婚約破棄された私、今世では成功と幸せを総取りします。

よっちゃん

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変貌の美学

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それから数か月後。
社交界で「白鳥玲奈」の名を知らぬ者はいなくなっていた。
彼女が立ち上げた会社は、革新的な発想と堅実な経営で注目を集め、業界内でも一目置かれる存在となっていた。
玲奈自身もまた、ただ美しいだけの女性ではない。
知性と品格、そして揺るぎない自信を纏った姿は、自然と人を惹きつける。
その夜、格式高いパーティー会場に現れた玲奈に、視線が一斉に集まった。
――そして、その中に。
「……玲奈?」
如月誠が、信じられないものを見るように呟く。
隣にいた美月亜里沙(みつき ありさ)は、顔色を失い、唇を噛みしめた。
かつて見下していた女。
捨てたはずの存在。
それが今、誰よりも輝いている現実が、二人の心を容赦なく抉る。
玲奈は二人の視線に気づき、ゆっくりと振り返った。
ワイングラスを軽く傾け、完璧な微笑みを浮かべる。
「お久しぶりですね、誠さん」
その声には、恨みも未練もない。
ただの“過去の知人”への礼儀だけがあった。
誠の表情は歪み、亜里沙の指先は震える。
それを一瞥し、玲奈は心の中で静かに呟いた。
(……ざまあみろ、って言いたいところだけど)
言葉にする必要はない。
今の彼女の存在そのものが、何より雄弁だった。
玲奈は優雅に背を向け、会場の中心へと歩いていく。
その背中には、もう“捨てられた女”の影はどこにもなかった。
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