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第1章
84話 【過去編】親衛隊隊長ロゼリア
ライルは、村娘ルーシーのピンチに駆けつけた。
半ばは偶然のようなものだが、半ばは必然的なものでもある。
(ルーシーの村に行くのも少し久々だな……)
ライルはそんなことを思う。
ルーシーの村は、本来は何の変哲もない村だ。
ただ1つだけ特殊な点があるとすれば、この村の所有者がライルであること。
順当に行けば次期国王となるライルは、統治の練習としてこの村を任されたのだ。
来年――14歳で得ることになるスキルのランクや方向性によっては、より大きな町を任されたり、あるいは国軍の指揮を任されることもあるかもしれない。
「ライル様は、何か食い物を持ってきてくれたのか?」
ルーシーがそう問う。
名前には”様付け”しているが、その口調はお世辞にも丁寧とは言えない。
本来であれば、王族であるライルに対する言葉遣いとして不適だ。
だが、ライルは気にしていない。
幼少の頃よりこの村に関わってきたライルにとって、ルーシーは身分違いとはいえ幼なじみのような存在だからだ。
ルーシーにとってもそれは同様だ。
「そうだ。しかし、それだけでは根本的解決にはならない。さらなる手を用意してある」
「さらなる手?」
「ああ、それはな――」
ライルがそこまで言ったところで、彼の背後から兵士の集団が現れた。
「ライル様! お一人でご先行されては困ります!」
「心配しましたぞ!!」
「すまん。ルーシーのピンチだったものでな。……それで、お前たちにも大事はないな?」
「「「はっ!!」」」
兵士たちは直立不動の姿勢で敬礼する。
彼らはブリケード王国軍に所属する者たちであり、ライル直属の親衛隊でもある。
ルーシーの村を支援するために必要なものを、ライルの指示の元で運搬してきたのだ。
そしてもちろん、彼らの任務にはライルの安全の確保も含まれている。
が、こうして単独行動されてはそれもままならない。
「まったくもう……。貴方様はお強いですが、まだスキルを得ていないことをご自覚くださいませ」
親衛隊の女性隊長がそう苦言を呈する。
ライルは13歳のためまだスキルを得ていない。
ゴブリン程度なら彼の素の実力で倒せるが、もっと強い魔物が出れば怪しい。
「まあまあ、無事だったからいいじゃねえか」
「そういう問題ではないのです。私たちの心労の問題なのです」
「ロゼリアは相変わらず厳しいなぁ……」
「当然のことを言っているだけです!」
第一王子の親衛隊。
女性にしてその隊長を務めるロゼリアは、当然強力なスキルを持っている。
次期国王とはいえ、まだ13歳の少年であり、スキルを持っていないライルにとっては頭の上がらない存在であった。
「申し訳ありませんが、説教はこのくらいにしておいて、そろそろ移動しましょう。いつまでもここにいては、また魔物に襲われるかもしれません」
「ああ。魔物の間引きも大切だが、俺たちにはそれより優先的にやるべきことがあるからな」
ライルはそう言う。
そして、村娘ルーシー、親衛隊隊長ロゼリア、その他の隊員を伴って、村に向けて進み始めたのだった。
半ばは偶然のようなものだが、半ばは必然的なものでもある。
(ルーシーの村に行くのも少し久々だな……)
ライルはそんなことを思う。
ルーシーの村は、本来は何の変哲もない村だ。
ただ1つだけ特殊な点があるとすれば、この村の所有者がライルであること。
順当に行けば次期国王となるライルは、統治の練習としてこの村を任されたのだ。
来年――14歳で得ることになるスキルのランクや方向性によっては、より大きな町を任されたり、あるいは国軍の指揮を任されることもあるかもしれない。
「ライル様は、何か食い物を持ってきてくれたのか?」
ルーシーがそう問う。
名前には”様付け”しているが、その口調はお世辞にも丁寧とは言えない。
本来であれば、王族であるライルに対する言葉遣いとして不適だ。
だが、ライルは気にしていない。
幼少の頃よりこの村に関わってきたライルにとって、ルーシーは身分違いとはいえ幼なじみのような存在だからだ。
ルーシーにとってもそれは同様だ。
「そうだ。しかし、それだけでは根本的解決にはならない。さらなる手を用意してある」
「さらなる手?」
「ああ、それはな――」
ライルがそこまで言ったところで、彼の背後から兵士の集団が現れた。
「ライル様! お一人でご先行されては困ります!」
「心配しましたぞ!!」
「すまん。ルーシーのピンチだったものでな。……それで、お前たちにも大事はないな?」
「「「はっ!!」」」
兵士たちは直立不動の姿勢で敬礼する。
彼らはブリケード王国軍に所属する者たちであり、ライル直属の親衛隊でもある。
ルーシーの村を支援するために必要なものを、ライルの指示の元で運搬してきたのだ。
そしてもちろん、彼らの任務にはライルの安全の確保も含まれている。
が、こうして単独行動されてはそれもままならない。
「まったくもう……。貴方様はお強いですが、まだスキルを得ていないことをご自覚くださいませ」
親衛隊の女性隊長がそう苦言を呈する。
ライルは13歳のためまだスキルを得ていない。
ゴブリン程度なら彼の素の実力で倒せるが、もっと強い魔物が出れば怪しい。
「まあまあ、無事だったからいいじゃねえか」
「そういう問題ではないのです。私たちの心労の問題なのです」
「ロゼリアは相変わらず厳しいなぁ……」
「当然のことを言っているだけです!」
第一王子の親衛隊。
女性にしてその隊長を務めるロゼリアは、当然強力なスキルを持っている。
次期国王とはいえ、まだ13歳の少年であり、スキルを持っていないライルにとっては頭の上がらない存在であった。
「申し訳ありませんが、説教はこのくらいにしておいて、そろそろ移動しましょう。いつまでもここにいては、また魔物に襲われるかもしれません」
「ああ。魔物の間引きも大切だが、俺たちにはそれより優先的にやるべきことがあるからな」
ライルはそう言う。
そして、村娘ルーシー、親衛隊隊長ロゼリア、その他の隊員を伴って、村に向けて進み始めたのだった。
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