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少年と少女 それぞれの理由
少年の理由〜グレナ伯爵一家殺害事件〜5
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「父上!母上!」
ウィリスがそう叫びながら扉が開け放たれた部屋へと飛び込むと、ベッドの上には横たわる父が、そしてその近くの床にはうつ伏せで倒れている母がいた。
更に部屋の中には二人の男がおり、一人は金目の物を探そうとでもしているのか、壁際にある棚の引き出しを引き抜いて中身を漁っており、もう一人は反対の壁に掛けられている絵画に手を掛けていた。
しかも、絵画を壁から取り外そうとしている男の腰には、父の愛剣である破邪の剣が収められた鞘がぶら下がっている。
「お前達、ここで何をしている!」
ウィリスの甲高い声が部屋に響き渡る。
「あぁん?」
破邪の剣を帯剣している黒髪と黒い瞳の男が、不機嫌丸出しの声を上げながら振り向いた。
「何でここにガキがいる。あいつらはどうした?」
グエンの声よりも低い声が、何とも柄の悪そうな言葉を吐く。
「あの三人なら全員倒してきた」
ウィリスが堂々と答えると、男達は目を丸くした。
「マジか!」
「嘘だろ?」
二人の言葉にウィリスは答えを返すこと無く、血に濡れた剣を突き出しながら更に問うた。
「父と母をどうした!?」
動かない父と母を己の目で認識しつつも、まだ生きているかもしれないというウィリスの僅かな希望は、破邪の剣を持った男が発した次の言葉で打ち砕かれる事となる。
「はぁ?決まってんだろ。邪魔だから殺してやったよ」
そう言って不快極まりない笑い声を上げる男に続き、棚を漁っていた青い髪に茶色の瞳の男が口を開いた。
「元騎士様だって言ってもよぉ、病気にゃ敵わないらしくて、あっという間に死んじまったぜ。むしろそっちの女の方が頑張ってたくらいだ」
「こいつはいい女だったから連れて帰ろうと思ったんだけどな、予想以上に抵抗されちまったから、つい殺しちまったんだよ」
ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべる男達を目にしたウィリスは、その時自分の中の何かが壊れた気がした。
そして、その壊れた中からもう一人の自分が顔を出す。
「へぇ。つい殺しちゃったんだ。だったら僕も、あんた達をつい殺しちゃっても良いよね?」
ウィリスはそう言うとニタリと笑い、破邪の剣を腰に下げた男へと駆け出した。
「何だ?やる気か、小僧」
「戦利品の切れ具合を試すには丁度いいんじゃないすか、お頭?」
「そうだな。折角だし噂の破邪の剣の切れ具合でも試してみるか」
ニヤつきながら破邪の剣を抜剣した大柄の男は、近づいてきたウィリスへと剣を振り下ろした。
が、振り下ろした先に子供の姿は無く、次の瞬間、剣を握る右腕に鋭い痛みが走った。
その痛みの正体を確認すべく視線を自らの右腕へと向けると、そこには大きな裂傷が出来ていた。
「うぁぁぁぁ!」
己の傷を認識した男は右腕を襲った強烈な痛みに叫び声を上げると、手にしていた破邪の剣を取り落とした。
そこへウィリスが破邪の剣へと左手を伸ばし、その柄をしっかりと握った。
「この剣は返してもらうよ」
ウィリスはそう言うと、今まで手にしていた剣を投げ捨てて破邪の剣へと持ち替えた。
「お頭ぁ!!」
叫びながら走り寄ってきた青髪の男が、自らがお頭と呼ぶ男とウィリスの間に剣を大きく振り下ろしてきた。
すかさずウィリスがそれを避けたため、ウィリスと黒髪の男との間に距離が出来た。
「てめぇ、よくもお頭を!!」
背後に黒髪の男を庇う位置に陣取った青髪の男が、凄みを利かせた低い声をウィリスへと向ける。
だが、そんな声に今のウィリスが萎縮するはずもなく、寧ろ黒髪の男へとどめを刺そうとしていた所を中断させられた事に、ウィリスは憤りを感じていた。
「折角良い所だったのに、何で邪魔するんだよ」
楽しい遊びに横槍を入れられた子供の様に、ウィリスはムッとした表情を浮かべた。
ウィリスがそう叫びながら扉が開け放たれた部屋へと飛び込むと、ベッドの上には横たわる父が、そしてその近くの床にはうつ伏せで倒れている母がいた。
更に部屋の中には二人の男がおり、一人は金目の物を探そうとでもしているのか、壁際にある棚の引き出しを引き抜いて中身を漁っており、もう一人は反対の壁に掛けられている絵画に手を掛けていた。
しかも、絵画を壁から取り外そうとしている男の腰には、父の愛剣である破邪の剣が収められた鞘がぶら下がっている。
「お前達、ここで何をしている!」
ウィリスの甲高い声が部屋に響き渡る。
「あぁん?」
破邪の剣を帯剣している黒髪と黒い瞳の男が、不機嫌丸出しの声を上げながら振り向いた。
「何でここにガキがいる。あいつらはどうした?」
グエンの声よりも低い声が、何とも柄の悪そうな言葉を吐く。
「あの三人なら全員倒してきた」
ウィリスが堂々と答えると、男達は目を丸くした。
「マジか!」
「嘘だろ?」
二人の言葉にウィリスは答えを返すこと無く、血に濡れた剣を突き出しながら更に問うた。
「父と母をどうした!?」
動かない父と母を己の目で認識しつつも、まだ生きているかもしれないというウィリスの僅かな希望は、破邪の剣を持った男が発した次の言葉で打ち砕かれる事となる。
「はぁ?決まってんだろ。邪魔だから殺してやったよ」
そう言って不快極まりない笑い声を上げる男に続き、棚を漁っていた青い髪に茶色の瞳の男が口を開いた。
「元騎士様だって言ってもよぉ、病気にゃ敵わないらしくて、あっという間に死んじまったぜ。むしろそっちの女の方が頑張ってたくらいだ」
「こいつはいい女だったから連れて帰ろうと思ったんだけどな、予想以上に抵抗されちまったから、つい殺しちまったんだよ」
ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべる男達を目にしたウィリスは、その時自分の中の何かが壊れた気がした。
そして、その壊れた中からもう一人の自分が顔を出す。
「へぇ。つい殺しちゃったんだ。だったら僕も、あんた達をつい殺しちゃっても良いよね?」
ウィリスはそう言うとニタリと笑い、破邪の剣を腰に下げた男へと駆け出した。
「何だ?やる気か、小僧」
「戦利品の切れ具合を試すには丁度いいんじゃないすか、お頭?」
「そうだな。折角だし噂の破邪の剣の切れ具合でも試してみるか」
ニヤつきながら破邪の剣を抜剣した大柄の男は、近づいてきたウィリスへと剣を振り下ろした。
が、振り下ろした先に子供の姿は無く、次の瞬間、剣を握る右腕に鋭い痛みが走った。
その痛みの正体を確認すべく視線を自らの右腕へと向けると、そこには大きな裂傷が出来ていた。
「うぁぁぁぁ!」
己の傷を認識した男は右腕を襲った強烈な痛みに叫び声を上げると、手にしていた破邪の剣を取り落とした。
そこへウィリスが破邪の剣へと左手を伸ばし、その柄をしっかりと握った。
「この剣は返してもらうよ」
ウィリスはそう言うと、今まで手にしていた剣を投げ捨てて破邪の剣へと持ち替えた。
「お頭ぁ!!」
叫びながら走り寄ってきた青髪の男が、自らがお頭と呼ぶ男とウィリスの間に剣を大きく振り下ろしてきた。
すかさずウィリスがそれを避けたため、ウィリスと黒髪の男との間に距離が出来た。
「てめぇ、よくもお頭を!!」
背後に黒髪の男を庇う位置に陣取った青髪の男が、凄みを利かせた低い声をウィリスへと向ける。
だが、そんな声に今のウィリスが萎縮するはずもなく、寧ろ黒髪の男へとどめを刺そうとしていた所を中断させられた事に、ウィリスは憤りを感じていた。
「折角良い所だったのに、何で邪魔するんだよ」
楽しい遊びに横槍を入れられた子供の様に、ウィリスはムッとした表情を浮かべた。
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