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どうやら悪役令嬢に転生したようです
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私は今まで自分が物語の主人公と信じて疑わなかったんだ。
私は誰よりも一番じゃないと許せなかった。
皆にちやほやされるのも、愛されるのも、幸せになるのも一番じゃないと。だから婚約者を束縛した。相手の気持ちを考えた事がなかった。彼の本当の気持ちを知っときながら知らないフリをした。
友人の未来を奪った。半端強引に婚約破棄させたのだ。その日から友人の心からの笑みを見ていない。
義弟に酷い仕打ちをたくさんしてきた。無理やりメイデン公爵家に連れて来られた義弟を奴隷の様に扱ってきたのだ。きっと私を物凄く恨んでるだろう。
他の人達だってそうだ。私に関わってくる者達全員に酷い事を今までしてきた。私とあまり関わりのない人達にだって横柄な言動をとっていたんだ。だから私を恨んでる人はたくさん居る。逆に私に好意を抱いてる人なんて居ないだろう。
だからこれは自業自得・・・。
私はいつもの様に周りの人の迷惑を考えずに階段付近で婚約者の腕をがっしりと絡めとっていた。すぐ近くには2人の私の取り巻きも居た。
「・・・ほんと、此処は人が多くて酔いますわね。」
「えっと、ディーリア嬢。もう少し離れて頂けませんか?」
ふふっ、照れてるのね。エスティル様って、本当にウブで愛しいですわ。
ちらりと周りを見渡せば皆が私達に注目していた。
あぁ、皆私が羨ましいのね。
私の婚約者はこの国の王子、やがてこの国を支える国王と成り得るお方。そしてエスティル様の婚約者である私は必然的に王妃になる。
私だけがこんなに幸せで悪いわ♡
「ディ、ディーリア嬢っ!本当に危ないですから。」
エスティル様が声を張り上げたその時だった。
私に目掛けて走ってくる者の気配に気付くのが遅くて対処しようと思ったときにはグラリと身体が思いっきり傾いたのだ。
どんどんエスティル様との距離が離れてしまう。私は階段から転げ落ち、地面に強く頭をぶつけてしまったのだ。
気を失う直前に見えたのは無様に倒れてる私をボッーと突っ立って見ていたエスティル様と取り巻き二人の姿だった。
*****
・・・っと、そんな無様な姿を皆にお見舞いしてしまった私だけど全て思い出してしまった。私は元々此処とは全く違うとこの女子高生で、毎日大好きな乙女ゲームを漁って過ごして居たのだ。その中でも大大大好きな乙女ゲーム『キミチカ』は毎晩の様に攻略対象者の好感度を上げる為、奮闘していた。
その『キミチカ』と言うのはコンプレックスを抱いてる攻略対象者がヒロインと出会い、恋に落ちることでコンプレックスは次第に薄れてゆき、成長して行く物語だ。だけどそんな二人の恋路を邪魔する者が居る。悪役令嬢、ディーリア・メイデンだ。ディーリアは誰よりも愛される事を望んでいた。だけど自分よりも愛されていたヒロインの存在が邪魔で仕方が無かった。自身の婚約者や義弟までが彼女の虜。憎くて、ウザくて彼女を消したくて堪らなかったのだ。そこで犯罪の手助けをさせられたのがディーリアの取り巻きの二人だった。ヒロインが一人になったとこをふたりで襲い掛かる作戦だ。だけどそれはすぐに駆け付けたヒロインの攻略対象者達によって、何事もなく終わったのだ。しかしヒロインを殺めようとしたディーリアとその取り巻きのふたりは断罪されてしまうのだ。悪役が居なくなった世界で二人はいつまでも幸せに暮らすんだけど・・・。それはHAPPYENDだったらの話。ヒロインがその攻略者の攻略に失敗してしまったら、ディーリアと共犯かと疑われて罪を一緒に背負わされて処刑されてしまうのだ。
ヒロインの攻略者達は選択次第では助かるだろう。だけど、いつも周りの人に迷惑を掛けて嫌われてるディーリアに幸せなENDは来ない。
そんなディーリア・メイデンになってしまった私。このままでは私は処刑をされて即終了だ。
嗚呼、私の人生ってこんなに呆気ないんだな・・・。
ポロポロと涙が零れる。私に泣く資格なんてないのに涙は止まるどころかどんどん溢れてきた。
「ディーリア嬢、お加減はいかがですか?」
エスティル様の声が聞こえたと思ったらガラガラッと扉が開く音がしてエスティル様が姿を現した。それに続く様に生徒会長に義弟、取り巻きの二人にヒロインまで何だか気まずそうに保健室の中に入ってきた。
分かっていたけれどやっぱりちゃんと見てくれないのね。
俯く者、視線をそらす者など皆は私の顔を見てくれては居なかった。唯一ヒロインだけは愛想笑いだとしても私を真正面から見てくれていたけれど、それは彼女が優しいだけに過ぎない。
でも今日はどこか変だ。私を嫌悪な目で見てくるのは変わりないのに彼も彼女も皆、目を見開いて固まっていた。どこか不安げな表情のまま。
・・・私、また何かしたのか。前世の記憶がなかった頃は何ともなかったのに今では皆の表情一つ一つが気になって仕方がない。
固まって動かない皆を一通り見ても何がどうしたのか分からなくて首を傾げるに至った。
「な、泣いてるのですか?ディーリア様。」
静まり返ってる空間にか細いがとても温かみのある綺麗な声が響いた。
モジモジと身体を小刻みに揺らしながら私に気遣わしげに声を掛けてきたブロンドツインテールの少女はメルリ・グレイズ。愛称は『メル』私の取り巻きの一人だ。
・・・そっか。私、まだ泣いてたんだ。
さっきまでだんまりだった他の面子もメルリのその一言によって我に返った様に口々に心配の言葉を述べた。
まるで心から心配してるかの様な言葉。本当に安心したと思ってる?本当はこのまま目を覚まさなければよかったと思ったんじゃない?
駄目よ、私。そんなの友達に思うことじゃないわ。まぁ、向こうは私の事友達だなんて思ってないでしょうけど。
いつもは皆になんて返してたっけ。確か、こう言う時でも偉そうな態度をとってたわよね。
「・・・皆の衆、感謝する」
「えっ、ディーリア、様?」
思い付いた言葉をそのまま口にすると、メルリの横に居る青髪ポニーテールの娘、アリシア・ミレイユはちょっと引き気味に頬をひくつかせていた。周りを見ると彼女と同じ様に変な事を言い出す私を不審がっていた。これじゃあ私、ただの変人じゃない。早く別の返し方しないと。だけど前世の記憶を思い出して間もない私には皆に何と答えて良いのか分からない。
「・・・メイデン殿はまだ気分が優れない様だ。今日の所は失礼するとしよう。」
そんな時、我が生徒会長殿が助け舟を出してくれた。生徒会長に言われてしまえば従わざるを得ないだろう。
「では、ディーリア様。また明日、学園で会いましょうね」
―明日からは無理に話さなくても良いのよ―
私の手を優しく両手で包み込むアリシアに私は微笑んだ。すると何故だがきょとん顔で見つめられたから名前を呼んでみるとハッとした様に『なんでもありませんわ』と言って直ぐ様メルリを引き連れて此処から出て行ってしまった。それに義弟、エスティル様、ヒロインと続いた。最後に生徒会長が何か言いたげにこちらを見ていたから悪いイメージを少しでも無くそうと笑って見せるととてつもなく奇妙なものを見たか様に眉を歪ませて早々に立ち去って行った。
流石に傷付くわよ?
*****
取り敢えず一人になったところで頭の中を整理しよう。まずはこの物語のヒロイン、エミリ・ランジュから。エミリはヒロイン特有の愛らしい容姿に強力な魔力を兼ね備えている。女神の様な心で人々を癒やし、たくさんの男性を無意識に魅了している事から天然タラシだと勝手ながら私は思っている。ディーリアが嫉妬するのも分かる気がするなぁ。流石に虐めようとは思わないけど女ならあの美貌は羨ましいもの。そんなヒロインに恋をする攻略対象者達。
一人目は私の婚約者、エスティル・ラザフォード。銀髪金色瞳の将来有望な国王候補の一人だ。ディーリアとは7歳の時に現王のパーティーの庭で出会った。エスティルが隠れて魔力の練習をしていた時に近付いて来たディーリアに怪我を負わせた事で責任をとる事になってしまったのだ。だけど学園で出会ったエミリと恋に落ちたことによってディーリアと距離を置く事にしたのだった。
二人目は私の義弟、ユーリ・メイデン。10歳の頃、魔力が高い事からメイデン公爵家の跡取りとして連れて来られた。栗色の髪に空色の瞳ととても愛らしい容姿をしてるが、ずっと奴隷の様に扱われてきた為、甘える事を知らないぶっきらぼうな性格になってしまった。エミリと出会い、初めて人の優しさに触れて人間らしさを取り戻す。
三人目は白金髪、碧眼の我が学園の生徒会長、レオン・ブライアン。レオンには何でも完璧にこなすお兄さんが居る。だから周りにいつも比べられてきたのだ。誰よりも学力や魔力に力を入れてやっと周りに認められるんだけどレオンの限界は近かった。そんな時、優しくエミリが言うの。『誰が何と言おうとレオン様はレオン様です』と。その言葉でレオンのお兄さんへのコンプレックスは次第に薄れていった。
・・・う~ん。ほんと、ヒロインの天然タラシっぷりは相変わらずね。そんな事を言われてしまえば恋に落ちるに決まってるでしょ!こちら側はほっといてヒロインに任せとけば全て丸く収まる気がするのよね。
問題はディーリア側だ。
一人目の取り巻きの女の子、メルリ・グレイズはエミリに負けず劣らず可愛らしい容姿をしている。ブロンド色のゆるふわな髪をツインテールにしてる姿はまるで小動物の様でつい抱き締めたい衝動に駆られるくらいだ。元々彼女には将来を誓い合っていた婚約者が居たのだが自分より幸せになる事を許せなかったディーリアが婚約破棄に追いやったのだ。きっと、ディーリアの事を恨んでるに違いない。
二人目の取り巻き、アリシア・ミレイユは剣術の才能に恵まれたスタイル抜群な女の子だ。親友のメルリを凄く心配していてメルリが居るならと、ディーリアの取り巻き志願をしてきた。サバサバとした姉御肌だけど意外と可愛いものが大好きでぬいぐるみ集めが好きな乙女だ。因みにメルリにも誰にもこの事は教えていない。
この二人はどのENDに行ってもディーリアの道連れで死亡するのよね。元々エミリ暗殺を頼まれたのはメルリ一人だった。だけど友達思いのアリシアがそれをほっとかなかったんだ。
『メル一人に罪を背負わさない。メルがどうしてもやるってんならどこまでも付き合うよ』
はぁ~~~♡
アリシアってば男前なんだから!女の私でも惚れそうになっちゃったじゃない!
考えた結果、一番どうにかしないといけないのは取り巻きの二人ね。男性陣はエミリが心の拠り所になってくれるでしょうけどディーリアと関わりを持っている時点で死亡フラグは立っているでしょうし明日から全ての者とも関わりを断ちましょう!義弟のユーリとは流石に家で会うからどうしようもないけどなるべく避ければ問題ないわ!
目指すは誰も死なない世界、HAPPYENDただ一つよ!
私は誰よりも一番じゃないと許せなかった。
皆にちやほやされるのも、愛されるのも、幸せになるのも一番じゃないと。だから婚約者を束縛した。相手の気持ちを考えた事がなかった。彼の本当の気持ちを知っときながら知らないフリをした。
友人の未来を奪った。半端強引に婚約破棄させたのだ。その日から友人の心からの笑みを見ていない。
義弟に酷い仕打ちをたくさんしてきた。無理やりメイデン公爵家に連れて来られた義弟を奴隷の様に扱ってきたのだ。きっと私を物凄く恨んでるだろう。
他の人達だってそうだ。私に関わってくる者達全員に酷い事を今までしてきた。私とあまり関わりのない人達にだって横柄な言動をとっていたんだ。だから私を恨んでる人はたくさん居る。逆に私に好意を抱いてる人なんて居ないだろう。
だからこれは自業自得・・・。
私はいつもの様に周りの人の迷惑を考えずに階段付近で婚約者の腕をがっしりと絡めとっていた。すぐ近くには2人の私の取り巻きも居た。
「・・・ほんと、此処は人が多くて酔いますわね。」
「えっと、ディーリア嬢。もう少し離れて頂けませんか?」
ふふっ、照れてるのね。エスティル様って、本当にウブで愛しいですわ。
ちらりと周りを見渡せば皆が私達に注目していた。
あぁ、皆私が羨ましいのね。
私の婚約者はこの国の王子、やがてこの国を支える国王と成り得るお方。そしてエスティル様の婚約者である私は必然的に王妃になる。
私だけがこんなに幸せで悪いわ♡
「ディ、ディーリア嬢っ!本当に危ないですから。」
エスティル様が声を張り上げたその時だった。
私に目掛けて走ってくる者の気配に気付くのが遅くて対処しようと思ったときにはグラリと身体が思いっきり傾いたのだ。
どんどんエスティル様との距離が離れてしまう。私は階段から転げ落ち、地面に強く頭をぶつけてしまったのだ。
気を失う直前に見えたのは無様に倒れてる私をボッーと突っ立って見ていたエスティル様と取り巻き二人の姿だった。
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・・・っと、そんな無様な姿を皆にお見舞いしてしまった私だけど全て思い出してしまった。私は元々此処とは全く違うとこの女子高生で、毎日大好きな乙女ゲームを漁って過ごして居たのだ。その中でも大大大好きな乙女ゲーム『キミチカ』は毎晩の様に攻略対象者の好感度を上げる為、奮闘していた。
その『キミチカ』と言うのはコンプレックスを抱いてる攻略対象者がヒロインと出会い、恋に落ちることでコンプレックスは次第に薄れてゆき、成長して行く物語だ。だけどそんな二人の恋路を邪魔する者が居る。悪役令嬢、ディーリア・メイデンだ。ディーリアは誰よりも愛される事を望んでいた。だけど自分よりも愛されていたヒロインの存在が邪魔で仕方が無かった。自身の婚約者や義弟までが彼女の虜。憎くて、ウザくて彼女を消したくて堪らなかったのだ。そこで犯罪の手助けをさせられたのがディーリアの取り巻きの二人だった。ヒロインが一人になったとこをふたりで襲い掛かる作戦だ。だけどそれはすぐに駆け付けたヒロインの攻略対象者達によって、何事もなく終わったのだ。しかしヒロインを殺めようとしたディーリアとその取り巻きのふたりは断罪されてしまうのだ。悪役が居なくなった世界で二人はいつまでも幸せに暮らすんだけど・・・。それはHAPPYENDだったらの話。ヒロインがその攻略者の攻略に失敗してしまったら、ディーリアと共犯かと疑われて罪を一緒に背負わされて処刑されてしまうのだ。
ヒロインの攻略者達は選択次第では助かるだろう。だけど、いつも周りの人に迷惑を掛けて嫌われてるディーリアに幸せなENDは来ない。
そんなディーリア・メイデンになってしまった私。このままでは私は処刑をされて即終了だ。
嗚呼、私の人生ってこんなに呆気ないんだな・・・。
ポロポロと涙が零れる。私に泣く資格なんてないのに涙は止まるどころかどんどん溢れてきた。
「ディーリア嬢、お加減はいかがですか?」
エスティル様の声が聞こえたと思ったらガラガラッと扉が開く音がしてエスティル様が姿を現した。それに続く様に生徒会長に義弟、取り巻きの二人にヒロインまで何だか気まずそうに保健室の中に入ってきた。
分かっていたけれどやっぱりちゃんと見てくれないのね。
俯く者、視線をそらす者など皆は私の顔を見てくれては居なかった。唯一ヒロインだけは愛想笑いだとしても私を真正面から見てくれていたけれど、それは彼女が優しいだけに過ぎない。
でも今日はどこか変だ。私を嫌悪な目で見てくるのは変わりないのに彼も彼女も皆、目を見開いて固まっていた。どこか不安げな表情のまま。
・・・私、また何かしたのか。前世の記憶がなかった頃は何ともなかったのに今では皆の表情一つ一つが気になって仕方がない。
固まって動かない皆を一通り見ても何がどうしたのか分からなくて首を傾げるに至った。
「な、泣いてるのですか?ディーリア様。」
静まり返ってる空間にか細いがとても温かみのある綺麗な声が響いた。
モジモジと身体を小刻みに揺らしながら私に気遣わしげに声を掛けてきたブロンドツインテールの少女はメルリ・グレイズ。愛称は『メル』私の取り巻きの一人だ。
・・・そっか。私、まだ泣いてたんだ。
さっきまでだんまりだった他の面子もメルリのその一言によって我に返った様に口々に心配の言葉を述べた。
まるで心から心配してるかの様な言葉。本当に安心したと思ってる?本当はこのまま目を覚まさなければよかったと思ったんじゃない?
駄目よ、私。そんなの友達に思うことじゃないわ。まぁ、向こうは私の事友達だなんて思ってないでしょうけど。
いつもは皆になんて返してたっけ。確か、こう言う時でも偉そうな態度をとってたわよね。
「・・・皆の衆、感謝する」
「えっ、ディーリア、様?」
思い付いた言葉をそのまま口にすると、メルリの横に居る青髪ポニーテールの娘、アリシア・ミレイユはちょっと引き気味に頬をひくつかせていた。周りを見ると彼女と同じ様に変な事を言い出す私を不審がっていた。これじゃあ私、ただの変人じゃない。早く別の返し方しないと。だけど前世の記憶を思い出して間もない私には皆に何と答えて良いのか分からない。
「・・・メイデン殿はまだ気分が優れない様だ。今日の所は失礼するとしよう。」
そんな時、我が生徒会長殿が助け舟を出してくれた。生徒会長に言われてしまえば従わざるを得ないだろう。
「では、ディーリア様。また明日、学園で会いましょうね」
―明日からは無理に話さなくても良いのよ―
私の手を優しく両手で包み込むアリシアに私は微笑んだ。すると何故だがきょとん顔で見つめられたから名前を呼んでみるとハッとした様に『なんでもありませんわ』と言って直ぐ様メルリを引き連れて此処から出て行ってしまった。それに義弟、エスティル様、ヒロインと続いた。最後に生徒会長が何か言いたげにこちらを見ていたから悪いイメージを少しでも無くそうと笑って見せるととてつもなく奇妙なものを見たか様に眉を歪ませて早々に立ち去って行った。
流石に傷付くわよ?
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二人目は私の義弟、ユーリ・メイデン。10歳の頃、魔力が高い事からメイデン公爵家の跡取りとして連れて来られた。栗色の髪に空色の瞳ととても愛らしい容姿をしてるが、ずっと奴隷の様に扱われてきた為、甘える事を知らないぶっきらぼうな性格になってしまった。エミリと出会い、初めて人の優しさに触れて人間らしさを取り戻す。
三人目は白金髪、碧眼の我が学園の生徒会長、レオン・ブライアン。レオンには何でも完璧にこなすお兄さんが居る。だから周りにいつも比べられてきたのだ。誰よりも学力や魔力に力を入れてやっと周りに認められるんだけどレオンの限界は近かった。そんな時、優しくエミリが言うの。『誰が何と言おうとレオン様はレオン様です』と。その言葉でレオンのお兄さんへのコンプレックスは次第に薄れていった。
・・・う~ん。ほんと、ヒロインの天然タラシっぷりは相変わらずね。そんな事を言われてしまえば恋に落ちるに決まってるでしょ!こちら側はほっといてヒロインに任せとけば全て丸く収まる気がするのよね。
問題はディーリア側だ。
一人目の取り巻きの女の子、メルリ・グレイズはエミリに負けず劣らず可愛らしい容姿をしている。ブロンド色のゆるふわな髪をツインテールにしてる姿はまるで小動物の様でつい抱き締めたい衝動に駆られるくらいだ。元々彼女には将来を誓い合っていた婚約者が居たのだが自分より幸せになる事を許せなかったディーリアが婚約破棄に追いやったのだ。きっと、ディーリアの事を恨んでるに違いない。
二人目の取り巻き、アリシア・ミレイユは剣術の才能に恵まれたスタイル抜群な女の子だ。親友のメルリを凄く心配していてメルリが居るならと、ディーリアの取り巻き志願をしてきた。サバサバとした姉御肌だけど意外と可愛いものが大好きでぬいぐるみ集めが好きな乙女だ。因みにメルリにも誰にもこの事は教えていない。
この二人はどのENDに行ってもディーリアの道連れで死亡するのよね。元々エミリ暗殺を頼まれたのはメルリ一人だった。だけど友達思いのアリシアがそれをほっとかなかったんだ。
『メル一人に罪を背負わさない。メルがどうしてもやるってんならどこまでも付き合うよ』
はぁ~~~♡
アリシアってば男前なんだから!女の私でも惚れそうになっちゃったじゃない!
考えた結果、一番どうにかしないといけないのは取り巻きの二人ね。男性陣はエミリが心の拠り所になってくれるでしょうけどディーリアと関わりを持っている時点で死亡フラグは立っているでしょうし明日から全ての者とも関わりを断ちましょう!義弟のユーリとは流石に家で会うからどうしようもないけどなるべく避ければ問題ないわ!
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