18禁乙女ゲームの悪役令嬢に転生したのにゲームのキャラ達がシナリオ通りにいかないんですがっ?!

ホシカ

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コイツはエロイーズじゃない!
中身はアリスだ。

コノヤロー、エロイーズと魂の交換の術を使いやがった。

「てめぇ、エロイーズはどこだっ!!」
「あらぁ、目の前にいるじゃない、ダーリン。目が腐った?」
「お前は、魂が腐りきってるよな! さっさと、エロイーズと魂の交換をしろっ」
「嫌よ。あんたさぁ、私の魂の炎、消したろ?」

!!?
な、なぜ知ってる?!

「何で知ってる?って顔だね。あたしは、異世界から来たんだよ? 何でも知ってる」
エロイーズの姿をしたアリスが勝ち誇るような顔をする。
同じエロイーズの体なのに、振る舞い一つで別人のようだ。

以前のエロイーズがこんな感じだった。
だから、俺は婚約破棄をした。
中身がアリスなら、また婚約破棄するだろう。

「そうそう。婚約破棄なんて考えないことね。お腹の中にあんたの子どもがいるからね」

!?!?

な、なんだって?
俺の子どもが?

「心当たりあるでしょ? 父親になるんだから、エロイーズの体、傷つけちゃダメだよ?」
アリスがニタリと笑う。

「今すぐ、エロイーズと入れ替われ!」

魂の交換は術をかけた本人しか戻れない厄介な呪文だ。

エロイーズの体が死んだ場合、エロイーズの魂は戻れなくなる。
だが、アリスの魂はアリスの体に戻れる。

エロイーズの魂は追い出され、消滅してしまう。

だから、俺はエロイーズの体を傷つけられない。

子どもを妊娠しているとなると、なおさらのことだ。

「はぁああ? あんたさ、今、この状況わかってる?」
アリスは窓を開けると、身を乗り出した。
俺の部屋は三階にある。
落ちたらただじゃすまない。

「おいっ! やめろっ!! ふざけんなっ!」
俺はエロイーズの体をしがみつく。

「あー、面白い」
アリスはお腹を抱え笑い出した。

一時でも、こんな女に惹かれた自分を殴りたい。

エロイーズを抱きしめる。
違う。
コイツはアリスだ。

「ねぇ、アルファード様ぁ、キスしたいですぅ」

エロイーズの上目遣いに思わずキスしたくなる。
けど、エロイーズほど惹かれない。
体は同じなのに、別人を抱いているようだ。


「つまんない。アリスのときはキスしてくれたのにねぇ」

今では黒歴史になりつつある。
アリスになぜ惹かれたのかさえ、わからない。

「頼むから、エロイーズと入れ替わってくれ」

「じゃあさ、まずは私の体の呪いを解いて」

「わかった」

「それから、エロイーズと婚約破棄して」
「……」

「しないなら、エロイーズの体がどうなってもいいの?」

「…わかった。婚約破棄する」 



エロイーズ、ごめん。
でも、君と子どもさえ無事ならいい。

俺は、書斎の引き出しから婚約破棄の処分書を破棄した。 


「呪いを解くから、エロイーズの部屋に戻れ。おかしなことしたらアリスの体を殺すからなっ!」

「オー、怖いパパでちゅねぇ」

アリスはエロイーズのお腹を撫でる。

お前が触るんじゃねぇ! 
 
「お腹空いたから、メイドに食べ物を用意させて」
「わかった」

クソッ。
アリスの行動一つ一つがムカつく。

さっさとやることをやって、エロイーズに逢おう。  


俺は再び門をくぐり、中に入り、アリスの魂のロウソクを呼び出す。 


!!!!!!?!

な、なんだ、これは?!

ロウソクの炎は通常、青だ。
魂の色が青だからだ。 
赤色は寿命がつきかけている。

しかし、アリスのロウソクには光輝く炎が灯されていた。
キラキラ光っていて、吸い込まれそうだった。

もしかして…。
俺はエロイーズのロウソクも呼び出す。

エロイーズのロウソクの炎も同じように光に包まれていた。

初めて見る光景に俺は戸惑った。
けれども、不思議と怖くない。 
むしろ、ずっと見ていたい。

エロイーズは魂が清らかで綺麗なんだろう。
たぶん、俺の闇の力さえ吹き飛ばせるくらいの聖の魔力が高いのだろう。

エロイーズがアリスでないのが不思議でなら…な…い。

俺は慌てて地獄から戻る。

大神官なら、とっくに気づいているはずだ。
アリスよりエロイーズの魂の方が綺麗で聖の力が強いことを。

大神官の役目の一つに、異世界からの聖女との子どもを産むことだ。
キーファは気にいった女がいたら、見境なくする奴だ。
しかも、飽きたら捨てるクズ野郎だ。

エロイーズが俺の婚約者なんて関係ない。
妙な胸騒ぎがする。

エロイーズ、頼むからキーファに惑わされないでくれ。
俺は、王宮の庭にある馬小屋に行き、一番速く走る馬を小屋から出すと神殿に向かった。
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