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第42話:彼らの本性
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「アヴィ! おまえともあろう者が何故川までの侵攻を許した?! 連中がこの都に入れば——」
「分かってるよクロイゼン! 王都が壊滅する、それは最悪のシナリオだ。おまえや国王、王妃には、場合によってはどこかに避難してもらわないといけないかもしれない。だが、覚悟もして欲しい」
わけの分からぬまま会話を聞いていたセイジュは、『覚悟』と聞いた瞬間のクロイゼンの表情を見て凍り付いた。物凄い剣幕で眉間にしわをよせ、悪魔のどす黒いオーラを目に見えるほど発し始めたからだ。
「俺もこんなことは言いたくない。だが、セイジュくんを一時的に連中に譲渡する、その間に——」
「ふざけるな!!」
クロイゼンは立ち上がり、アヴィを殴り倒していた。
セイジュは呆然とし、同時に自分を『一時的に譲渡する』という言葉に首を傾げていた。
「セイジュは俺のものだ! 俺の伴侶だ! あんな猫を被ってセイジュを騙し続けた連中に手渡すなんて外道の所業だ!!」
「ちょ、ちょっと」
セイジュがようやく声を発せた。
「まったく意味が分からないんだけど、村人って、俺の村の仲間たち? さっきから二人とも何言ってるの? 王都が壊滅とか、侵攻とか。みんな平和主義者のいい人たちだよ? それに多分、戦闘能力も低い」
きょとん顔でそう言うセイジュに対し、クロイゼンは無言で顔を背け、アヴィは苦しそうにギッと奥歯を噛んだ。
「分かってるよクロイゼン! 王都が壊滅する、それは最悪のシナリオだ。おまえや国王、王妃には、場合によってはどこかに避難してもらわないといけないかもしれない。だが、覚悟もして欲しい」
わけの分からぬまま会話を聞いていたセイジュは、『覚悟』と聞いた瞬間のクロイゼンの表情を見て凍り付いた。物凄い剣幕で眉間にしわをよせ、悪魔のどす黒いオーラを目に見えるほど発し始めたからだ。
「俺もこんなことは言いたくない。だが、セイジュくんを一時的に連中に譲渡する、その間に——」
「ふざけるな!!」
クロイゼンは立ち上がり、アヴィを殴り倒していた。
セイジュは呆然とし、同時に自分を『一時的に譲渡する』という言葉に首を傾げていた。
「セイジュは俺のものだ! 俺の伴侶だ! あんな猫を被ってセイジュを騙し続けた連中に手渡すなんて外道の所業だ!!」
「ちょ、ちょっと」
セイジュがようやく声を発せた。
「まったく意味が分からないんだけど、村人って、俺の村の仲間たち? さっきから二人とも何言ってるの? 王都が壊滅とか、侵攻とか。みんな平和主義者のいい人たちだよ? それに多分、戦闘能力も低い」
きょとん顔でそう言うセイジュに対し、クロイゼンは無言で顔を背け、アヴィは苦しそうにギッと奥歯を噛んだ。
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