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第九話 見知らぬ客
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今日もメガネはやって来た。
俺はパンケーキとコーヒーを出してから、メガネの対面に座った。
パンケーキはメガネのリクエスト通り出来立てアツアツだ。
メガネはそれを幸せそうに頬張っている。その表情を見ていたら、なんだか俺まで幸せな気持ちになってきた。
ニコニコとメガネが食っている姿を眺めていたら、入り口のベルがカランカランと鳴った。
おー。メガネ以外の客が来るなんて珍しいなと思い、ビックリしながら立ち上がった。
「へい、らっしゃい」
そんな声を掛けながら、客の姿を確認する。
客は二人いた。赤い髪と青い髪の男だ。
二人とも、見ない顔だった。多分、カボス村の住民じゃない。よそから来た客だろう。こんな田舎の村になにをしに来たのだろう? と思っていたら、赤い髪の男がこちらを見ながら叫んだ。
「ネル様!!」
ネル様? あぁ、メガネの名前だっけ? 確かメガネは本名をネルトニアと言うのだ。と言うことは、この客はメガネの知り合いか。
俺はメガネの方へ顔を向けた。
メガネは驚愕に目を見開いている。
「イリス……。それに、アーリヤ……。二人とも、なぜここに……?」
赤髪の男が速足でこちらに歩いて来る。メガネの前でピタリと止まり、目を潤ませながら抱き付いた。
「ネル様のお父様にこの場所を聞いたのです。ネル様は昼になると、必ずここに行くとおっしゃっていたので」
「そ、そうか……」
「うわーん! ネル様~!」
「イリス……」
メガネは心底困ったような表情で抱きついてきた赤髪を見つめた。次に、入り口の前で立ち続けている青髪にも目を向ける。
「アーリヤ……」
アーリヤと呼ばれた青髪は、メガネに向かって深々と頭を下げた。
「ネル様……。お久しぶりです。ずっとお会いしたかった……」
「……」
メガネは苦しそうな表情で、ポツリとつぶやいた。
「……俺は会いたくなかったよ……」
「……申し訳ございません。でも、私は会いたかったのです」
メガネは青髪から顔を背け、ハァー……とため息をついたのだった。
※※※※
そのあと赤髪と青髪は、メガネの前に座った。コーヒーを注文してきたので、俺はキッチンに向かう。
コーヒーをトレーにのせて戻って来ると、店内は張り詰めたような空気になっていた。
原因はメガネだ。
いつも穏やかな空気をまとったメガネだが、今日はピリピリしているようだった。それに萎縮して、赤髪と青髪が身を固くしてうつむいている。
テーブルにコーヒーを置くと、俺は店の端っこに移動して三人を観察した。本当はキッチンに引っ込んでも良かったが、コイツらに興味があったのだ。
つまり、野次馬したかっただけだ。
それにしても……。なんだろう、コイツら……。
どういう関係なんだ? なんでメガネはこんなピリピリしてるんだろう? 喧嘩でもしてるのかな?
俺が興味津々で三人を眺めてたら、メガネがボソボソと口を開いた。
「なにしに来たんだ?」
メガネの言葉に、赤髪がパッと顔を上げた。
「もちろん! ネル様を連れ戻しに来たんですよ!」
青髪も続いて口を開いた。
「ネル様……。どうか王都に戻ってきて下さい。ネル様がいなければ、魔法研究所は機能しません」
魔法研究所?
確か王都にある魔法を研究する機関のことだよな? 魔法研究所は、国が運営する機関だ。そのため膨大な予算があると聞く。その予算を使って好き勝手に魔法の研究が出来るので、魔法を得意とするエルフにとって憧れの職場なのだ。まぁ、俺は全然憧れてないけどな。
その魔法研究所とメガネになんの関係があるんだ?
俺が心の中で『うーむ……』と唸っていたら、赤髪が再び口を開いた。
「天才のネル様がいなければ、僕たちはやっていけません!」
「て、天才!? メガネがぁ!?」
俺は赤髪の発言に思わず叫んでしまった。そのあと耐えきれなくなり、腹を抱えて大笑いした。
「メガネ~。お前天才なのかぁ? 嘘つけよぉ~。お前は夢破れてすごすご実家に戻ってきた哀れなメガネだろう?」
赤髪と青髪が鋭い視線で俺を睨んだ。
特に赤髪が怒っていて、ワナワナと震えながら叫んだ。
「なんて失礼なエルフなんだ!! このお方を誰だと心得る! このお方は、魔法研究所きっての天才、ネルトニア様ご本人だぞ!?」
へ!?
魔法研究所きっての天才? と言うことはもしかして、メガネは以前魔法研究所で働いていたのか?
俺は驚きのあまり、ポカーンと口を開けたのだった。
俺はパンケーキとコーヒーを出してから、メガネの対面に座った。
パンケーキはメガネのリクエスト通り出来立てアツアツだ。
メガネはそれを幸せそうに頬張っている。その表情を見ていたら、なんだか俺まで幸せな気持ちになってきた。
ニコニコとメガネが食っている姿を眺めていたら、入り口のベルがカランカランと鳴った。
おー。メガネ以外の客が来るなんて珍しいなと思い、ビックリしながら立ち上がった。
「へい、らっしゃい」
そんな声を掛けながら、客の姿を確認する。
客は二人いた。赤い髪と青い髪の男だ。
二人とも、見ない顔だった。多分、カボス村の住民じゃない。よそから来た客だろう。こんな田舎の村になにをしに来たのだろう? と思っていたら、赤い髪の男がこちらを見ながら叫んだ。
「ネル様!!」
ネル様? あぁ、メガネの名前だっけ? 確かメガネは本名をネルトニアと言うのだ。と言うことは、この客はメガネの知り合いか。
俺はメガネの方へ顔を向けた。
メガネは驚愕に目を見開いている。
「イリス……。それに、アーリヤ……。二人とも、なぜここに……?」
赤髪の男が速足でこちらに歩いて来る。メガネの前でピタリと止まり、目を潤ませながら抱き付いた。
「ネル様のお父様にこの場所を聞いたのです。ネル様は昼になると、必ずここに行くとおっしゃっていたので」
「そ、そうか……」
「うわーん! ネル様~!」
「イリス……」
メガネは心底困ったような表情で抱きついてきた赤髪を見つめた。次に、入り口の前で立ち続けている青髪にも目を向ける。
「アーリヤ……」
アーリヤと呼ばれた青髪は、メガネに向かって深々と頭を下げた。
「ネル様……。お久しぶりです。ずっとお会いしたかった……」
「……」
メガネは苦しそうな表情で、ポツリとつぶやいた。
「……俺は会いたくなかったよ……」
「……申し訳ございません。でも、私は会いたかったのです」
メガネは青髪から顔を背け、ハァー……とため息をついたのだった。
※※※※
そのあと赤髪と青髪は、メガネの前に座った。コーヒーを注文してきたので、俺はキッチンに向かう。
コーヒーをトレーにのせて戻って来ると、店内は張り詰めたような空気になっていた。
原因はメガネだ。
いつも穏やかな空気をまとったメガネだが、今日はピリピリしているようだった。それに萎縮して、赤髪と青髪が身を固くしてうつむいている。
テーブルにコーヒーを置くと、俺は店の端っこに移動して三人を観察した。本当はキッチンに引っ込んでも良かったが、コイツらに興味があったのだ。
つまり、野次馬したかっただけだ。
それにしても……。なんだろう、コイツら……。
どういう関係なんだ? なんでメガネはこんなピリピリしてるんだろう? 喧嘩でもしてるのかな?
俺が興味津々で三人を眺めてたら、メガネがボソボソと口を開いた。
「なにしに来たんだ?」
メガネの言葉に、赤髪がパッと顔を上げた。
「もちろん! ネル様を連れ戻しに来たんですよ!」
青髪も続いて口を開いた。
「ネル様……。どうか王都に戻ってきて下さい。ネル様がいなければ、魔法研究所は機能しません」
魔法研究所?
確か王都にある魔法を研究する機関のことだよな? 魔法研究所は、国が運営する機関だ。そのため膨大な予算があると聞く。その予算を使って好き勝手に魔法の研究が出来るので、魔法を得意とするエルフにとって憧れの職場なのだ。まぁ、俺は全然憧れてないけどな。
その魔法研究所とメガネになんの関係があるんだ?
俺が心の中で『うーむ……』と唸っていたら、赤髪が再び口を開いた。
「天才のネル様がいなければ、僕たちはやっていけません!」
「て、天才!? メガネがぁ!?」
俺は赤髪の発言に思わず叫んでしまった。そのあと耐えきれなくなり、腹を抱えて大笑いした。
「メガネ~。お前天才なのかぁ? 嘘つけよぉ~。お前は夢破れてすごすご実家に戻ってきた哀れなメガネだろう?」
赤髪と青髪が鋭い視線で俺を睨んだ。
特に赤髪が怒っていて、ワナワナと震えながら叫んだ。
「なんて失礼なエルフなんだ!! このお方を誰だと心得る! このお方は、魔法研究所きっての天才、ネルトニア様ご本人だぞ!?」
へ!?
魔法研究所きっての天才? と言うことはもしかして、メガネは以前魔法研究所で働いていたのか?
俺は驚きのあまり、ポカーンと口を開けたのだった。
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