病み彼

ふわパカ

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連絡がとれねぇんだよな

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家宅捜査の三日後にバスケの春季大会が行われた。結果は準優勝だ。決勝戦では一点差で負けてしまった。悔しい。引退まで後もう少ししかない。引退試合は勝って終わろう。

此の日の大会に応援に来る筈だった親は来なかった。旅行に行ってるから。それにしても連絡がとれないのはおかしい。外国に行ってしまうと電波の関係でWi-Fiに繋げないとなかなか連絡がとりにくいというのは聞いた事はあったけどこんなにも連絡がとれないものだろうか。

それに旅行は一ヶ月だと来夢が言っていた。もう一ヶ月経つ。帰って来ててもおかしくない。若しかしてもう帰って来てるとか?


昨日迄三日間大会だったから今日と明日の二日間はOFFになった。隣りでは来夢がスヤスヤと寝息を立てている。相当疲れているのだろう。


昨日の来夢の活躍はとても凄かった。一人で何度もシュートを決めていて不覚にもカッコイイと思ってしまったりした。


来夢を眺めているといきなり来夢が目を覚ました。ばっちりと目が合って離せなくなってしまう。ふいに来夢の腕が伸びてきて俺を抱き寄せた。

「おはようございます先輩。見惚れてたんですか?」

「べ、別に…」

正直に言うと見惚れていた。でも素直に言えるわけがない。

「照れなくても良いんですよ」

来夢は俺の耳元で囁いた。来夢の低くて甘い声が身に染みるのを感じた。

「馬鹿、照れてねぇよ」

「本当ですか?嘘は駄目ですよ」

来夢は俺の耳裏を舐め始める。ぞくぞくとして肩を震わせた。こういうの久し振りだ。最近轟の件で色々とあったから。

「ん…っ…」

「先輩…感じてるんですか?久し振りですもんね。溜まってるでしょう」

来夢はそっと俺の股間に触れた。ヤバイ。溜まってたのは確かだ。だから体が求めてしまいそう。

「っ…やめ……朝から盛んな馬鹿…」

「なら朝じゃなければ良いんですね?今夜楽しみにしてます」

そういう事じゃないんだけど……都合の良いヤツ。


眠くなってきた。今日は暖かくて丁度良い気温だ。さっきお昼ご飯も食べたからお腹いっぱいで眠い。俺が欠伸を漏らすと隣りで来夢も欠伸をした。どうやら移ったらしい。

ふと近くにあったスマホを見て思い出した。今頃親が如何しているかと。

「あのさ、父さんも母さんも旅行から帰って来ててもおかしくないよな?連絡がとれねぇんだよな…」

「そうですね。もう一ヶ月経ちますからね。連絡がとれないんですか?携帯の調子がおかしいとかですかね」

「ん…何か事件に巻き込まれてなきゃ良いんだけど」

「大丈夫ですよ。それより先輩、お昼寝しませんか?」

話を変えられた?少し気になったものの眠気には勝てずに俺は頷いた。
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