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夕立 ***

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 日曜日の昼過ぎ。
 天気も良いし、ポカポカとしていたので、クロと一緒に桜の木の下に有るベンチで、昼寝をしていた。
 クロはベンチの端に座り、聖はクロに膝枕してもらい、身体を丸めてベンチに横たわっていた。
 桜の木は、葉っぱを青々と繁らせ、程よい日陰を作ってくれる。
 時折吹く風が優しく、髪を揺らす。
 ポカポカと暖かい陽気と、触れるクロの暖かさに気持ち良くなって、ぐっすりと寝入ってしまった。
 クロも最近疲れているのか、一緒に昼寝をすることが多くなった。
 それはそれで、嬉しいのどけれど…。


 急に冷たい風が吹き、目を覚ました。
 身体を起こすと、いつの間にか空は、分厚い暗い雲に覆われていた。
 もしかして、夕立が来るのか?
 クロはまだ、ベンチに背中を預け、眠っている。
「クロ。起きて!」
 聖はクロの身体を揺さぶって、起こそうとするが、起きてくれない。
「ねえ、クロってば!」
「んんっ…」
 やっと起きてくれそうだ。
「…聖…?」
 クロがぼんやりと目を覚ました時、パラパラと雨が振りだした。
「…夕立か!?」
 聖は慌てて下駄を履き、ベンチから立ち上がり家軒下に向かって走り出した。
 クロも慌てて起き上がり、家の軒下に入ってくる。
 雨は土砂降りになり、ほんの少しの距離だけど、ずぶ濡れになってしまい、二人で顔を見合せ笑い出した。
「このまま、家の中に入れないね」
「裏口から入ろう。風呂場が近いしタオルもあるから」
 二人は軒下を歩き、裏口の扉を開けて、急ぎ足で風呂場に向かった。
 廊下には点々と、水溜まりが出来てしまい、後で拭かないと…。
 
 ずぶ濡れになってしまったから、脱衣場ではなく風呂場で、ポタポタと滴をこぼす寝巻き浴衣を脱ごうと、帯に手を掛けると、一緒に風呂場にいたクロがその手を掴んできた。
「濡れた聖も、色っぽい…」
 そう言われて、目の前にいるクロを見上げると、濡れた髪から滴が溢れ落ち、クロの身体に沿って、最近ここで着るようになった寝巻き浴衣が張り付いて、クロの筋肉が浮き出るように見え、ドキリとする。
「…クロも…」
 そう言い掛けて、ハッとする。
 と言うことは、自分も濡れて、同じように身体に纏わりついていると言うこと…。
 ちょっと、今、凄い状況になっている!?
 聖はカアッと赤くなって下を向くと、目の前にいるクロの股間部分が、盛り上がって見えた。
「あっ…」
 聖はクロに身体を抱き寄せられ、首筋にクロの熱い唇を感じた。
 肩から濡れた寝巻き浴衣が引き下ろされ、腰を引き寄せられ、クロの固いものが濡れた布越しに、ごりごりと押し付けられる。
「ああっ…クロ…」 
 そこだけが熱い…。
 濡れてまとわりつく寝巻き浴衣が邪魔で、冷えたからだに、クロの暖かさを直接感じたかった。
「んっ…」
 触れる唇からクロの熱が伝わってくる。
 聖は、すがり付くようにクロにしがみついた。
「…暖めて…」
 聖がそう言うと、クロは聖の身体を風呂場のタイルに寝かせ、胸元に口付けてきてた。
「はぁ…ああっ…」
 膝が開かれ裾がはだけ、そこへ、クロ浴衣から飛び出した熱い塊が押し付けられた。
「あああぁ…!」
 半分ち上がった聖のモノに擦り付けられる。
 ヒタリとくっつく感触に、背筋がブルッと震える。
「んんっ…クロ…」
 …もっと…熱くして…。
 聖はクロに腰を押し付けた。
 もっと奥にクロが欲しい…。
 クロは察したのか、両足を抱え上げ、後孔に指を入れてきた。
「…冷たい…」
 濡れた手が冷たくて、そう言うと、クロは指を抜き、頭を近付けた。
「…えっ…」
 戸惑う聖をよそに、後孔に舌を差し込んで来た。
「はあああぁ…!!」
 指とは違う柔らかさで、中を掻き回す。
「ああっ…あっあっ…んっ…はぁ…」
 ジンジンとしてきて、前からトロトロと蜜が溢れ出す。
 聖の身体がピクピクと震え、火照りだし、濡れて冷たかった身体が熱くなる。
「あああっ…もう…んんっ…良い…から…」
 聖がそう言うと、クロの顔が離れ、ソコに熱いモノが触れた。
「んっ…あああああっ!!」
 ズブリと挿入されたクロの熱いモノが、中から暖めてくれる。
「ああっ…あっあっ…んっ…ああぁ…んんっ…」
 中を擦られさらに熱が上がる。
「んんっ…クロ…クロ…」
 聖はクロにしがみつき、腰を揺らす。
 熱いの…奥に欲しい…。
「はぁ…んんっ…ああっ…」
 クロの動きが速くなり、もっと奥へと入っていこうとする。
「んんっ…ああああ!!」
「くっ!!」
 クロが中に放つと同時に聖も放っていた。
 白濁が聖の浴衣を濡らす。
「んんっ…はぁ…はぁ…」
 濡れた身体は暖まったが、繋がった身体の奥がまだジンジンとして、クロを締め付けた。
 クロが口付けてきて、浴衣の帯をほどき出す。
「…今度は、脱いでしよう…」
 そうだ、濡れた寝巻き浴衣を着たまま…。
 聖は恥ずかしくなって、耳を赤くすると、クロが口付けてくる。
「今の聖を見てると、抑えが効かなくなりそうだ…」
 そう言って、クロは自分の浴衣の帯をほどき、肩から脱ぎ落とした。
「聖…」


 もう一度繋がりあって、シャワーを浴び、脱衣場に有る新しい寝巻き浴衣に着替え、部屋に戻ると、雨は上がり、うっすらと虹が出ていた。
「綺麗だ…」
 そう呟く聖の横にクロがいて、微笑んでいる。
 …クロが側にいて…幸せだな…。
 聖は、そんな風に感じるようになっていた。
 庭を見れば、ベンチの側に出来た大きな水溜まりに虹が写り混み、しばらくして消えていった。

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