43 / 190

43話 桃色青春高校 vs プリンセスガーディアン・ハイスクール

しおりを挟む
 10月下旬。
 秋の高校野球大会の日程は、順調に消化されている。
 Bブロック2回戦第1試合は、【桃色青春高校】vs【プリンセスガーディアン・ハイスクール】の試合が行われる。
 試合開始まで、あと10分を切っていた。

「いよいよ始まるな」

 龍之介が呟く。
 そんな彼の言葉に対し、チームメイトたちは強い眼差しを向けた。

「ええ。まずは2回戦突破を目指して……ですね?」

 ミオの言葉に、アイリとノゾミが大きく頷く。
 最終目標は甲子園の優勝なのだが、1つずつ目の前の試合を勝っていくことが大切だ。
 2人の様子を見て、ユイはニヤリと笑みを浮かべた。

「わたくしにお任せください。1回戦では未加入だったわたくしがいれば、好き放題に盗塁されることはあり得ませんわ」

「確かに、ユイがいれば盗塁の心配は大きく減る。この試合は、ユイがキャッチャーとして活躍できるかどうかにかかっていると言っていい。練習通りにできれば、俺たちの勝ちが濃厚だと思う」

「おーっほっほ! わたくしの実力を思い知らせてやりますわ!!」

 龍之介の言葉に、ユイは不敵に笑った。
 そんな彼女の自信に満ち溢れた様子に反応したのか、相手チームの選手が近づいてきた。

「ほう……。面白いことを仰いますね。私たち『プリンセスガーディアン・ハイスクール』に勝てると?」

「――ん? 君は……確かショートの……」

「ソフィと申します。あなた方には悪いですが、2回戦で消えてもらうことになります」

 ソフィと名乗った少女が、不敵な笑みを浮かべる。
 龍之介は、そんなソフィを興味深そうに見つめた。

「言葉を返すようだが、そっちこそ随分と強気じゃないか。負けることなど全く考えていないようだな」

「当然です。私たちは『プリンセスガーディアン・ハイスクール』。姫様に勝利を捧げるために存在しますので」

「姫様……?」

 ソフィの言葉に、龍之介が首を傾げる。
 だが、彼女はそれ以上は何も答えずに、チームメイトの元へ戻っていった。

「ふむ……。よく分からんが……」

 龍之介は首を振る。
 試合開始まで残り3分を切っていた。

「気持ちを切り替えないとな。試合のオーダーを確認しておこう」

 彼は電光掲示板に表示されたメンバー表を眺めた。
 以前にも言及したことだが、ここで2099年の電光掲示板についての仕様を再整理しておく。

 表示されているのは打順、守備ポジション、名前だ。
 2099年の今、登録できる名前はかなり自由化されている。
 名字でもいいし、下の名前でもいいし、フルネームでも構わない。

 さらに、龍之介の脳内には各人の能力値も表示されている。 
 順に、ミート、パワー、走塁力、送球力、守備力である。
 自チームについては野球ロボのスキャン機能もあり、かなりの精度で把握している。
 また、中学大会の覇者である龍之介は、相手の能力もそこそこの精度で予測することができた。


後攻・桃色青春高校

1番中・ノゾミ・EFADC*
2番遊・アイリ・FEBCB*
3番投・龍之介・ECDEC*
4番一・ミ オ・CADCF
5番捕・ユ イ・FDEAD
6番左・ロボ0・FFGGG
7番二・ロボ8・GGFGF
8番三・ロボ9・GGGFF
9番右・ロボ7・GGFFG

*は左打者

投手・龍之介
最高球速130km 制球力D 持久力D 変化球D

チーム全体評価
打撃E 走塁E 守備E 投手D 控え選手G 総合力E


先攻・プリンセスガーディアン・ハイスクール

1番遊・ソフィ・DFCCB
2番二・ガレティア・EFDDC
3番中・セリナ・EFDDC
4番一・ユーリ・EEFDC
5番三・イリス・FEEDC
6番左・レストウィン・FFFED
7番右・ラ ナ・FFFED
8番捕・ユリア・GFFCC
9番投・リンディル・GGFDC

投手・リンディル
最高球速125km 制球力D 持久力E 変化球E

チーム全体評価
打撃F 走塁E 守備D 投手E 控え選手F 総合力E


「よし……みんな、円陣を組むぞ!」

「はい! 皆さん……絶対に勝ちましょうね!」

「「「おー!!!」」」

 5人は肩を組み、掛け声を上げる。
 こうして、桃色青春高校の第2回戦が幕を開けたのだった――。



【高校野球】2099年東京都秋大会雑談スレ19【ダークホース桃色青春高校】

017:代走名無し@野球大好きオジサン
ついに始まるか、桃色青春高校の2回戦!
ワイは1回戦から応援しとったで~!!

018:代走名無し@野球大好きオジサン
>>017 マジ?
1回戦は見てなかったけど、そんなに注目度高かったのか?

019:代走名無し@野球大好きオジサン
>>018 せやで!
だって、中学大会の優勝投手である龍之介選手を擁する高校なんやで!?

020:代走名無し@野球大好きオジサン
ま、お手並み拝見ってところだな
1回戦じゃ、野球ロボの隙を突かれまくっていたからな

021:代走名無し@野球大好きオジサン
キャッチャーが野球ロボから人間に置き換わっているみたいだぜ
ユイ選手か……
この選手については、全く情報がない

022:代走名無し@野球大好きオジサン
なんか、投球練習を見る限りでは龍之介選手の球速が上がってないか?
130km近く出てた

023:代走名無し@野球大好きオジサン
>>022 中学時代を考えると、もっと出せると思うけどね
実戦を通して勘を取り戻してきたっぽい

024:代走名無し@野球大好きオジサン
プリンセスガーディアン・ハイスクールは守備に定評がある
1回戦とは違う展開になりそうだ
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜

遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった! 木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。 「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」 そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...