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アサドニアへ⑤
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問題があるとしたら、魔法面の違いでしょうか。
ベスティニアでは‘精霊魔法’、アサドニアでは‘魔法’と言われるもの。
ベスティニアでは、聖ベスティ学園に合格した者が精霊碑に宣誓して、精霊紋を得ることによって‘精霊魔法’が使えるようになる。
アサドニアでは、六歳の誕生日に神殿に行き、神殿の水晶に手を置いて魔力測定を行い、一定の魔力を持っている者が聖アサド学園に入学できる。そして、聖アサド学園に入学した者が‘魔法’を学ぶ。
‘精霊魔法’も‘魔法’も精霊の力を借りて発動するもので、魔法を唱える時の呪文も同じ。呼び名が違うだけで、‘魔法’としては同じものである。
ベスティニアにだけ‘精霊碑’が存在し精霊紋を得るので、誰にでも目に見えて使える魔法がわかってしまうということだ。
アサドニアでも、魔力測定の際に水晶に色が現れ、自分の使える属性はある程度わかるようになっている。
両国とも、‘魔法’は精霊の力を借りて使えるものとして認知されているが、‘精霊紋’を得て魔法を使うベスティニアの方が、より精霊に対しての信仰心が強いだろう。
またそれによって、この世界では、‘精霊紋’持ちでの魔法使用者の方が地位が上と考えられている。
アサドニアの王族は、代々使える属性はバラバラだが、四属性の魔法を扱うことができる。また、王家に嫁いでくる者も同じく四属性の魔法が使える。
ルーカス君は、【火】【水】【風】【土】が使えるそうです。
「それにしても、ソフィアの精霊紋はスゴイな。ベスティニアの王家の花の紋章か...、そのような精霊紋は初めて見たな。」
(ソフィアはやはり特別なのだな。)
「学園に通う時は、その精霊紋は見えないようにしといた方がいいだろうな。」
「精霊紋が見えたらダメですか?」
「学園の生徒同士では、誰が何の魔法が使えるかは授業などで知れることだが、我が国では誰が魔法を使えるか、目に見えてはわからないからな。それに学園は競う場所だ。ソフィアの精霊紋を見て、妬む者もいるだろう。」
「そうですか...。」
「ソフィアがベスティニアで通っていた学園とは違う。聖アサドでは蹴落とし合いもあるぞ。もちろん仲間もできるが、みんながみんな‘いい人’ではないと覚えておくといい。」
「はい。」
(なんか、先行き不安だな~。)
ルーカス君に返事をした後、俯きながら、膝の上で組んでいた手をさらにギュッとして''大丈夫、大丈夫''と心の中で唱える。
トン...
顔を上げるとルーカス君が私の目の前に膝をつき、私が力を入れて握っていた手をルーカス君の手が包み込みました。
「そんな不安そうな顔をするな。ソフィアのそばには俺がいる。それに王子の俺やベスティニアのお姫様のソフィアに何かしようとするバカは、俺がやっつけてやるから心配するな。」
ベスティニアでは‘精霊魔法’、アサドニアでは‘魔法’と言われるもの。
ベスティニアでは、聖ベスティ学園に合格した者が精霊碑に宣誓して、精霊紋を得ることによって‘精霊魔法’が使えるようになる。
アサドニアでは、六歳の誕生日に神殿に行き、神殿の水晶に手を置いて魔力測定を行い、一定の魔力を持っている者が聖アサド学園に入学できる。そして、聖アサド学園に入学した者が‘魔法’を学ぶ。
‘精霊魔法’も‘魔法’も精霊の力を借りて発動するもので、魔法を唱える時の呪文も同じ。呼び名が違うだけで、‘魔法’としては同じものである。
ベスティニアにだけ‘精霊碑’が存在し精霊紋を得るので、誰にでも目に見えて使える魔法がわかってしまうということだ。
アサドニアでも、魔力測定の際に水晶に色が現れ、自分の使える属性はある程度わかるようになっている。
両国とも、‘魔法’は精霊の力を借りて使えるものとして認知されているが、‘精霊紋’を得て魔法を使うベスティニアの方が、より精霊に対しての信仰心が強いだろう。
またそれによって、この世界では、‘精霊紋’持ちでの魔法使用者の方が地位が上と考えられている。
アサドニアの王族は、代々使える属性はバラバラだが、四属性の魔法を扱うことができる。また、王家に嫁いでくる者も同じく四属性の魔法が使える。
ルーカス君は、【火】【水】【風】【土】が使えるそうです。
「それにしても、ソフィアの精霊紋はスゴイな。ベスティニアの王家の花の紋章か...、そのような精霊紋は初めて見たな。」
(ソフィアはやはり特別なのだな。)
「学園に通う時は、その精霊紋は見えないようにしといた方がいいだろうな。」
「精霊紋が見えたらダメですか?」
「学園の生徒同士では、誰が何の魔法が使えるかは授業などで知れることだが、我が国では誰が魔法を使えるか、目に見えてはわからないからな。それに学園は競う場所だ。ソフィアの精霊紋を見て、妬む者もいるだろう。」
「そうですか...。」
「ソフィアがベスティニアで通っていた学園とは違う。聖アサドでは蹴落とし合いもあるぞ。もちろん仲間もできるが、みんながみんな‘いい人’ではないと覚えておくといい。」
「はい。」
(なんか、先行き不安だな~。)
ルーカス君に返事をした後、俯きながら、膝の上で組んでいた手をさらにギュッとして''大丈夫、大丈夫''と心の中で唱える。
トン...
顔を上げるとルーカス君が私の目の前に膝をつき、私が力を入れて握っていた手をルーカス君の手が包み込みました。
「そんな不安そうな顔をするな。ソフィアのそばには俺がいる。それに王子の俺やベスティニアのお姫様のソフィアに何かしようとするバカは、俺がやっつけてやるから心配するな。」
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