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7話 お母さんを大事にする人に悪い奴はいない
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「助けて頂きありがとうございます、一時はどうなることかと」
と騎士の青年はへこへこと頭を下げた。続いて魔法使いの女性、そしてもう一人のリュックを背負った男性も同じく頭をへこへこしていた。
「いえいえ、お母さんを大事にする人に悪い奴はいませんから」
「お前たまにマザコン出るよな」
「黙れ」
勇者に対し小さく言った文句が聞こえたのか、魔法使いの女性が「何か言いましたか?」と首を傾げる。トウマは慌てて「何でもないですよ」と軽く釈明した。
続けてトウマは質問する。これが本命だった。
「あなた達は何故ここに?」
「俺達はクエストでここの調査に来ているんですよ、最終層手前までどんな魔物がいるのか、どんな罠があるのか等を調査しているんです」
「ほう」と相槌を打ちつつ、トウマは間に合ったとほくそ笑んだ。もしシールドマスターが準備万端で向かおうとしているならば、この調査団が帰ってからにするだろうと思ったからだ。
続けて騎士の青年が愚痴をこぼす。
「しかし流石はモトツヨ洞窟、きっついですね。いくら調査と言っても俺らにとってはハイレベルですよ。そんなハイレベルな魔物を一瞬で退治しちゃうなんて、トウマさんは本当に強いですね」
「あはは、そりゃどうも」
自分の実力じゃないためか、素直に喜ぶことができないトウマ。そんな態度を謙遜と感じてか、魔法使いの女性が続ける。
「超カッコよかったですよ! いやーうち等の依頼主とは大違いですね」
依頼主。つまりは恐らくシールドマスターの事だろう。だが大違いという言葉に耳を疑った。同じくのマスタークラスな職業であるシールドマスターがトウマと大違い。興味本位でトウマは聞いてみた。
「依頼主さんってどんな人なんですか?」
「なんかモトツヨ洞窟の奥をお化け屋敷にしたいらしくって、マジのお化けや魔物出ないようにするために調査してるんですけどー、うちらの調査報告が雑とか言って報酬ケチって来るんですよ? マジウザいですよ」
(なんかイメージと違うんだけど。お化け屋敷?)トウマは嫌な汗をかいた。魔法使いの女性に細い目を向けたリュック背負いの男性は口を酸っぱくした。
「こらユウコ、クライアントの素性をみだりにさらすんじゃない。すみません、聞かなかったことにしてください」
「まぁはい、そうします」
実はシールドマスターとは全く無関係な誰かの依頼ってだけなんじゃないのか、とトウマが苦い顔をしていると、騎士の青年が身を乗り出してトウマに近づいた。その肩をリュック背負いの男性が掴む。
「ところで聞きたかったんですけど、どうやってゴーレム倒すくらいの剣をみにつけられるんですか? やっぱり日々鍛錬ですかね!?」
「おいカミナ、迷惑しているだろう」
「離せよタツミ、俺はお前ら仲間のためにもっと強くならなくっちゃいけないんだ!」
グーを強く握りしめて悔しそうにしているが、トウマはその輝かしい真面目な性格に目が潰れそうだった。何も鍛錬なんてしていないので。
「ところでトウマさんこそ何故このような洞窟に? やはり訓練でしょうか?」
タツミと呼ばれたリュック背負いの男は、おじさんさながらの顎髭をさすりつつ優しい顔で聞いてきた。世渡り上手な印象を受けた。
「いえ、ちょっとのびのびスライムを捕まえようと」
そう言うとタツミが目を見開いた。
「まさか、あれほどの剣術を身に着けておきながら、更に魔物テイマーをも目指しているのですか!? これは私もうかうかしていられませんな」
変な勘違いをされてトウマは更に困惑しかけたが、文脈から聞き捨てならない情報を掬い上げた。こんどはトウマが身を乗り出す。
「ってことは、タツミさんも魔物テイマーなんですか?」
「はい。しかしゴーレムに使役する魔物は潰されてしまいました。不覚です」
肩を落とすタツミ。その会話を聞いて勇者が呟いた。
「ほえー、本当にいるんだ魔物テイマー。何かコツとか聞いておけよ」
「たしかに」珍しく勇者の言にトウマは納得し、タツミに話を伺った。
「魔物テイマーになるのは良いんですが、魔物ってどうやってテイムするんでしょうか? 恥ずかしながら何も存じ上げなくて」
「助けてくれたお礼です。私が知る限りのことは何でもお教えいたしましょう」
タツミは紳士的にそう優しく言ってくれた。そして「あののびのびスライムといえど、本質は変わりません。まずは」と一つ目のコツを教えてくれる。
「一つ、魔物の前で両掌を合わせます。これが魔物と心を通わせる第一歩です」
(あ、詰んだ)
トウマは笑顔で血を吐いた。
と騎士の青年はへこへこと頭を下げた。続いて魔法使いの女性、そしてもう一人のリュックを背負った男性も同じく頭をへこへこしていた。
「いえいえ、お母さんを大事にする人に悪い奴はいませんから」
「お前たまにマザコン出るよな」
「黙れ」
勇者に対し小さく言った文句が聞こえたのか、魔法使いの女性が「何か言いましたか?」と首を傾げる。トウマは慌てて「何でもないですよ」と軽く釈明した。
続けてトウマは質問する。これが本命だった。
「あなた達は何故ここに?」
「俺達はクエストでここの調査に来ているんですよ、最終層手前までどんな魔物がいるのか、どんな罠があるのか等を調査しているんです」
「ほう」と相槌を打ちつつ、トウマは間に合ったとほくそ笑んだ。もしシールドマスターが準備万端で向かおうとしているならば、この調査団が帰ってからにするだろうと思ったからだ。
続けて騎士の青年が愚痴をこぼす。
「しかし流石はモトツヨ洞窟、きっついですね。いくら調査と言っても俺らにとってはハイレベルですよ。そんなハイレベルな魔物を一瞬で退治しちゃうなんて、トウマさんは本当に強いですね」
「あはは、そりゃどうも」
自分の実力じゃないためか、素直に喜ぶことができないトウマ。そんな態度を謙遜と感じてか、魔法使いの女性が続ける。
「超カッコよかったですよ! いやーうち等の依頼主とは大違いですね」
依頼主。つまりは恐らくシールドマスターの事だろう。だが大違いという言葉に耳を疑った。同じくのマスタークラスな職業であるシールドマスターがトウマと大違い。興味本位でトウマは聞いてみた。
「依頼主さんってどんな人なんですか?」
「なんかモトツヨ洞窟の奥をお化け屋敷にしたいらしくって、マジのお化けや魔物出ないようにするために調査してるんですけどー、うちらの調査報告が雑とか言って報酬ケチって来るんですよ? マジウザいですよ」
(なんかイメージと違うんだけど。お化け屋敷?)トウマは嫌な汗をかいた。魔法使いの女性に細い目を向けたリュック背負いの男性は口を酸っぱくした。
「こらユウコ、クライアントの素性をみだりにさらすんじゃない。すみません、聞かなかったことにしてください」
「まぁはい、そうします」
実はシールドマスターとは全く無関係な誰かの依頼ってだけなんじゃないのか、とトウマが苦い顔をしていると、騎士の青年が身を乗り出してトウマに近づいた。その肩をリュック背負いの男性が掴む。
「ところで聞きたかったんですけど、どうやってゴーレム倒すくらいの剣をみにつけられるんですか? やっぱり日々鍛錬ですかね!?」
「おいカミナ、迷惑しているだろう」
「離せよタツミ、俺はお前ら仲間のためにもっと強くならなくっちゃいけないんだ!」
グーを強く握りしめて悔しそうにしているが、トウマはその輝かしい真面目な性格に目が潰れそうだった。何も鍛錬なんてしていないので。
「ところでトウマさんこそ何故このような洞窟に? やはり訓練でしょうか?」
タツミと呼ばれたリュック背負いの男は、おじさんさながらの顎髭をさすりつつ優しい顔で聞いてきた。世渡り上手な印象を受けた。
「いえ、ちょっとのびのびスライムを捕まえようと」
そう言うとタツミが目を見開いた。
「まさか、あれほどの剣術を身に着けておきながら、更に魔物テイマーをも目指しているのですか!? これは私もうかうかしていられませんな」
変な勘違いをされてトウマは更に困惑しかけたが、文脈から聞き捨てならない情報を掬い上げた。こんどはトウマが身を乗り出す。
「ってことは、タツミさんも魔物テイマーなんですか?」
「はい。しかしゴーレムに使役する魔物は潰されてしまいました。不覚です」
肩を落とすタツミ。その会話を聞いて勇者が呟いた。
「ほえー、本当にいるんだ魔物テイマー。何かコツとか聞いておけよ」
「たしかに」珍しく勇者の言にトウマは納得し、タツミに話を伺った。
「魔物テイマーになるのは良いんですが、魔物ってどうやってテイムするんでしょうか? 恥ずかしながら何も存じ上げなくて」
「助けてくれたお礼です。私が知る限りのことは何でもお教えいたしましょう」
タツミは紳士的にそう優しく言ってくれた。そして「あののびのびスライムといえど、本質は変わりません。まずは」と一つ目のコツを教えてくれる。
「一つ、魔物の前で両掌を合わせます。これが魔物と心を通わせる第一歩です」
(あ、詰んだ)
トウマは笑顔で血を吐いた。
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