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32.彼の腕の中
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「イヴァ!!」
目の前にヒューゴ様が現れた。
恐らく相当走り回ったのだろう、もの凄く息が荒い。
「イヴァ!良かったっ」
私にすぐに駆け寄ってきてくれて心の底から安心した。
「ヒューゴ、様」
「怪我は!?どこか苦しい所は!?」
彼らしくなく大声で取り乱している姿を見て彼を安心させなくてはと何とか立ち上がる。
「無傷です。何もされてはいませんが…ヒューゴ様、聞いてください犯人は」
「ブライス・ベネット、だろう?」
鋭い目付きが更に吊り上がっているように見えた、とんでもなく怒っている。
「ヒューゴ様、聞いてください!恐らくですが彼は…「イヴァ嬢!!ご無事ですか!?」オ、オーウェン様?」
部屋に突然飛び込むように入ってきたのはオーウェン様だった。
(彼も助けに来てくれていたのね…)
「オーウェン、この檻の鍵を探してくれないか?すまないその…彼女から離れたくないんだ」
言い難そうなヒューゴ様とは対照的にニコニコと笑いながら頷くオーウェン様。
「お気にせず!イヴァ嬢の側にいてあげてください犯人が戻ってくる可能性もありますから!そりゃもう近くで寄り添って!」
今度は飛んでいくように部屋から出ていったオーウェン様。
「とてもお元気ですね…」
「今まで俺も知らなかったがオーウェンは案外色恋の話題が好きらしいんだ」
目を合わせて笑い合う。
どうやらこの兄弟は少しずつお互いを知り始めたようだ。
「コホンッ失礼」
「アッアンドレア王太子殿下っ!?」
咳払いをしつつ目の前に現れたのは王太子殿下でその隣にいたのは「イヴァ!大丈夫なの!?」「レイラ様!?どうしてここに!?」レイラ・ベイリー侯爵令嬢。
ベイリー侯爵夫人の娘でありアンドレア王太子殿下の婚約者である人。
何でこんな所にいるのか。
「貴女がいなくなったからアンドレア様が捜索隊を出すと聞いてついてきたのよ貴女が心配で!!」
「危ないかもしれないから王宮で待っててくれと言ったんだが…聞いてくれなかったよ我が愛しの婚約者はクレマー辺境伯令嬢の事をとても大事にしてるからね」
苦笑いしながらも彼女の手を取っている姿は愛に満ちていてこんな状況なのに微笑ましくなる。
「さっき見つけた部屋に鍵があったよ。これで開けてあげなさい」
「はいっ!!ありがとうございます」
王太子殿下から渡された鍵を受け取りヒューゴ様が檻を開けてくれた。
「ヒューゴ様…きゃっ!」
「イヴァ!!」
檻から出た瞬間抱き締められる。
「あら!」「ほぉ~?」
「ヒュ、ヒューゴ様!人前です!!」
慌てて離れようとするが私がヒューゴ様の力に勝てる訳もなくそのまま腕の中に閉じ込められた。
「本当にっ無事で良かった…目の前で君がいなくなって…俺はっ」
顔は見えないが泣いているような声に私は驚いてしまう。
ヒューゴ様が泣いているかもしれない。
(あぁ泣かないでほしいのに私…こんなに心配してくれて嬉しいなんて)
私は彼の背に腕を回して口を開いた。
「助けに来てくれてありがとうございます。ヒューゴ様…貴方が来てくれて本当に嬉しいです」
「当たり前じゃないかっ婚約者が攫われて…いや婚約者だからじゃなく君だから来たんだ」
さっきの声とは違い優しく甘い声に縋り付きたくなってしまう。
しかし今更だがこんな事をしている場合じゃないのだ。
「そっそこから先は帰ってから聞きますね!今はここから出ましょう!」
「それはそうだな…よしっ掴まってくれイヴァ抱えていく」
「自分で歩けますので!!」
そんな私達を見ながらレイラ様は少し驚いたような顔をしている。
「レイラ様?どうなさいました?」
「とても仲が良いのね…王命で婚約する事になったと聞いていたから私ったらてっきり契約や形だけかと」
「コラッレイラ」
レイラ様の言う事は最もだ。
私達は…。
「イヴァ…帰ったら話したい事があるんだ」「…はい」
私達はその部屋から出てオーウェン様を探しに行く。
目の前にヒューゴ様が現れた。
恐らく相当走り回ったのだろう、もの凄く息が荒い。
「イヴァ!良かったっ」
私にすぐに駆け寄ってきてくれて心の底から安心した。
「ヒューゴ、様」
「怪我は!?どこか苦しい所は!?」
彼らしくなく大声で取り乱している姿を見て彼を安心させなくてはと何とか立ち上がる。
「無傷です。何もされてはいませんが…ヒューゴ様、聞いてください犯人は」
「ブライス・ベネット、だろう?」
鋭い目付きが更に吊り上がっているように見えた、とんでもなく怒っている。
「ヒューゴ様、聞いてください!恐らくですが彼は…「イヴァ嬢!!ご無事ですか!?」オ、オーウェン様?」
部屋に突然飛び込むように入ってきたのはオーウェン様だった。
(彼も助けに来てくれていたのね…)
「オーウェン、この檻の鍵を探してくれないか?すまないその…彼女から離れたくないんだ」
言い難そうなヒューゴ様とは対照的にニコニコと笑いながら頷くオーウェン様。
「お気にせず!イヴァ嬢の側にいてあげてください犯人が戻ってくる可能性もありますから!そりゃもう近くで寄り添って!」
今度は飛んでいくように部屋から出ていったオーウェン様。
「とてもお元気ですね…」
「今まで俺も知らなかったがオーウェンは案外色恋の話題が好きらしいんだ」
目を合わせて笑い合う。
どうやらこの兄弟は少しずつお互いを知り始めたようだ。
「コホンッ失礼」
「アッアンドレア王太子殿下っ!?」
咳払いをしつつ目の前に現れたのは王太子殿下でその隣にいたのは「イヴァ!大丈夫なの!?」「レイラ様!?どうしてここに!?」レイラ・ベイリー侯爵令嬢。
ベイリー侯爵夫人の娘でありアンドレア王太子殿下の婚約者である人。
何でこんな所にいるのか。
「貴女がいなくなったからアンドレア様が捜索隊を出すと聞いてついてきたのよ貴女が心配で!!」
「危ないかもしれないから王宮で待っててくれと言ったんだが…聞いてくれなかったよ我が愛しの婚約者はクレマー辺境伯令嬢の事をとても大事にしてるからね」
苦笑いしながらも彼女の手を取っている姿は愛に満ちていてこんな状況なのに微笑ましくなる。
「さっき見つけた部屋に鍵があったよ。これで開けてあげなさい」
「はいっ!!ありがとうございます」
王太子殿下から渡された鍵を受け取りヒューゴ様が檻を開けてくれた。
「ヒューゴ様…きゃっ!」
「イヴァ!!」
檻から出た瞬間抱き締められる。
「あら!」「ほぉ~?」
「ヒュ、ヒューゴ様!人前です!!」
慌てて離れようとするが私がヒューゴ様の力に勝てる訳もなくそのまま腕の中に閉じ込められた。
「本当にっ無事で良かった…目の前で君がいなくなって…俺はっ」
顔は見えないが泣いているような声に私は驚いてしまう。
ヒューゴ様が泣いているかもしれない。
(あぁ泣かないでほしいのに私…こんなに心配してくれて嬉しいなんて)
私は彼の背に腕を回して口を開いた。
「助けに来てくれてありがとうございます。ヒューゴ様…貴方が来てくれて本当に嬉しいです」
「当たり前じゃないかっ婚約者が攫われて…いや婚約者だからじゃなく君だから来たんだ」
さっきの声とは違い優しく甘い声に縋り付きたくなってしまう。
しかし今更だがこんな事をしている場合じゃないのだ。
「そっそこから先は帰ってから聞きますね!今はここから出ましょう!」
「それはそうだな…よしっ掴まってくれイヴァ抱えていく」
「自分で歩けますので!!」
そんな私達を見ながらレイラ様は少し驚いたような顔をしている。
「レイラ様?どうなさいました?」
「とても仲が良いのね…王命で婚約する事になったと聞いていたから私ったらてっきり契約や形だけかと」
「コラッレイラ」
レイラ様の言う事は最もだ。
私達は…。
「イヴァ…帰ったら話したい事があるんだ」「…はい」
私達はその部屋から出てオーウェン様を探しに行く。
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