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†所業の代償†
同胞からの偏見
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…その頃、精の黒瞑界では、ちょっとした騒ぎが起こっていた。
言わずもがなの、マリィ・将臣・唯香の三人が、人間界から転移し、現れた場所は…なんと、精の黒瞑界の人々が生息する街…
すなわち、吸血鬼の巣窟のど真ん中とも呼べる、いわゆる…敵地にあたる場所だったのだ。
周囲の状況を的確に把握した唯香が、パニックになるよりも早く…
彼らを不法侵入=餌と見做した吸血鬼たちが、その血を求めて、情け容赦もなく、こちらめがけて飛びかかって来るのを、将臣は片っ端から防ぎ、問答無用で叩き伏せていた。
しかし、止まるところを知らず、次から次へと際限なく襲いかかって来る吸血鬼たちに、さすがに将臣がうんざりし始めた頃…
たまりかねて、マリィが彼らに向かって叫んだ。
「やめて! 唯香と将臣には… この二人には、手を出さないで!」
しかし、まだ幼いマリィの声は、体格で上回る吸血鬼たちの耳には届かなかった。
その制止を聞かず、なおも将臣・唯香の二人に襲いかかろうとする吸血鬼…同胞数人を、マリィは仕方なく魔力によって抑えつけると、怒りも露に叫んだ。
「やめて! どうしてもやめてくれないのなら、マリィの父上を…
サヴァイス=ブラインを今すぐここに呼ぶから! …それでもいいの!?」
マリィの激しい怒声は、その場にいた者全ての鼓膜を震わせた。
途端に周囲の者たちが、ぴたりと動きを止める。
「!さ…、サヴァイス様を…ここに呼ぶだと!?」
「し、しかも…この子の父親が…、かのサヴァイス様だと言うのか…!?」
…その場に、畏れに近い怯みと、驚愕とが浸透していく。
が、やがてその中のひとりが、よくよく事を考え直すと、さも疑わしげに首を捻った。
「…ちょっと待て。この子の言葉は鵜呑みには出来ない。…俺は、サヴァイス様にご息女がいるなどという話は、今まで一度たりとも聞いたことがないぞ」
「そういえば…、カミュ様も、そんなことは仰ってはいなかったな…?」
この二人の、冷酷な言葉を引き金に、人々の疑いの目が、一斉にマリィに向けられる。
それに居たたまれずに、マリィは必死に声を張り上げつつも反論した。
「──貴方たちが知らないのも無理はないの! でも、マリィは本当に…」
「…じゃあ、その証拠はどこにあるんですか?」
もし本当に皇族であるなら、失礼があってはまずいことから、辛うじて敬語で…
しかし、それでいて残酷なまでにはっきりとした口調で、その中のひとりが呟く。
そしてその懸念は、波紋のように周囲の人々へと広がっていった。
「…あんな人間如きに肩入れする皇族など…
我々はついぞ見たことがありませんが」
「!えっ…」
同胞の辛辣な言葉に、マリィが術もなく、その場に凍りついた。
それを察した将臣は、こんなことを幼子の前で平然と告げられる、マリィとは同胞であるはずの吸血鬼たちに、心底嫌気がさしていた。
「…マリィ、もういい。この馬鹿共には言うだけ無駄だ。
それに俺たちも、こんな奴らに人間のことを理解して貰いたいなどとは、塵ほども思わないからな…!」
強く言い捨てると、将臣は、次にはマリィに向かって暴言を吐いた二人の顔面を的確に捉え、そのまま勢いに任せて、嫌と言うほど地面にめり込ませた。
人間にしては驚異的な、その強さを目の当たりにした吸血鬼たちは、本能で将臣の力を見抜いたのか、徐々に、遠巻きに怯むような素振りを見せ始めた。
…すると、次の瞬間。
マリィたちを取り巻いていた吸血鬼たちの、円陣の一部が急に乱れたかと思うと、そこにいた吸血鬼たち数人の首がいきなりはねられ…
存在の場を失った首が、揃って宙に舞った。
「…!?」
あまりの事態に、将臣の攻撃の手が緩む。その周囲にいた吸血鬼たちも、降って湧いたような出来事に、我を忘れ、色を失っている。
…ぼとりと、その首が地面に落ち、その付け根から滲み出た血が、その場に真っ赤な花を咲かせる頃…
カミュが、手に付着した血を拭おうともせずに、静かにその姿を見せた。
彼の、元々の類い稀、かつ、鮮やかなまでの美貌が、同胞を殺め、その血に触れたことによって、この時はより一層引き立って見えた。
「…、肝に銘じておけ…
人間如きに臆する配下など、必要ない」
不敵にも妖艶にも見える笑みすら浮かべて、カミュは配下の不甲斐なさを指摘した。
それに、配下である精の黒瞑界の住人たちは、えもいわれぬ恐怖と、絶対的な服従心を、皇族であるカミュに覚える。
「!は…、はいっ…!」
「申し訳ございません、カミュ様!」
真っ青になって震え怯える彼らに、カミュは冷めた目を向けた。
その場にいた誰しもが、このカミュの威厳に圧され、恐怖していたかのようだった。
しかし、そこで黙っては引っ込まない者が、ただひとりいた。
「カミュ…、い、今…、何をしたの?」
その場から逃げ出したくなるのをようやく堪え、やっとの思いで拙く問いかけたのは、他でもない唯香だった。
…怖くないわけではなかったが、どうしても直接訊ねずにはいられなかったのだ。
すると、カミュは唯香の方へ、その美しい紫の瞳を向けると、刹那、そこに深い侮蔑の感情を垣間見せた。
「そのような質問など、今の俺にとっては詮無いことだ…
…それよりも貴様、せっかく助かった命を、またむざむざと捨てに来たのか?」
氷を上回るほどに冷酷に嘲笑うと、カミュはその血まみれの手に、いきなり魔力を集中させた。
…その規模や収束率からして、明らかに唯香を殺すつもりだ。
しかし、そこにマリィが割って入った。
「兄上、やめて! どうして唯香に攻撃を仕掛けようとするの!?
…お願いだから、元の優しい兄上に戻って!」
「!…」
間接的に、自らが疎んじている副人格と比較されて、カミュは目に見えて苛立った。
「…マリィ…、貴様ごとき皇族の出来損ないが、仮初めとはいえ兄を演じた…この俺に意見するのか?」
「!…えっ…」
思いもよらぬ兄の厳しい言葉に、マリィが絶句する。
この時点で既にマリィを敵と見なしたカミュは、実の妹には凡そ向けないであろう激しい敵意を、まともにマリィへとぶつけた。
「…例え父上の血を強く受けていようと、貴様は俺の妹でも何でもない。この世界には、人間と戯れる痴れ者など、ひとりとして存在しない…!」
「!あ…、兄上っ…!」
唐突に、慕っていたはずの兄に突きつけられた拒絶の意志によって、びくりとマリィの体が竦む。
その表情は、かつてのカミュに突き放された時のように、みるみるうちに曇っていった。
「…あに…うえ…っ、…どうして…!?」
「まだ理由が必要か? …お前の存在価値など、この世界のどこにも在りはしないからだ」
「!」
…はっきりと、マリィの表情が絶望に彩られる。
その、カミュによく似た紫の瞳には、もはや何も映ってはいなかった。
人格が違うとはいえ、かつて、兄に拒まれた古傷を再び深く抉られて、マリィは自らの心が悲鳴をあげて軋むのを感じていた。
そんなマリィに、容赦なくカミュの言葉が降りかかる。
「…貴様の利点は、もはやこの刻印を解呪することのみだ。最後に、せめて名を呼んでやろう…
我が妹・マリィ=ブラインよ、今すぐこの効力を失墜させろ…!」
「!…」
カミュに、その美しい双眸で睨まれて、マリィは再び、恐れによって身を震わせた。
…兄の言うことを聞いた瞬間に、自分は殺されるのだということが分かったからだ。
その一方で、すっかり我を失っていた周囲の吸血鬼たちは、カミュとマリィの会話から、マリィがれっきとした皇族であること…
そして、少しでもカミュの機嫌を損ねると、即座に殺されるという、2つの事実を認識し、ただ成り行きを見守ることしか出来ない状態に陥っていた。
それを察し、現状を覆すべく機会を窺っていた将臣が、ここにきてようやく動いた。
…宥め、落ち着かせるように、左手でそっとマリィを抱き上げると、あいた方の右手で、いつの間にか流れ出ていた涙を拭ってやる。
言わずもがなの、マリィ・将臣・唯香の三人が、人間界から転移し、現れた場所は…なんと、精の黒瞑界の人々が生息する街…
すなわち、吸血鬼の巣窟のど真ん中とも呼べる、いわゆる…敵地にあたる場所だったのだ。
周囲の状況を的確に把握した唯香が、パニックになるよりも早く…
彼らを不法侵入=餌と見做した吸血鬼たちが、その血を求めて、情け容赦もなく、こちらめがけて飛びかかって来るのを、将臣は片っ端から防ぎ、問答無用で叩き伏せていた。
しかし、止まるところを知らず、次から次へと際限なく襲いかかって来る吸血鬼たちに、さすがに将臣がうんざりし始めた頃…
たまりかねて、マリィが彼らに向かって叫んだ。
「やめて! 唯香と将臣には… この二人には、手を出さないで!」
しかし、まだ幼いマリィの声は、体格で上回る吸血鬼たちの耳には届かなかった。
その制止を聞かず、なおも将臣・唯香の二人に襲いかかろうとする吸血鬼…同胞数人を、マリィは仕方なく魔力によって抑えつけると、怒りも露に叫んだ。
「やめて! どうしてもやめてくれないのなら、マリィの父上を…
サヴァイス=ブラインを今すぐここに呼ぶから! …それでもいいの!?」
マリィの激しい怒声は、その場にいた者全ての鼓膜を震わせた。
途端に周囲の者たちが、ぴたりと動きを止める。
「!さ…、サヴァイス様を…ここに呼ぶだと!?」
「し、しかも…この子の父親が…、かのサヴァイス様だと言うのか…!?」
…その場に、畏れに近い怯みと、驚愕とが浸透していく。
が、やがてその中のひとりが、よくよく事を考え直すと、さも疑わしげに首を捻った。
「…ちょっと待て。この子の言葉は鵜呑みには出来ない。…俺は、サヴァイス様にご息女がいるなどという話は、今まで一度たりとも聞いたことがないぞ」
「そういえば…、カミュ様も、そんなことは仰ってはいなかったな…?」
この二人の、冷酷な言葉を引き金に、人々の疑いの目が、一斉にマリィに向けられる。
それに居たたまれずに、マリィは必死に声を張り上げつつも反論した。
「──貴方たちが知らないのも無理はないの! でも、マリィは本当に…」
「…じゃあ、その証拠はどこにあるんですか?」
もし本当に皇族であるなら、失礼があってはまずいことから、辛うじて敬語で…
しかし、それでいて残酷なまでにはっきりとした口調で、その中のひとりが呟く。
そしてその懸念は、波紋のように周囲の人々へと広がっていった。
「…あんな人間如きに肩入れする皇族など…
我々はついぞ見たことがありませんが」
「!えっ…」
同胞の辛辣な言葉に、マリィが術もなく、その場に凍りついた。
それを察した将臣は、こんなことを幼子の前で平然と告げられる、マリィとは同胞であるはずの吸血鬼たちに、心底嫌気がさしていた。
「…マリィ、もういい。この馬鹿共には言うだけ無駄だ。
それに俺たちも、こんな奴らに人間のことを理解して貰いたいなどとは、塵ほども思わないからな…!」
強く言い捨てると、将臣は、次にはマリィに向かって暴言を吐いた二人の顔面を的確に捉え、そのまま勢いに任せて、嫌と言うほど地面にめり込ませた。
人間にしては驚異的な、その強さを目の当たりにした吸血鬼たちは、本能で将臣の力を見抜いたのか、徐々に、遠巻きに怯むような素振りを見せ始めた。
…すると、次の瞬間。
マリィたちを取り巻いていた吸血鬼たちの、円陣の一部が急に乱れたかと思うと、そこにいた吸血鬼たち数人の首がいきなりはねられ…
存在の場を失った首が、揃って宙に舞った。
「…!?」
あまりの事態に、将臣の攻撃の手が緩む。その周囲にいた吸血鬼たちも、降って湧いたような出来事に、我を忘れ、色を失っている。
…ぼとりと、その首が地面に落ち、その付け根から滲み出た血が、その場に真っ赤な花を咲かせる頃…
カミュが、手に付着した血を拭おうともせずに、静かにその姿を見せた。
彼の、元々の類い稀、かつ、鮮やかなまでの美貌が、同胞を殺め、その血に触れたことによって、この時はより一層引き立って見えた。
「…、肝に銘じておけ…
人間如きに臆する配下など、必要ない」
不敵にも妖艶にも見える笑みすら浮かべて、カミュは配下の不甲斐なさを指摘した。
それに、配下である精の黒瞑界の住人たちは、えもいわれぬ恐怖と、絶対的な服従心を、皇族であるカミュに覚える。
「!は…、はいっ…!」
「申し訳ございません、カミュ様!」
真っ青になって震え怯える彼らに、カミュは冷めた目を向けた。
その場にいた誰しもが、このカミュの威厳に圧され、恐怖していたかのようだった。
しかし、そこで黙っては引っ込まない者が、ただひとりいた。
「カミュ…、い、今…、何をしたの?」
その場から逃げ出したくなるのをようやく堪え、やっとの思いで拙く問いかけたのは、他でもない唯香だった。
…怖くないわけではなかったが、どうしても直接訊ねずにはいられなかったのだ。
すると、カミュは唯香の方へ、その美しい紫の瞳を向けると、刹那、そこに深い侮蔑の感情を垣間見せた。
「そのような質問など、今の俺にとっては詮無いことだ…
…それよりも貴様、せっかく助かった命を、またむざむざと捨てに来たのか?」
氷を上回るほどに冷酷に嘲笑うと、カミュはその血まみれの手に、いきなり魔力を集中させた。
…その規模や収束率からして、明らかに唯香を殺すつもりだ。
しかし、そこにマリィが割って入った。
「兄上、やめて! どうして唯香に攻撃を仕掛けようとするの!?
…お願いだから、元の優しい兄上に戻って!」
「!…」
間接的に、自らが疎んじている副人格と比較されて、カミュは目に見えて苛立った。
「…マリィ…、貴様ごとき皇族の出来損ないが、仮初めとはいえ兄を演じた…この俺に意見するのか?」
「!…えっ…」
思いもよらぬ兄の厳しい言葉に、マリィが絶句する。
この時点で既にマリィを敵と見なしたカミュは、実の妹には凡そ向けないであろう激しい敵意を、まともにマリィへとぶつけた。
「…例え父上の血を強く受けていようと、貴様は俺の妹でも何でもない。この世界には、人間と戯れる痴れ者など、ひとりとして存在しない…!」
「!あ…、兄上っ…!」
唐突に、慕っていたはずの兄に突きつけられた拒絶の意志によって、びくりとマリィの体が竦む。
その表情は、かつてのカミュに突き放された時のように、みるみるうちに曇っていった。
「…あに…うえ…っ、…どうして…!?」
「まだ理由が必要か? …お前の存在価値など、この世界のどこにも在りはしないからだ」
「!」
…はっきりと、マリィの表情が絶望に彩られる。
その、カミュによく似た紫の瞳には、もはや何も映ってはいなかった。
人格が違うとはいえ、かつて、兄に拒まれた古傷を再び深く抉られて、マリィは自らの心が悲鳴をあげて軋むのを感じていた。
そんなマリィに、容赦なくカミュの言葉が降りかかる。
「…貴様の利点は、もはやこの刻印を解呪することのみだ。最後に、せめて名を呼んでやろう…
我が妹・マリィ=ブラインよ、今すぐこの効力を失墜させろ…!」
「!…」
カミュに、その美しい双眸で睨まれて、マリィは再び、恐れによって身を震わせた。
…兄の言うことを聞いた瞬間に、自分は殺されるのだということが分かったからだ。
その一方で、すっかり我を失っていた周囲の吸血鬼たちは、カミュとマリィの会話から、マリィがれっきとした皇族であること…
そして、少しでもカミュの機嫌を損ねると、即座に殺されるという、2つの事実を認識し、ただ成り行きを見守ることしか出来ない状態に陥っていた。
それを察し、現状を覆すべく機会を窺っていた将臣が、ここにきてようやく動いた。
…宥め、落ち着かせるように、左手でそっとマリィを抱き上げると、あいた方の右手で、いつの間にか流れ出ていた涙を拭ってやる。
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