男子高校生の休み時間

こへへい

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常識とは

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和樹「おいおい隆太、まさかハンカチをブレザーのポケットに入れてるんじゃないの?」

隆太「入れてるが、それがどうかしたか?」

和樹「それがどうしたって、どうしたもこうしたもないよ。ハンカチってのはパンツのポケットに入れるのが常識でしょ?」

隆太「初めて聞く常識だな、どっかの国でそんなのあったっけ? 胸ポケットにハンカチ入れる的な」

和樹「ポケットチーフね、あのオシャレしているように見えて、実は披露宴の食事を食べるために外したマスクがはみ出てる的なあれね」

隆太「具体例が具体的過ぎる……。だが本当に、ハンカチをパンツのポケットに入れるなんて常識あるのか?」

和樹「あるある。ハンカチって基本的にトイレで手を洗った時か、汗を拭った時にしか使わないじゃん? つまりそのハンカチは汚れていて、その汚れがブレザーに付いてしまうんだ。それが良くない」

隆太「パンツは良いのかよ」

和樹「パンツは良いんだよ、既に汗で汚れるし。でもブレザーって間にシャツを挟むわけだから、汚れが余計に目立つんだよね」

隆太「ほー、そんな常識があったとは露ほども知らなかったよ。でもパンツのズボンからハンカチを取り出すのって結構面倒くさくない? ぎゅうぎゅうだし、なにより座ってる状態でハンカチを取り出すのがきつくてな。だからブレザーに入れているんだよ」

和樹「その気持ちは分かるよ? でも普通ブレザーにハンカチ入れる? 常識的に考えて」

隆太「常識的にって……さぁ?」

和樹「だよね。今回は常識について話そうと思う」

隆太「冒頭が長いわ。内容もそこそこリアリティあったから、マジでそういう常識があったと思っちゃったじゃねーか」

和樹「ごめんごめん。でもこうして常識を押し付けられて、どう思った?」

隆太「マジで面倒くせぇなこいつって思った」

和樹「そうなんだよ。それに常識なんて大富豪のローカルルール並に千差万別なんだ。それを押し付けることこそ非常識ではないかと、今回は話したかったんだ」

隆太「大富豪のローカルルールは千差万別もないと思うけどな。13×4+2の枚数しかないんだし。でも常識を押し付けることこそ非常識か。確かにそうだな。それを踏まえて、真なる常識の共通点というか、常識に必要不可欠な要素というのを思いついた」

和樹「はて、それは?」

隆太「他人を不快にしないってことだな。他人を不快にさせることは、社会生物である我々人間にとって円滑な営みを滞らせる錆でしかない。だから常識という長年培ってきたルールを潤滑油として浸透させることで、人間関係を楽にしてきたんだ。つっても時代で変わるんだけどな。『FF外から失礼します』とか『ではよろしくお願いします~はい~失礼します~(相手が電話を切るまで待つ)』とかな」

和樹「だから古い常識ってのは、聞いてて不快に感じるのか。その十滑油が酸化してて使い物にならないから」

隆太「油の使いまわしは体に毒だぜ。ちゃんと捨てないとなぁ」
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