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第43話:現実
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「クロイゼン様!」
次に駆け込んできたのは他でもない、近衛兵のシクロフスキだった。
「ラリーハリー川が突破されました。予想を遙かに上回る戦闘集団です。王都に侵入する前に、何らかの方法で殲滅しなければ、この都に住む一般の国民の多くが命を落とすでしょう。ですから——」
「ちょっと! ちょっと待ってよみんな!!」
セイジュがたえられなくなり叫んだ。
「説明して!! 俺の村の人たちが何なの?!」
この問いに対し、応えたのはシクロフスキであった。
「あの連中は無害な農民のふりをしていますが、ひとりひとりが街ひとつ破壊できるレベルの戦闘能力を有しています。そして、その全員が、セイジュ様、あなたを村に戻せとテロを起こし、森からラリーハリー川まで数多くの軍人を殺害し侵略してきているのです」
「は」
セイジュの口から、ただその一音が発された。
「嘘でしょ?」
「嘘じゃねーよ、セイジュ」
突如地鳴りのような低い声がしたので、全員が愕然として振り返った。
「悪ぃな、セイジュ。実は俺ら、結構強ぇんだわ」
そう言って金棒を振り上げたのは、赤鬼のタゴンだった。
次に駆け込んできたのは他でもない、近衛兵のシクロフスキだった。
「ラリーハリー川が突破されました。予想を遙かに上回る戦闘集団です。王都に侵入する前に、何らかの方法で殲滅しなければ、この都に住む一般の国民の多くが命を落とすでしょう。ですから——」
「ちょっと! ちょっと待ってよみんな!!」
セイジュがたえられなくなり叫んだ。
「説明して!! 俺の村の人たちが何なの?!」
この問いに対し、応えたのはシクロフスキであった。
「あの連中は無害な農民のふりをしていますが、ひとりひとりが街ひとつ破壊できるレベルの戦闘能力を有しています。そして、その全員が、セイジュ様、あなたを村に戻せとテロを起こし、森からラリーハリー川まで数多くの軍人を殺害し侵略してきているのです」
「は」
セイジュの口から、ただその一音が発された。
「嘘でしょ?」
「嘘じゃねーよ、セイジュ」
突如地鳴りのような低い声がしたので、全員が愕然として振り返った。
「悪ぃな、セイジュ。実は俺ら、結構強ぇんだわ」
そう言って金棒を振り上げたのは、赤鬼のタゴンだった。
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