を探し、そこに落ちるように移動しましょう。
確か、そう書いてあったはずだ。
辺りは真っ暗で何も見えない。
「うん。 ダメだ。 もう、諦めよう。」
ただただ何もすることが出来ずに死を受け入れる時間が過ぎる。
しばらくすると下の方から小さな光が見えるようになった。
どんどん光に近づいて行くとそこは、広大なドーム状になっており、良く見ると冠を被った大きなスライムのような生き物が人間?の女の子を襲っていた。
「どうせ諦めた命、このまま死ぬくらいならスライムを巻き込み女の子を助けて死のう。」
俺は、冠を被ったスライムめがけて落下したら、ものすごい破裂音と共にスライムは、爆散した。
大量の経験値を獲得しました。 レベルアップしました。
死を覚悟していた俺は、なぜか、生きていた。
だが、もちろん無傷と言うわけには行かず、体を動かすことが出来ない状態にある。
襲われていた女の子が無事か心配になり、頭だけを動かしキョロキョロと辺りを伺うと、爆散したスライムまみれになっている女の子が腰を抜かしたのか地面に経たりこんでいた。
「えっ? ええぇぇぇ! 何がどうなってるの? スライムがベッチョリくっついてグチョグチョで気持ち悪いよぉ。」
「お嬢さん大丈夫かい? 危ない所だったから助けてあげたよ。」
「えっ? 貴方が助けてくれたんですか? ありがとうございます! でも、貴方が既に死にそうになってるように見えるんですけど……。」
「俺は、大丈夫だ。 お嬢さんこそ怪我は無いかい?」
「私は、大丈夫ですけど、貴方の足が変な方向に曲がってますよ?」
「……。」
スライムまみれになり横たわる俺は、幸いな事にレベルアップのおかげか口だけが動かせるから会話が出来る。
会話が出来るから見栄を張って格好を付ける事が出来る。
「せっかく助けたのに助けられては、格好悪いからなぁ。」
強がってみたものの身体中が痛いし動かせないからどうしようもない。
このまま動けずに別の魔物に襲われたら抵抗できずにされるがままになってしまう。
せっかく生き延びたのにその死に方は、嫌だなぁ。
「ここに居ては、危険なのでせっかくだから私の家に来てゆっくり体を休めてください。」
俺の返答を待たずに女の子は、俺を担いで家まで連れて行ってくれた。
思えば、生まれて此の方一度も女の子のお家に行った事はなかった。
人生で初めての女の子の家、女の子の部屋にお邪魔する期待と希望が胸の内に膨らむ。
しばらく歩くと女の子が着きましたよ。 と、言うから顔をあげるとそこに家と言う家は、なかった。
代わりに洞穴があった。 洞穴と言うか壁が少し窪んだだけの場所だ。
これが、彼女の家らしい。
どこか誇らしげな彼女がちょっとだけ可哀想に見えた。
助けてもらってる分際で彼女を否定するのも気が引けるから、当たり障りのない言葉で受け流す事にした。
「う、うん。 とても良いお家だね。」
頬を赤く染め嬉しそうにする女の子は、アホな子でも可愛い。
「ここに来て三年くらいになりますが、ずっと一人で暮らしてたから、誰ともお話出来てなかったから、誉めてもらえて凄く嬉しいです!」
「そうだったのか。 しばらく、ここでゆっくりさせてもらうよ。」
生きてはいるが、体はボロボロだ。
いつ、完治するかわからないし、感染症にかかればそのまま衰弱死してしまう恐れがある。
一度受け入れたはずの死を間逃れ生き延びたが、また死ぬかも知れないと思うと恐怖に震えてしまう。
(死にたくないなぁ。)
本心だった。
少し前に「死にたい」と簡単に口にしていた自分の愚かさを後悔した。
そんな俺を心配そうに覗き込む彼女がまた、可愛い。
「お腹空いてませんか? 良い物が有るので食べてください。」
生きる為に少しでもたくさん食べて体力を付けて早くこの怪我を治さないといけないから、ありがたく頂く事にした。
「これは、なに……?」
笑顔で出された食べ物は、一粒の豆だった。
鹿児島県指宿市産「そらまめ」
俺の故郷の特産品だった。
なぜ、「俺の故郷のそらまめ」がここにあるのか、なぜ、この女の子がそれを持ってダンジョンにいるのか、今の俺は知るよしもなかった。
俺は、落下しながら昔、興味本意で調べた事を思い出す。
飛行機事故に会い、高度1万メートルから落下した場合、地表に激突するまで約3分かかると言われてるらしい。
助かる為に最善を尽くすべきだと、まずは、体を大きく開き風を
体全体で受け止め落下速度を落とし、着陸地点を探す。
海や水辺又は、森などの木々がクッションになってくれそうな場所を探し、そこに落ちるように移動しましょう。
確か、そう書いてあったはずだ。
辺りは真っ暗で何も見えない。
「うん。 ダメだ。 もう、諦めよう。」
ただただ何もすることが出来ずに死を受け入れる時間が過ぎる。
しばらくすると下の方から小さな光が見えるようになった。
どんどん光に近づいて行くとそこは、広大なドーム状になっており、良く見ると冠を被った大きなスライムのような生き物が人間?の女の子を襲っていた。
「どうせ諦めた命、このまま死ぬくらいならスライムを巻き込み女の子を助けて死のう。」
俺は、冠を被ったスライムめがけて落下したら、ものすごい破裂音と共にスライムは、爆散した。
大量の経験値を獲得しました。 レベルアップしました。
死を覚悟していた俺は、なぜか、生きていた。
だが、もちろん無傷と言うわけには行かず、体を動かすことが出来ない状態にある。
襲われていた女の子が無事か心配になり、頭だけを動かしキョロキョロと辺りを伺うと、爆散したスライムまみれになっている女の子が腰を抜かしたのか地面に経たりこんでいた。
「えっ? ええぇぇぇ! 何がどうなってるの? スライムがベッチョリくっついてグチョグチョで気持ち悪いよぉ。」
「お嬢さん大丈夫かい? 危ない所だったから助けてあげたよ。」
「えっ? 貴方が助けてくれたんですか? ありがとうございます! でも、貴方が既に死にそうになってるように見えるんですけど……。」
「俺は、大丈夫だ。 お嬢さんこそ怪我は無いかい?」
「私は、大丈夫ですけど、貴方の足が変な方向に曲がってますよ?」
「……。」
スライムまみれになり横たわる俺は、幸いな事にレベルアップのおかげか口だけが動かせるから会話が出来る。
会話が出来るから見栄を張って格好を付ける事が出来る。
「せっかく助けたのに助けられては、格好悪いからなぁ。」
強がってみたものの身体中が痛いし動かせないからどうしようもない。
このまま動けずに別の魔物に襲われたら抵抗できずにされるがままになってしまう。
せっかく生き延びたのにその死に方は、嫌だなぁ。
「ここに居ては、危険なのでせっかくだから私の家に来てゆっくり体を休めてください。」
俺の返答を待たずに女の子は、俺を担いで家まで連れて行ってくれた。
思えば、生まれて此の方一度も女の子のお家に行った事はなかった。
人生で初めての女の子の家、女の子の部屋にお邪魔する期待と希望が胸の内に膨らむ。
しばらく歩くと女の子が着きましたよ。 と、言うから顔をあげるとそこに家と言う家は、なかった。
代わりに洞穴があった。 洞穴と言うか壁が少し窪んだだけの場所だ。
これが、彼女の家らしい。
どこか誇らしげな彼女がちょっとだけ可哀想に見えた。
助けてもらってる分際で彼女を否定するのも気が引けるから、当たり障りのない言葉で受け流す事にした。
「う、うん。 とても良いお家だね。」
頬を赤く染め嬉しそうにする女の子は、アホな子でも可愛い。
「ここに来て三年くらいになりますが、ずっと一人で暮らしてたから、誰ともお話出来てなかったから、誉めてもらえて凄く嬉しいです!」
「そうだったのか。 しばらく、ここでゆっくりさせてもらうよ。」
生きてはいるが、体はボロボロだ。
いつ、完治するかわからないし、感染症にかかればそのまま衰弱死してしまう恐れがある。
一度受け入れたはずの死を間逃れ生き延びたが、また死ぬかも知れないと思うと恐怖に震えてしまう。
(死にたくないなぁ。)
本心だった。
少し前に「死にたい」と簡単に口にしていた自分の愚かさを後悔した。
そんな俺を心配そうに覗き込む彼女がまた、可愛い。
「お腹空いてませんか? 良い物が有るので食べてください。」
生きる為に少しでもたくさん食べて体力を付けて早くこの怪我を治さないといけないから、ありがたく頂く事にした。
「これは、なに……?」
笑顔で出された食べ物は、一粒の豆だった。
鹿児島県指宿市産「そらまめ」
俺の故郷の特産品だった。
なぜ、「俺の故郷のそらまめ」がここにあるのか、なぜ、この女の子がそれを持ってダンジョンにいるのか、今の俺は知るよしもなかった。
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