S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

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第1章

277話 使わせてもらうぜ

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「グルル……」

 ライルは咆哮する。
 そして、爪を振り下ろそうとするが――

「シリカ、アルノー、ジョナサン……。使わせてもらうぜ」

 ルーシーが力を開放する。
 ライルによって竜の加護を半強制的に与えられた彼女は、そこらの一般兵などよりもはるかに多くの魔力を持っている。
 だが、今はそれだけでは説明できないような、膨大な魔力が迸っていた。

「グルオォッ!?」

 ライルが爪を振り下ろす。
 だが、その攻撃はルーシーに届かない。

「あたいの中のみんなと……もう相談は済んでいるんだ。ライル様の暴走を、あたいたちの力で止めてみせる!! くらえっ!!!」

「グオオオオオォッ!?」

 ルーシーが凄まじい勢いでライルに接近し、拳を振りかぶる。
 その攻撃はライルの肉体に届き、彼を大きく弾き飛ばしたのだった。
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