S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

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第1章

256話 反逆者-1

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「……これはいったい、何の真似だ? 全軍指揮官レスティよ」

 俺はそう告げる。
 王座に座る俺の前で、レスティが剣を構えていた。

「ご主人には、王座から降りてもらう。もう限界なんだ……」

「ふむ? お前の目的は王座か。そんな野望があったとはな」

 俺は感心する。
 彼女は紅猫族であり、強さを至上とする民族だ。
 だが、それはあくまでも個人単位での戦闘における強さだ。
 集団のトップになることを重視はしていなかったはず。

「……いいえ、違います。これは私たちの総意です」

「みんなで相談したのさ。ライル様を止めるってな」

 冒険者のキーネとシャオが、そう付け足す。
 彼女たちもレスティの側にいた。
 油断なく武器を構え、俺を睨んでいる。

「どうしてだ?」

 俺は首を捻る。
 これでも、こいつらのことは評価していた。
 俺が与えた竜の加護により強化された彼女たちは、とても便利な駒として使えるからだ。
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