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8* 花盗人の共犯者
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フローリアが湯浴みの為に公爵家の侍女に連れて行かれてから直ぐに、窓の外から音が聞こえ目をやると見慣れた白い梟がコンコンと窓硝子を突いていた。
「ウォルご苦労様」
窓を開け出迎え、足に付いている筒から小さく巻かれた紙を取り出し、懐に入れてあるケースから伝書梟のウォル用に常備している干し肉を取り出し与えると、キューと嬉しそうに小さく鳴く。
侯爵家で飼育している伝書梟の中でも、特に自分に懐いているウォルの可愛い鳴き声に笑みを浮かべるが、手元の紙片を開き、眉を寄せた。
「まったく。困った“お兄様たち”だ」
そこにはシーフに仕える侍従からの報告が書かれており、“お兄様たち”の動向が四人分記されていた。
今回の公爵家の別荘でのバカンスは、何もフローリアや妹のキティー、御婦人たちだけが動いていた訳ではない。
事前にイグラルド伯爵であるフローリアの父にも報告している。
いくら幼馴染で婚約しているとはいえ、未婚の年頃の男女が家族の居ないひとつ屋根の下で過ごすのだ。
本来ならば許される事は無い。
にも関わらず、イグラルド伯爵が許可を出した理由は一つである。
自分の息子を筆頭に甥っ子たちが、娘と幼い頃から自分のもう一人の息子のように可愛がっている将来の娘婿の逢瀬を邪魔し、その度に娘が悲しむ姿を見るのが偲び無いからである。
勿論、娘は愛おしいが、それと同時に愛する妻がいる身としては、憐れな娘婿の境遇にも同情を禁じ得ないのだ。
妻の兄であるシールド辺境伯も、妹を溺愛しており口煩かったが、シーフには実兄のイージス以外に三人の従兄弟たちまでが横から邪魔をするので、比ではない。
妻の家系は妹を溺愛し過ぎる、諦めろ。とシーフの肩に手を置いたイグラルド伯爵は遠い目をしていた。
そんな事もあって、義父予定のイグラルド伯爵はシーフの強い味方であり、共犯者でもあるのだ。
今回の事も親身になって計画を応援してくれた。
ちなみに、フローリアはその事を知らない。
少し明日の予定を変更する旨を紙片の裏に小さく書き込み、静かに待っていたウォルの足の筒に取り付ける。
「ウォル、すまないがアルセーヌ様にこれを届けておくれ」
キュキューと頷くように鳴くウォルの背を撫で、窓から外へ放つ。
夜陰に白い梟が月の光を浴びて、発光しているように見えた。
「ウォルご苦労様」
窓を開け出迎え、足に付いている筒から小さく巻かれた紙を取り出し、懐に入れてあるケースから伝書梟のウォル用に常備している干し肉を取り出し与えると、キューと嬉しそうに小さく鳴く。
侯爵家で飼育している伝書梟の中でも、特に自分に懐いているウォルの可愛い鳴き声に笑みを浮かべるが、手元の紙片を開き、眉を寄せた。
「まったく。困った“お兄様たち”だ」
そこにはシーフに仕える侍従からの報告が書かれており、“お兄様たち”の動向が四人分記されていた。
今回の公爵家の別荘でのバカンスは、何もフローリアや妹のキティー、御婦人たちだけが動いていた訳ではない。
事前にイグラルド伯爵であるフローリアの父にも報告している。
いくら幼馴染で婚約しているとはいえ、未婚の年頃の男女が家族の居ないひとつ屋根の下で過ごすのだ。
本来ならば許される事は無い。
にも関わらず、イグラルド伯爵が許可を出した理由は一つである。
自分の息子を筆頭に甥っ子たちが、娘と幼い頃から自分のもう一人の息子のように可愛がっている将来の娘婿の逢瀬を邪魔し、その度に娘が悲しむ姿を見るのが偲び無いからである。
勿論、娘は愛おしいが、それと同時に愛する妻がいる身としては、憐れな娘婿の境遇にも同情を禁じ得ないのだ。
妻の兄であるシールド辺境伯も、妹を溺愛しており口煩かったが、シーフには実兄のイージス以外に三人の従兄弟たちまでが横から邪魔をするので、比ではない。
妻の家系は妹を溺愛し過ぎる、諦めろ。とシーフの肩に手を置いたイグラルド伯爵は遠い目をしていた。
そんな事もあって、義父予定のイグラルド伯爵はシーフの強い味方であり、共犯者でもあるのだ。
今回の事も親身になって計画を応援してくれた。
ちなみに、フローリアはその事を知らない。
少し明日の予定を変更する旨を紙片の裏に小さく書き込み、静かに待っていたウォルの足の筒に取り付ける。
「ウォル、すまないがアルセーヌ様にこれを届けておくれ」
キュキューと頷くように鳴くウォルの背を撫で、窓から外へ放つ。
夜陰に白い梟が月の光を浴びて、発光しているように見えた。
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