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序章 始まりの町
第9話 高揚
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「そんなところで、ゴーレムは今手元にあるかい?」
セイリウムさんが俺にもちろん持ってるよね?といった感じで聞いてくる。
「ありますよ。この作業台の上でいいですか?」
「いいよー。ちょっとほかのものをどけるから待っててね。」
そういってその上のものを雑にどけた。結構適当にどけたので、少し壊れていないか心配になったが、当の本人は気にしていない様子だったので、俺もスルーした。
台の上が片付いたので、アルトは収納の魔道具からアイアンゴーレムを取り出した。改めてアイアンゴーレムを見ると、よくこんなものに向かって突撃できたなと自分のことながら思った。
「うわぁ、これがうわさに聞くゴーレムか!ちょっと見てみてもいいかな?」
「大丈夫ですよ。突然動き出す心配もないので隅々まで見てもらって大丈夫です。」
俺が冗談を交えてそういうと、セイリウムさんはまるで新しいおもちゃを買ってもらった無邪気な子供のようにゴーレムに飛びついた。右手にはドライバー、左手にはルーペを持ち、忙しそうに分解してはパーツをじっくりと観察し、分解しては観察しをずっと続けていた。
その間、俺は作業場にそろえられた装置や設備、道具を見て回り、興味深いものがあれば手に取ってじっくりと観察させてもらった。
そんなこんなで一時間が経過し、ほかのみんなは置いてある魔道具を触りながら時間をつぶしていた。すると、俺たちが今いる作業場に、印象的な少女が入ってきた。
「お父様!早く次の仕事を片付けないとまたお母様に怒られてしまいますよ!」
「うへっ!?アメリアちゃん、そんなこと言わないでくれよー」
セイリウムさんがとても一つの町の領主のものとは思えない情けない声を発した。
「全く、お父様はいつもそうですわ…あら、お客様がいらっしゃっていたんですね。ってアルト様ではないですか!」
「お久しぶりです。お元気でしたでしょうか?」
俺はお嬢様とまた会えるとは思っていなかったので思わず驚いてしまった。その印象的な真っ赤な髪はこの前見た時と同じように艶があって、化粧はほんの少ししかしていないだろうが、とても整った顔立ちをしていて、見とれてしまう。
よくよく見てみれば、セイリウムさんも顔にいろいろと汚れが付いていてわかりにくかったけれども、中性的な整った顔立ちをしていた。
「おかげさまで大切なお話に間に合いましたし、俺から魔導騎馬も壊れることがなくなってしまったので、お父様もやることが少なくなってしまったと嘆いてらっしゃいましたよ。」
「それは申し訳ないです。」
俺は笑いながらお嬢様の冗談に反応した。その奥ではセイリウムさんが「ふぐっ!」と、変な声を上げていた。
「ま、まぁそんなことはどうでもいいとして、このゴーレムの基盤、アルト君の作り方と同じ系統の作り方だね。でもしっかり見ればところどころ雑なつくりのところがいくつか見られる。おそらくなんだけれど、君の魔道具の作り方は精霊魔法の系統じゃないかなと思うんだ。」
「精霊魔法?」
俺を含めて頭の上にはてなマークを浮かべていた。
「分かりやすく説明するよ。このコップに水を浸してひっくり返す。この中で、水を魔力、水をひっくり返す行為を魔法だと思ってね。一般の魔道具や王都にいるといわれている魔導師隊の魔法っていうのは、コップに水を蛇口から注いで貯めて、たまった水をひっくり返している感じなんだ。だから、水が蛇口から出てこなくなってしまったら、中の水をひっくり返すこともできなくなる。」
コップに水を注いでひっくり返して注いでひっくり返してを繰り返しながら説明していくセイリウムさん。何となく普通の魔法は理解できた。
すると今度は、複数の蛇口にホースをつけて、少し蛇口を開けた。
「こっちは、アルト君やこのゴーレムに使われている精霊魔法の再現なんだけど、こっちはコップに蛇口から水を注ぐというプロセスを無視できるんだ。コップをひっくり返しながらでもこうやって周りから自動的に水を集めて放出し続けることができるんだ。だから普通の魔道具や魔導師の魔法は魔力が切れたら回復するまで魔法は使えなくなってしまうけど、アルト君やゴーレムの精霊魔法なら、周囲から魔力をかき集めて発動するからそもそも魔力切れっていう概念が存在しないんだよ。」
俺はその説明を聞きながらなるほどなと思った。確かに、俺が今まで作った魔道具には基本的に魔力庫を積んだことがなかった。なぜなら、俺が今まで参考にしていた家のそばにあったゴミ捨て場にあった魔道具たちには魔力庫がなかったからだ。
「もちろん精霊魔法にも弱点はあるよ。周囲の魔力が薄いところ、例えばコンクリートで囲まれた場所とか、すでに大規模な精霊魔法を行使された後とかね。そういったところではあまり大きな規模の魔法を発動させることはできない。そういった制約があるから、結構マイナーなものになっちゃったんだよね。」
セイリウムさんがため息交じりに話した。
「とまぁ、魔法にはいくつか種類があるんだ。で、話が変わるけど、アルト君。君はこのゴーレムよりもいいものは作れるかい?」
唐突に聞かれた質問に、俺は少し考えた。
「作れるかどうかはさすがにわかりません。なにせ、今までそういった大きなものは作らせてもらえませんでしたし、下民なもので、材料を調達することもできませんでしたし。」
「そうなんだ。じゃあ、魔道具師としての君に一つ仕事をお願いしよう。材料と道具はすべてこちらで用意するから、君が作りえる最高のゴーレムを作ってくれ。」
俺は少し興奮していた。流れ的にお願いされるだろうなとは思っていたが、本当に人生で初めての仕事が町の領主という大物からの依頼である。自分が持つすべての技術を用いて、最高のヒトしなを仕上げて見せようという気持ちがみなぎっていった。
セイリウムさんが俺にもちろん持ってるよね?といった感じで聞いてくる。
「ありますよ。この作業台の上でいいですか?」
「いいよー。ちょっとほかのものをどけるから待っててね。」
そういってその上のものを雑にどけた。結構適当にどけたので、少し壊れていないか心配になったが、当の本人は気にしていない様子だったので、俺もスルーした。
台の上が片付いたので、アルトは収納の魔道具からアイアンゴーレムを取り出した。改めてアイアンゴーレムを見ると、よくこんなものに向かって突撃できたなと自分のことながら思った。
「うわぁ、これがうわさに聞くゴーレムか!ちょっと見てみてもいいかな?」
「大丈夫ですよ。突然動き出す心配もないので隅々まで見てもらって大丈夫です。」
俺が冗談を交えてそういうと、セイリウムさんはまるで新しいおもちゃを買ってもらった無邪気な子供のようにゴーレムに飛びついた。右手にはドライバー、左手にはルーペを持ち、忙しそうに分解してはパーツをじっくりと観察し、分解しては観察しをずっと続けていた。
その間、俺は作業場にそろえられた装置や設備、道具を見て回り、興味深いものがあれば手に取ってじっくりと観察させてもらった。
そんなこんなで一時間が経過し、ほかのみんなは置いてある魔道具を触りながら時間をつぶしていた。すると、俺たちが今いる作業場に、印象的な少女が入ってきた。
「お父様!早く次の仕事を片付けないとまたお母様に怒られてしまいますよ!」
「うへっ!?アメリアちゃん、そんなこと言わないでくれよー」
セイリウムさんがとても一つの町の領主のものとは思えない情けない声を発した。
「全く、お父様はいつもそうですわ…あら、お客様がいらっしゃっていたんですね。ってアルト様ではないですか!」
「お久しぶりです。お元気でしたでしょうか?」
俺はお嬢様とまた会えるとは思っていなかったので思わず驚いてしまった。その印象的な真っ赤な髪はこの前見た時と同じように艶があって、化粧はほんの少ししかしていないだろうが、とても整った顔立ちをしていて、見とれてしまう。
よくよく見てみれば、セイリウムさんも顔にいろいろと汚れが付いていてわかりにくかったけれども、中性的な整った顔立ちをしていた。
「おかげさまで大切なお話に間に合いましたし、俺から魔導騎馬も壊れることがなくなってしまったので、お父様もやることが少なくなってしまったと嘆いてらっしゃいましたよ。」
「それは申し訳ないです。」
俺は笑いながらお嬢様の冗談に反応した。その奥ではセイリウムさんが「ふぐっ!」と、変な声を上げていた。
「ま、まぁそんなことはどうでもいいとして、このゴーレムの基盤、アルト君の作り方と同じ系統の作り方だね。でもしっかり見ればところどころ雑なつくりのところがいくつか見られる。おそらくなんだけれど、君の魔道具の作り方は精霊魔法の系統じゃないかなと思うんだ。」
「精霊魔法?」
俺を含めて頭の上にはてなマークを浮かべていた。
「分かりやすく説明するよ。このコップに水を浸してひっくり返す。この中で、水を魔力、水をひっくり返す行為を魔法だと思ってね。一般の魔道具や王都にいるといわれている魔導師隊の魔法っていうのは、コップに水を蛇口から注いで貯めて、たまった水をひっくり返している感じなんだ。だから、水が蛇口から出てこなくなってしまったら、中の水をひっくり返すこともできなくなる。」
コップに水を注いでひっくり返して注いでひっくり返してを繰り返しながら説明していくセイリウムさん。何となく普通の魔法は理解できた。
すると今度は、複数の蛇口にホースをつけて、少し蛇口を開けた。
「こっちは、アルト君やこのゴーレムに使われている精霊魔法の再現なんだけど、こっちはコップに蛇口から水を注ぐというプロセスを無視できるんだ。コップをひっくり返しながらでもこうやって周りから自動的に水を集めて放出し続けることができるんだ。だから普通の魔道具や魔導師の魔法は魔力が切れたら回復するまで魔法は使えなくなってしまうけど、アルト君やゴーレムの精霊魔法なら、周囲から魔力をかき集めて発動するからそもそも魔力切れっていう概念が存在しないんだよ。」
俺はその説明を聞きながらなるほどなと思った。確かに、俺が今まで作った魔道具には基本的に魔力庫を積んだことがなかった。なぜなら、俺が今まで参考にしていた家のそばにあったゴミ捨て場にあった魔道具たちには魔力庫がなかったからだ。
「もちろん精霊魔法にも弱点はあるよ。周囲の魔力が薄いところ、例えばコンクリートで囲まれた場所とか、すでに大規模な精霊魔法を行使された後とかね。そういったところではあまり大きな規模の魔法を発動させることはできない。そういった制約があるから、結構マイナーなものになっちゃったんだよね。」
セイリウムさんがため息交じりに話した。
「とまぁ、魔法にはいくつか種類があるんだ。で、話が変わるけど、アルト君。君はこのゴーレムよりもいいものは作れるかい?」
唐突に聞かれた質問に、俺は少し考えた。
「作れるかどうかはさすがにわかりません。なにせ、今までそういった大きなものは作らせてもらえませんでしたし、下民なもので、材料を調達することもできませんでしたし。」
「そうなんだ。じゃあ、魔道具師としての君に一つ仕事をお願いしよう。材料と道具はすべてこちらで用意するから、君が作りえる最高のゴーレムを作ってくれ。」
俺は少し興奮していた。流れ的にお願いされるだろうなとは思っていたが、本当に人生で初めての仕事が町の領主という大物からの依頼である。自分が持つすべての技術を用いて、最高のヒトしなを仕上げて見せようという気持ちがみなぎっていった。
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