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つなぐ、つながる
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「うまい!!」
ピザトーストを飲み込んだ健太が、叫ぶ。
「めっちゃ香ばしいやん」
「一回、グリルで焼いてますから」
「手ぇ、かかってんのやな」
「レモンも少しかけてみてください」
「え、これ、添え物ちゃうの?」
「ちゃいます」
美咲は、わざと神戸弁で返した。
小さめの櫛形切りレモンをキューッっとまんべんなくかける。
酸味の芳香が、辺りに漂った。
一口食べた健太が目を剥いく。
「美咲さん、天才!!」
親指を立てた笑顔のあと、健太は、続きをバクバクと食べ、コーヒーに手を伸ばす。
美咲はそんな健太を見て、(おいしそうに食べるごとぉ…)と笑い出しそうになる。
「うん、香ばしさ、香り、歯ざわり…満点!!百点満点!!」
「ありがとうございます」
「そんなことはないです」と言いそうになったのを引っ込め、美咲は礼を言う。
「昨日の今日で、こんなピザトーストができるとは…。うまかった!!」
「健太さんはどんなピザトーストにしたんですか?」
「あ~、それな…。…。僕の缶詰は焼き飯になりました」
健太が棒読みの標準語で話す。
「焼き飯…って、炒飯ですか?」
「そう」
「炊き出しのおにぎりをたくさんもらって、こんな季節やし、焼き飯にしよう…と」
「あの缶詰なら、おにぎりのままでよくないですか?」
「食べ盛り3人に缶詰1個は侘しいやん?ご飯に火も通したいし」
「そうですね。おいしかったですか?」
「それはもう!!…自画自賛する!!」
健太のオーバーリアクションに、美咲は思わず笑ってしまう。
「美咲さんにも食べさせてあげたいなぁ…」
健太がそう呟くと
「おぉ!!若者。今日もいんのか!!」
と、博志の元気な声が店に入ってきた。
「婆様の店に行くと、『今日は美咲さが来てくれた。来てくれた』とえらく喜んでおって。『何しに来たんだ?』って訊いたら『なんだったかのう?』だと。用事済ませて帰る頃に『博志の缶詰めさ買いに来た』って言うから、『誰が?』って言うと『美咲さって言っておるが』だと」
博志がワハハと笑う。
「で、美咲、缶詰、何すんだ?」
「えーっと、ピザトースト?」
「なんで疑問なんだ。って、ピザトーストってったか?」
博志の声に美咲が頷く。
「めっちゃおいしかったですよ」
「なんだ?あんちゃんはもう喰ったのか。まだメニューにないのか?俺は食べれんのか?」
「博っちゃん、落ち着いてよぅ。作るよぅ」
美咲が珍しく、甘えたように困った声を出した。
手際よくピザトーストを作り、オーブントースターに入れ、コーヒーを準備する。
「僕は焼き飯にしてみました。うまかったです」
「焼き飯?炒飯か?俺、大好物!!」
「んー、美咲さんにも食べさせてあげたいんですが…」
「缶詰使った炒飯?」
「はい」
「んだら、工場の休憩室使え。簡単な調理はできるようになってっから。缶詰だりは出してやっから、作り方とか記録させてくんろ!」
「ほんまですか?」
「ほんまほんま」
「ありがとうございます!!」
前のめりな博志の東北訛りの関西弁に笑いながら、健太は博志と握手をした。
ピザトーストを飲み込んだ健太が、叫ぶ。
「めっちゃ香ばしいやん」
「一回、グリルで焼いてますから」
「手ぇ、かかってんのやな」
「レモンも少しかけてみてください」
「え、これ、添え物ちゃうの?」
「ちゃいます」
美咲は、わざと神戸弁で返した。
小さめの櫛形切りレモンをキューッっとまんべんなくかける。
酸味の芳香が、辺りに漂った。
一口食べた健太が目を剥いく。
「美咲さん、天才!!」
親指を立てた笑顔のあと、健太は、続きをバクバクと食べ、コーヒーに手を伸ばす。
美咲はそんな健太を見て、(おいしそうに食べるごとぉ…)と笑い出しそうになる。
「うん、香ばしさ、香り、歯ざわり…満点!!百点満点!!」
「ありがとうございます」
「そんなことはないです」と言いそうになったのを引っ込め、美咲は礼を言う。
「昨日の今日で、こんなピザトーストができるとは…。うまかった!!」
「健太さんはどんなピザトーストにしたんですか?」
「あ~、それな…。…。僕の缶詰は焼き飯になりました」
健太が棒読みの標準語で話す。
「焼き飯…って、炒飯ですか?」
「そう」
「炊き出しのおにぎりをたくさんもらって、こんな季節やし、焼き飯にしよう…と」
「あの缶詰なら、おにぎりのままでよくないですか?」
「食べ盛り3人に缶詰1個は侘しいやん?ご飯に火も通したいし」
「そうですね。おいしかったですか?」
「それはもう!!…自画自賛する!!」
健太のオーバーリアクションに、美咲は思わず笑ってしまう。
「美咲さんにも食べさせてあげたいなぁ…」
健太がそう呟くと
「おぉ!!若者。今日もいんのか!!」
と、博志の元気な声が店に入ってきた。
「婆様の店に行くと、『今日は美咲さが来てくれた。来てくれた』とえらく喜んでおって。『何しに来たんだ?』って訊いたら『なんだったかのう?』だと。用事済ませて帰る頃に『博志の缶詰めさ買いに来た』って言うから、『誰が?』って言うと『美咲さって言っておるが』だと」
博志がワハハと笑う。
「で、美咲、缶詰、何すんだ?」
「えーっと、ピザトースト?」
「なんで疑問なんだ。って、ピザトーストってったか?」
博志の声に美咲が頷く。
「めっちゃおいしかったですよ」
「なんだ?あんちゃんはもう喰ったのか。まだメニューにないのか?俺は食べれんのか?」
「博っちゃん、落ち着いてよぅ。作るよぅ」
美咲が珍しく、甘えたように困った声を出した。
手際よくピザトーストを作り、オーブントースターに入れ、コーヒーを準備する。
「僕は焼き飯にしてみました。うまかったです」
「焼き飯?炒飯か?俺、大好物!!」
「んー、美咲さんにも食べさせてあげたいんですが…」
「缶詰使った炒飯?」
「はい」
「んだら、工場の休憩室使え。簡単な調理はできるようになってっから。缶詰だりは出してやっから、作り方とか記録させてくんろ!」
「ほんまですか?」
「ほんまほんま」
「ありがとうございます!!」
前のめりな博志の東北訛りの関西弁に笑いながら、健太は博志と握手をした。
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