魔法使いのマノン

ファンタジスタ

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マノンはメアリとアーロンの関係がこれ以上進展することを恐れ、たまらず杖を振った。
すると、別々の街を歩いていたメアリとルークは、ふたりが最後に会ったときのカフェに突然行きたくなり、それぞれ同じ場所へ向かった。
メアリとルークはカフェの前の横断歩道でばったり会い、ルークはメアリをカフェに誘い、ふたりはカフェに入った。

ルークとメアリは初め、緊張していたが、少しずつ前の調子に戻って話しを始めた。ルークはアーロンのことでメアリを責めなかった。メアリに久しぶりに会えて、うれしかったのだ。メアリと会えなくて、ずっと人恋しく、さみしい思いをしていたのはルークのほうだった。ルークはずっとデートを断り続け、メアリに同じ思いをさせていたんだと思うと、メアリがかわいそうに感じ、今すぐぎゅっと抱きしめてあげたくなった。

メアリはルークのおもしろいところやポジティブなところ、なによりもメアリを好きなことがわかる話し方や笑い方やしぐさを改めて間近で見て、やっぱりアーロンではなくてルークのことが好きなんだと確認できた。

「今までほんっとに悪かった。日曜日に会えなくて」
ルークがメアリに謝ると、メアリはやさしくこたえた。
「いいのよ。仕事、たいへんそうだし」
「日曜日、時間は短くなるけど、今度から会えるようにするから」
「うん」
メアリはうれしそうな顔をした。
「わたしのほうこそごめんなさい。パティのことで疑ったりして」
メアリが言うと、ふたりは見つめあい笑いあった。

全身を透明にして、メアリ達の隣の席に座ってふたりを見ていたマノンはいたずら心を出して、ルークのそばまで行き、耳元でささやいた。
「ケッコン」
ルークは「えっ?」と言ってから、そうか!という顔になった。
「結婚すればいいのか! 仕事忙しくても、いつもいっしょにいられるじゃないか」
「えっ」
今度はメアリが言って、目を大きく見開いた。
「メアリ、結婚しちゃおうか」
「ほんとに?」
「うん。結婚しよう」
ルークが言うと、メアリのほほに涙が伝った。

「卒業試験、合格!」
魔法の国の、魔法学校の先生の声がマノンの耳に届いた。


END

『魔法使いのマノン』を読んでくださってありがとうございました。
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