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素直、愚直、従順、傀儡
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和樹「社会の永森ってさ、よく素直に話を聞けって言うじゃん? でも、素直って一体何なんだろう? って最近思うんだよね」
隆太「素直? そりゃあれだろ、アドバイスや意見に対して、その内容をそのまま受け止めることだろ?」
和樹「そうだね、確かにそうだ。けど、その素直って、色んな見方があると思うんだよ。何が何でも言うことを聞くのか、それとも内容を受けとめて、それから自分なりに解釈をして新たなる行動に移すのか」
隆太「素直の定義についてならば、断然後者だろうな。前者の場合、それは愚直って表現の方が適切だろう」
和樹「でもさ、そういう言葉の定義って人によると思うんだよ。『ほっといて』って言葉が、関西圏では『捨てておいて』と解釈されるのに、関西圏以外では『放置しておいて』と曲解されてしまうみたいにさ。で、ここで登場人物『アドバイザー』と『リスナー』を準備するとして、リスナーがアドバイザーの意見を、さっきの後者的意味に捉えて行動に移したとして、だ。果たして、アドバイザーはリスナーを『素直な人だ』と思うかな?」
隆太「なるほど、少し話が見えてきた。つまり本来アドバイスをちゃんとした意味の『アドバイス』として『素直』に解釈してリスナーが行動しても、それはアドバイザーの納得のいく行動と思われづらいから『素直な人』と判断されづらい。そういうことだな?」
和樹「それと付け加えるなら、リスナーを『素直じゃない』と思ってしまったアドバイザーからの、第二の意見を窺った時。つまり極端に言うと、アドバイザーから『素直に俺の意見を聞けよ』とリスナーに伝えられた時、リスナーは『自分は素直に行動しているつもりだったが、これは素直じゃなかったのか。ならば、次からはもっとアドバイザーの意見通りに行動しよう』と、間違ったとはいかなくとも、正しいとしても何故正しいか分からずに納得をしてしまうんだよ。その負の連鎖が続けば、素直は愚直に、そして従順に、やがては傀儡となりかねないって思うんだ」
隆太「まぁ、そりゃ仕方がないだろうな、アドバイザーって立ち位置になると、必ずリスナーとの立ち位置が上下となる。客観的にじゃなく、アドバイザーとリスナーの主観的な話な。ってなると、アドバイザーは自然、人を支配しているという錯覚に陥ってバイアスにかかりやすいし、リスナーは折角時間を貰っているわけだから、その意見を無碍にできない。つっても、それはそもそもアドバイスの意義をお互いはき違えているから起こることだと思うけどな」
和樹「え、それってどういうこと?」
隆太「アドバイスっつっても、そんなのは結局1個人の見方に過ぎないってことだ。アドバイザーによってそのアドバイスは十人十色だし、それを全て聞こうと思えば必ず矛盾が生じる。問題なのはリスナーがどんなゴールを求めていて、行きかう意見達がそのゴールまでの道筋に役立つかを判断できるか、だ。でもってアドバイザーが『俺のアドバイス絶対聞けマン』なら、リスナーは萎縮して愚直フェイズに入ってしまう恐れがある。だから、お互い『アドバイスは1個人の見方に過ぎない』ことを理解する必要があるってこと」
和樹「……ごめん長いからもう一度言ってくれない?」
隆太「あー、確かに、言ってて俺も訳が分からなくなってきたぜ。ええと、つまり『色んなアドバイスを聞いてみるのは良いけれど、結局意見を採用するかの判断はリスナーだぜ』って感じかな。……それで結局、永森になんか言われてこんなこと聞いてきたんだろうけど、一体何言われたんだ?」
和樹「良いから素直に補修来いって」
隆太「いやそれは行けよ」
隆太「素直? そりゃあれだろ、アドバイスや意見に対して、その内容をそのまま受け止めることだろ?」
和樹「そうだね、確かにそうだ。けど、その素直って、色んな見方があると思うんだよ。何が何でも言うことを聞くのか、それとも内容を受けとめて、それから自分なりに解釈をして新たなる行動に移すのか」
隆太「素直の定義についてならば、断然後者だろうな。前者の場合、それは愚直って表現の方が適切だろう」
和樹「でもさ、そういう言葉の定義って人によると思うんだよ。『ほっといて』って言葉が、関西圏では『捨てておいて』と解釈されるのに、関西圏以外では『放置しておいて』と曲解されてしまうみたいにさ。で、ここで登場人物『アドバイザー』と『リスナー』を準備するとして、リスナーがアドバイザーの意見を、さっきの後者的意味に捉えて行動に移したとして、だ。果たして、アドバイザーはリスナーを『素直な人だ』と思うかな?」
隆太「なるほど、少し話が見えてきた。つまり本来アドバイスをちゃんとした意味の『アドバイス』として『素直』に解釈してリスナーが行動しても、それはアドバイザーの納得のいく行動と思われづらいから『素直な人』と判断されづらい。そういうことだな?」
和樹「それと付け加えるなら、リスナーを『素直じゃない』と思ってしまったアドバイザーからの、第二の意見を窺った時。つまり極端に言うと、アドバイザーから『素直に俺の意見を聞けよ』とリスナーに伝えられた時、リスナーは『自分は素直に行動しているつもりだったが、これは素直じゃなかったのか。ならば、次からはもっとアドバイザーの意見通りに行動しよう』と、間違ったとはいかなくとも、正しいとしても何故正しいか分からずに納得をしてしまうんだよ。その負の連鎖が続けば、素直は愚直に、そして従順に、やがては傀儡となりかねないって思うんだ」
隆太「まぁ、そりゃ仕方がないだろうな、アドバイザーって立ち位置になると、必ずリスナーとの立ち位置が上下となる。客観的にじゃなく、アドバイザーとリスナーの主観的な話な。ってなると、アドバイザーは自然、人を支配しているという錯覚に陥ってバイアスにかかりやすいし、リスナーは折角時間を貰っているわけだから、その意見を無碍にできない。つっても、それはそもそもアドバイスの意義をお互いはき違えているから起こることだと思うけどな」
和樹「え、それってどういうこと?」
隆太「アドバイスっつっても、そんなのは結局1個人の見方に過ぎないってことだ。アドバイザーによってそのアドバイスは十人十色だし、それを全て聞こうと思えば必ず矛盾が生じる。問題なのはリスナーがどんなゴールを求めていて、行きかう意見達がそのゴールまでの道筋に役立つかを判断できるか、だ。でもってアドバイザーが『俺のアドバイス絶対聞けマン』なら、リスナーは萎縮して愚直フェイズに入ってしまう恐れがある。だから、お互い『アドバイスは1個人の見方に過ぎない』ことを理解する必要があるってこと」
和樹「……ごめん長いからもう一度言ってくれない?」
隆太「あー、確かに、言ってて俺も訳が分からなくなってきたぜ。ええと、つまり『色んなアドバイスを聞いてみるのは良いけれど、結局意見を採用するかの判断はリスナーだぜ』って感じかな。……それで結局、永森になんか言われてこんなこと聞いてきたんだろうけど、一体何言われたんだ?」
和樹「良いから素直に補修来いって」
隆太「いやそれは行けよ」
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