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余
あとがき
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【この物語を珈琲さんに捧ぐ】
「祈願文さえなければ、静はいい人なのに」という友人の言葉と
「保科正之は、よってたかって名君に育て上げられた」。そんな一文から生まれた物語。
江戸初期など、とんと分からない私が行き詰まったときに、いろいろ教えてくれたのは「祈願文さえなければ」と言った友人の珈琲さんでした。
心より感謝いたします。
珈琲さんとは、某SNSの友人でしたが、いつの間にか珈琲さんがSNSを去られました。
どこかで珈琲さんが読んでくだされば、望外の幸せです。
「照葉」というのは、照葉樹の葉。
ツヤツヤとして、一年中、青々としています。
椿、お茶、山桃、櫁、楪……。
中でも、秀忠がコレクションをして愛でたという椿は、江であり、椿に似たちょっとおへちゃな花を咲かせ(表紙参照)、日常に欠かせないお茶を静と思って書き進めました。
どこか似てるけど、違う。
秀忠が竹千代に説いたとおりです。
さて、静が江戸城にいた間は大きな戦が起こっていません。
そのため、私は静を通説の神尾の娘ではなく、異説の大工の娘設定にしました。
静は大姥局の希望通り、大きな戦とは無関係に暮らし、高遠藩で幸松と共に穏やかに暮らしたでしょう。
幸松は幸松で、婆様たちの愛はもちろん、養父の保科正光だけでなく、利勝にも気にかけられ、名君の素地を作っていったかと思います。
栄太郎は幸松の遊び相手となり、木カルタも遊び道具として会津にも伝わっていったのなら面白いなと思っています。
嘉衛門の息子たちも、才兵衛さんの息子も、保科正之公に付き従ったとか。
栄嘉父上の「武士は人のために」も教えられていったのでしょう。
静は、家を思う男たちに、ほんのり微笑んで、山桃を食べたかもしれません。
「きれいは汚い、汚いはきれい」という、シェークスピアの『マクベス』の台詞を胸に書き進めました。
長のお付き合い、誠にありがとうございました。
お気に入りしてくださった皆さま、コメントいただいた美月さま、Leapさま、大賞の応援をしてくださった皆さま、本当にありがとうございました。
皆々様のご多幸をお祈りいたしております。
みなわなみ拝
「祈願文さえなければ、静はいい人なのに」という友人の言葉と
「保科正之は、よってたかって名君に育て上げられた」。そんな一文から生まれた物語。
江戸初期など、とんと分からない私が行き詰まったときに、いろいろ教えてくれたのは「祈願文さえなければ」と言った友人の珈琲さんでした。
心より感謝いたします。
珈琲さんとは、某SNSの友人でしたが、いつの間にか珈琲さんがSNSを去られました。
どこかで珈琲さんが読んでくだされば、望外の幸せです。
「照葉」というのは、照葉樹の葉。
ツヤツヤとして、一年中、青々としています。
椿、お茶、山桃、櫁、楪……。
中でも、秀忠がコレクションをして愛でたという椿は、江であり、椿に似たちょっとおへちゃな花を咲かせ(表紙参照)、日常に欠かせないお茶を静と思って書き進めました。
どこか似てるけど、違う。
秀忠が竹千代に説いたとおりです。
さて、静が江戸城にいた間は大きな戦が起こっていません。
そのため、私は静を通説の神尾の娘ではなく、異説の大工の娘設定にしました。
静は大姥局の希望通り、大きな戦とは無関係に暮らし、高遠藩で幸松と共に穏やかに暮らしたでしょう。
幸松は幸松で、婆様たちの愛はもちろん、養父の保科正光だけでなく、利勝にも気にかけられ、名君の素地を作っていったかと思います。
栄太郎は幸松の遊び相手となり、木カルタも遊び道具として会津にも伝わっていったのなら面白いなと思っています。
嘉衛門の息子たちも、才兵衛さんの息子も、保科正之公に付き従ったとか。
栄嘉父上の「武士は人のために」も教えられていったのでしょう。
静は、家を思う男たちに、ほんのり微笑んで、山桃を食べたかもしれません。
「きれいは汚い、汚いはきれい」という、シェークスピアの『マクベス』の台詞を胸に書き進めました。
長のお付き合い、誠にありがとうございました。
お気に入りしてくださった皆さま、コメントいただいた美月さま、Leapさま、大賞の応援をしてくださった皆さま、本当にありがとうございました。
皆々様のご多幸をお祈りいたしております。
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みんなの感想(3件)
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長い物語でしたが、しおりを挟むのももどかしくあっという間に大変面白く読ませて頂きました。下調べなどさぞかしご苦労があったことと思います。
元来、西洋志向が強く、日本の史実にあまり詳しくないもので、静の安産祈願文がなんと私が幼い頃からなにかとお詣りに行っていた氷川様にあったのを今回初めて知りました。驚くと同時に勝手に親近感を覚えています。
とっつきにくいと感じていた歴史ものでしたが、読者を飽きさせない魅力がありました。これからも楽しみに読ませて頂きたかよろしくお願いします。
長い物語を読んでいただき、ありがとうございます。
ご感想もありがとうございます!
氷川神社と馴染み深いとのこと、羨ましいです。
藤吾親分さんとかの語り口調に違和感がなかったか、ドキドキです(笑)
この物語は、数年前、すごく下調べをして1年ほどかけて書き上げました。
そんな力が余り残ってないのですが、またなにか書いたときにはお付き合いくださいませ。
本当にありがとうございました。
完結おめでとうございます。
本当にお疲れ様でした。
読了後、爽やかな旨みのある、けれども微かに苦味も残るお茶を一服頂いたような感じがしました。
幕末、会津がなぜ最後の最後まで幕府側だったのか、この作品をきっかけにほんの少しですが調べてみてわかりました。
歴史の解釈を含め素晴らしい小説ですね。
私個人としては、静に共感出来る部分が沢山ありました。
自我が強い現代人にはとても真似はできませんが、去り際が美しい方がずっと愛する人の心に残ると共感しております。
全ての登場人物の描写が本当に素晴らしい。
どの登場人物も好きになりました。
歴史小説でもあり、恋愛小説でもあるこの作品に巡り合えてよかったです。
私の文章力がないため感動を伝え切れないのがもどかしいです。
今、余韻で胸がいっぱいです。
長い物語にお付き合い、本当にありがとうございました。
素敵な感想をいただけて、とても喜んでおります。
途中の感想も大変励みになりました。
あとがきにも書きましたが、書き始めた頃は、あまり江戸初期や戦国武将に詳しくなく(笑)
詳しくない(思い入れが強くない)からこそ、自由に書けたように思います。
本当に長いお付き合いありがとうございました。
一気に読ませて頂きました。
静が健気で優しく強く、幸せになって欲しいと思わずにいられません。
静の周りの人達も其々に素晴らしく、読後の余韻に浸っています。
続きを楽しみにしています。
ご感想、ありがとうございます!長い物語へのお付き合いも感謝いたします。
あまりよく言われない静さんですが、幸せになってほしいと思って書いております。
引き続きお楽しみいただければ幸いです