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第3話 家族の反応
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「レオナ、話がある」
屋敷の重厚な扉が静かに閉じられる音が響いた。
執務室の中は厳かな空気に包まれている。分厚い絨毯が敷かれた床、壁には先祖代々の肖像画が並び、装飾の施された書棚には領地経営や戦略に関する書物がぎっしりと詰め込まれていた。室内を照らす燭台の灯りが、静寂の中で揺れている。
奥の重厚な机に座るのは、グラハム・アイゼンブラッド侯爵。軍人としても名高く、鋼のような意志を持つ男だ。深い皺の刻まれた額と鋭い青い瞳が、その厳格な性格を物語っていた。長年の鍛錬で鍛え抜かれた体は年齢を感じさせず、たとえ軍服を着ていなくても、一目で只者ではないことが分かる威圧感を放っている。
その隣には、エレノア・アイゼンブラッド侯爵夫人が座っていた。優美な紫のドレスを纏い、上品なブロンドの髪を結い上げた彼女は、まさに社交界の華と呼ばれるに相応しい貴婦人だった。しかし、その整った顔立ちには、今は明らかな困惑と怒りの色が浮かんでいる。
レオナは執務室の扉の前に静かに立ち、両親の視線を正面から受け止めた。
――ついに来たか。
その言葉が、心の中で小さく響いた。
予想していた事態ではある。これまでずっと慎重に行動してきたつもりだったが、最近の彼女の振る舞いが目に余るものになっていたことは自覚していた。それが屋敷中の使用人たちの間で話題にならないはずがない。
だが、これほど早く両親の耳に入るとは思っていなかった。
上級貴族であるアイゼンブラッド侯爵家の当主と夫人は、日々忙しくしている。父は領地経営と王国軍の要職を兼任し、母は社交界での立ち回りに余念がない。家の秩序を重んじる二人は、これまでレオナの行動にそれほど関心を示すことはなかった。貴族の娘らしく振る舞う限り、細かいことには干渉しないというのが彼らのやり方だった。
それなのに、こうして二人が揃って彼女を呼び出すということは――つまり、それだけレオナの行動が「異常」だと見なされたのだろう。
「レオナ、最近どういうつもりなの?」
母の声が静寂を破る。その声音はいつもの穏やかさとは違い、明らかに鋭さを帯びていた。
レオナはまっすぐ母を見つめながら、あえて少し間を置いた。
「……どういう、とは?」
わざととぼけるように問い返す。しかし、母の表情はすでに怒りと困惑で歪んでいた。
「あなた、庭で岩を持ち上げていたそうね。侍女たちが驚いて報告に来たわよ」
レオナは一瞬、しまったと思った。
これまでは使用人の仕事を手伝う形で筋力を鍛えていた。庭の掃除や馬小屋の整理、薪運びなど、貴族の令嬢としては異例の行動だったが、「お嬢様の新しい趣味」としてある程度は許容されてきた。彼女自身も、あまり目立たぬように立ち回っていたつもりだった。
だが、さすがに庭で岩を持ち上げるのは異常だったらしい。
その日は、人目を避けたつもりだったが、侍女の一人に見られてしまった。驚愕した彼女は、屋敷内で大騒ぎし、結果として両親の耳にまで入ることになったのだ。
「貴族の娘が、そんなことをするものではない!」
父の低く響く声が部屋の空気を震わせた。
「貴族の娘たるもの、優雅であれ。品位を持て。何より、お前には婚約者がいるのだぞ? そんな破廉恥な振る舞いをして、どんな顔で社交界に出るつもりだ!」
怒りを滲ませた言葉に、母もすかさず追い打ちをかける。
「そうよ、レオナ! あなたがそんな筋肉をつけて、誰があなたをお嫁に迎えたいと思うの!? いいこと? 令嬢に求められるのは、教養と美しさなのよ!」
母の声は半ば悲鳴のようだった。
だが、レオナは静かに二人を見つめた。
――社交界の価値観。貴族の常識。婚約者の存在。
そんなものが、何になるというのか。
何度も何度も、10000回繰り返した人生。どんなに優雅に、どんなに完璧に社交界を立ち回ろうとも、待っていたのは破滅だった。
微笑みを絶やさず、誰も傷つけぬよう言葉を選び、どんなに礼儀正しく振る舞おうとも、背後から短剣が突き立てられる。高貴な身分に相応しい淑女として慎ましく生きても、婚約者は別の女と結託し、毒を盛る。令嬢として完璧にあろうと努力しても、望まぬ政略結婚の末に駒として切り捨てられる。
そんなものに、何の意味がある?
上品で優雅な娘でいれば、家は守れるのか? 婚約者は裏切らず、暗殺者は刃を向けず、毒は回避できるのか?
違う。そうではなかった。
彼女は、知っている。何をどうあがこうと、破滅は必ず訪れるのだと。ならば、次は別の道を行く。
気品も、優雅さも、必要ない。
必要なのは、力。
押しつぶされぬための力。殺されぬための力。すべてを叩き伏せ、運命をねじ伏せるだけの力――それがなければ、10001回目の人生も同じ結末を迎えることになる。
この手が、岩すらも砕く力を持っているのなら――それを誇りに思うべきだろう。
「……私は私の道を進みます」
レオナはきっぱりと言い切った。その声はまるで刃のように鋭く、余計な感情を一切含んでいなかった。
父と母は、一瞬、何を言われたのか理解できないように彼女を見つめる。
「……破滅するわよ?」
母は涙を滲ませながら訴えた。
その言葉は、かつての人生で何度も聞いたものだった。警告、嘆き、あるいは哀れみ。けれど、彼女の中にはもはや揺らぐものなど何もなかった。
「お前は、何を考えている?」
父の声には困惑が混じっていた。
レオナは沈黙を守った。
――彼らに話しても無駄だ。
目の前の父と母は、まぎれもなく彼女の両親だ。王国に名を轟かせる侯爵家の当主と夫人。貴族の価値観を体現し、それを当然のものとして生きてきた人間。彼らにとって、貴族の令嬢とは、社交界で美しく微笑み、気品を持ち、家の名誉を守る存在であるべきだった。
決して悪人ではない。それは理解している。
ループによっては、最後の最後まで味方でいてくれたこともあった。政敵に追い詰められ、家ごと断罪される運命にあったとき、レオナとともに刑場に立ち、最期の瞬間まで誇りを貫いたこともある。
だが――その一方で、彼らは完全な善人というわけでもなかった。
ループによっては、レオナをトカゲの尻尾切りのように切り捨てたこともある。政敵との交渉の材料として彼女を差し出し、見返りを得ることを選んだ回もあった。冷徹な決断を下せるのが、貴族としての彼らの生き方なのだ。
信じるには、あまりにも脆く。
頼るには、あまりにも危うい。
侯爵家夫妻の影響力は決して小さくない。上手く事情を説明し、味方につけるべきかもしれない。だが、それには多大な労力と時間が必要だった。そして、何より――彼らを味方につけたところで、結局破滅は回避できなかった。
何をどう試みても、運命は変わらない。
レオナは10000回試した。10000回失敗した。
だからこそ――
「私は、私の道を行きます。」
静かに、しかし揺るぎない声でレオナは言った。
父と母は、何かを言いたげだった。母は、わずかに顔をしかめ、父は無言で彼女を見据えていた。だが、それ以上何も言わなかった。
この瞬間、彼らは悟ったのだろう。どれだけ言葉を尽くしても、この娘の決意は揺るがないと。
屋敷には、じわじわと微妙な空気が流れ始めた。
侍女たちは陰で囁き合い、執事たちは遠巻きに見守る。貴族の娘が「岩を持ち上げる」という奇行を行い、両親と対立し、何かを変えようとしている。そんな噂が、屋敷の隅々にまで広がるのに時間はかからなかった。
だが、レオナは気にしなかった。社交界の価値観も、貴族の常識も、婚約者の存在も、10000回試して意味がないと知った。
ならば、残された道はただ一つ。
肉体を鍛え抜くのみ。
筋肉こそが、運命を覆す力なのだから。
屋敷の重厚な扉が静かに閉じられる音が響いた。
執務室の中は厳かな空気に包まれている。分厚い絨毯が敷かれた床、壁には先祖代々の肖像画が並び、装飾の施された書棚には領地経営や戦略に関する書物がぎっしりと詰め込まれていた。室内を照らす燭台の灯りが、静寂の中で揺れている。
奥の重厚な机に座るのは、グラハム・アイゼンブラッド侯爵。軍人としても名高く、鋼のような意志を持つ男だ。深い皺の刻まれた額と鋭い青い瞳が、その厳格な性格を物語っていた。長年の鍛錬で鍛え抜かれた体は年齢を感じさせず、たとえ軍服を着ていなくても、一目で只者ではないことが分かる威圧感を放っている。
その隣には、エレノア・アイゼンブラッド侯爵夫人が座っていた。優美な紫のドレスを纏い、上品なブロンドの髪を結い上げた彼女は、まさに社交界の華と呼ばれるに相応しい貴婦人だった。しかし、その整った顔立ちには、今は明らかな困惑と怒りの色が浮かんでいる。
レオナは執務室の扉の前に静かに立ち、両親の視線を正面から受け止めた。
――ついに来たか。
その言葉が、心の中で小さく響いた。
予想していた事態ではある。これまでずっと慎重に行動してきたつもりだったが、最近の彼女の振る舞いが目に余るものになっていたことは自覚していた。それが屋敷中の使用人たちの間で話題にならないはずがない。
だが、これほど早く両親の耳に入るとは思っていなかった。
上級貴族であるアイゼンブラッド侯爵家の当主と夫人は、日々忙しくしている。父は領地経営と王国軍の要職を兼任し、母は社交界での立ち回りに余念がない。家の秩序を重んじる二人は、これまでレオナの行動にそれほど関心を示すことはなかった。貴族の娘らしく振る舞う限り、細かいことには干渉しないというのが彼らのやり方だった。
それなのに、こうして二人が揃って彼女を呼び出すということは――つまり、それだけレオナの行動が「異常」だと見なされたのだろう。
「レオナ、最近どういうつもりなの?」
母の声が静寂を破る。その声音はいつもの穏やかさとは違い、明らかに鋭さを帯びていた。
レオナはまっすぐ母を見つめながら、あえて少し間を置いた。
「……どういう、とは?」
わざととぼけるように問い返す。しかし、母の表情はすでに怒りと困惑で歪んでいた。
「あなた、庭で岩を持ち上げていたそうね。侍女たちが驚いて報告に来たわよ」
レオナは一瞬、しまったと思った。
これまでは使用人の仕事を手伝う形で筋力を鍛えていた。庭の掃除や馬小屋の整理、薪運びなど、貴族の令嬢としては異例の行動だったが、「お嬢様の新しい趣味」としてある程度は許容されてきた。彼女自身も、あまり目立たぬように立ち回っていたつもりだった。
だが、さすがに庭で岩を持ち上げるのは異常だったらしい。
その日は、人目を避けたつもりだったが、侍女の一人に見られてしまった。驚愕した彼女は、屋敷内で大騒ぎし、結果として両親の耳にまで入ることになったのだ。
「貴族の娘が、そんなことをするものではない!」
父の低く響く声が部屋の空気を震わせた。
「貴族の娘たるもの、優雅であれ。品位を持て。何より、お前には婚約者がいるのだぞ? そんな破廉恥な振る舞いをして、どんな顔で社交界に出るつもりだ!」
怒りを滲ませた言葉に、母もすかさず追い打ちをかける。
「そうよ、レオナ! あなたがそんな筋肉をつけて、誰があなたをお嫁に迎えたいと思うの!? いいこと? 令嬢に求められるのは、教養と美しさなのよ!」
母の声は半ば悲鳴のようだった。
だが、レオナは静かに二人を見つめた。
――社交界の価値観。貴族の常識。婚約者の存在。
そんなものが、何になるというのか。
何度も何度も、10000回繰り返した人生。どんなに優雅に、どんなに完璧に社交界を立ち回ろうとも、待っていたのは破滅だった。
微笑みを絶やさず、誰も傷つけぬよう言葉を選び、どんなに礼儀正しく振る舞おうとも、背後から短剣が突き立てられる。高貴な身分に相応しい淑女として慎ましく生きても、婚約者は別の女と結託し、毒を盛る。令嬢として完璧にあろうと努力しても、望まぬ政略結婚の末に駒として切り捨てられる。
そんなものに、何の意味がある?
上品で優雅な娘でいれば、家は守れるのか? 婚約者は裏切らず、暗殺者は刃を向けず、毒は回避できるのか?
違う。そうではなかった。
彼女は、知っている。何をどうあがこうと、破滅は必ず訪れるのだと。ならば、次は別の道を行く。
気品も、優雅さも、必要ない。
必要なのは、力。
押しつぶされぬための力。殺されぬための力。すべてを叩き伏せ、運命をねじ伏せるだけの力――それがなければ、10001回目の人生も同じ結末を迎えることになる。
この手が、岩すらも砕く力を持っているのなら――それを誇りに思うべきだろう。
「……私は私の道を進みます」
レオナはきっぱりと言い切った。その声はまるで刃のように鋭く、余計な感情を一切含んでいなかった。
父と母は、一瞬、何を言われたのか理解できないように彼女を見つめる。
「……破滅するわよ?」
母は涙を滲ませながら訴えた。
その言葉は、かつての人生で何度も聞いたものだった。警告、嘆き、あるいは哀れみ。けれど、彼女の中にはもはや揺らぐものなど何もなかった。
「お前は、何を考えている?」
父の声には困惑が混じっていた。
レオナは沈黙を守った。
――彼らに話しても無駄だ。
目の前の父と母は、まぎれもなく彼女の両親だ。王国に名を轟かせる侯爵家の当主と夫人。貴族の価値観を体現し、それを当然のものとして生きてきた人間。彼らにとって、貴族の令嬢とは、社交界で美しく微笑み、気品を持ち、家の名誉を守る存在であるべきだった。
決して悪人ではない。それは理解している。
ループによっては、最後の最後まで味方でいてくれたこともあった。政敵に追い詰められ、家ごと断罪される運命にあったとき、レオナとともに刑場に立ち、最期の瞬間まで誇りを貫いたこともある。
だが――その一方で、彼らは完全な善人というわけでもなかった。
ループによっては、レオナをトカゲの尻尾切りのように切り捨てたこともある。政敵との交渉の材料として彼女を差し出し、見返りを得ることを選んだ回もあった。冷徹な決断を下せるのが、貴族としての彼らの生き方なのだ。
信じるには、あまりにも脆く。
頼るには、あまりにも危うい。
侯爵家夫妻の影響力は決して小さくない。上手く事情を説明し、味方につけるべきかもしれない。だが、それには多大な労力と時間が必要だった。そして、何より――彼らを味方につけたところで、結局破滅は回避できなかった。
何をどう試みても、運命は変わらない。
レオナは10000回試した。10000回失敗した。
だからこそ――
「私は、私の道を行きます。」
静かに、しかし揺るぎない声でレオナは言った。
父と母は、何かを言いたげだった。母は、わずかに顔をしかめ、父は無言で彼女を見据えていた。だが、それ以上何も言わなかった。
この瞬間、彼らは悟ったのだろう。どれだけ言葉を尽くしても、この娘の決意は揺るがないと。
屋敷には、じわじわと微妙な空気が流れ始めた。
侍女たちは陰で囁き合い、執事たちは遠巻きに見守る。貴族の娘が「岩を持ち上げる」という奇行を行い、両親と対立し、何かを変えようとしている。そんな噂が、屋敷の隅々にまで広がるのに時間はかからなかった。
だが、レオナは気にしなかった。社交界の価値観も、貴族の常識も、婚約者の存在も、10000回試して意味がないと知った。
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