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海
夕焼け
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浜茶屋は、数日中に片付ける予定なのだそうだ。
黒龍は聖に焼きイカ、焼きそば、焼きおにぎりなど、小納谷では食べれないだろう、物を選んで、注文した。
聖は作り付けの小屋が珍しく、「これどうなってるの?」と、呉座を捲り上げたり、下を覗き込んだりしていた。
「すみません…」
黒龍は浜茶屋の料理を作ってくれている奥さんに謝った。
奥さんは苦笑いして、料理を作ってくれた。
聖は焼きイカを目の前に、どうして食べれば良いのか躊躇していたので、黒龍は串を持って、かぶりついた。
聖もそれを見て、かぶり付き、食べ始めた。
「こう言うのも、なんか良いね…」
聖は面白そうに焼きイカと格闘しながら食べている。
そうだろうな…。
小納谷では、焼きイカは一口にカットされ、箸で摘まんで食べる。
…今度、水族館へ連れていくか…。
魚が泳いでいるのを…、今食べているイカがどんな風に泳いでいるのかを見せるのも…。
二人で楽しく食べていると、浜茶屋の奥さんがサービスだと、イチゴのかき氷を持ってきてくれた。
聖は「ありがとう」と、ニコニコしながら受け取って食べ始めた。
「キーンてする」
聖は楽しそうに笑う。
さすがにかき氷は小納谷でも出てくるから、…アイスクリーム付だが、黒龍は頼まなかった。
でも、楽しそうに笑う聖を見れるのならば、興味を持ったもの全てを与えたくなってしまう。
程ほどに、と、紅緒さんにも念を押されているのに…。
車に戻り、トランクの水のタンクから、水をバケツに入れ、後部座席の戸を開けた足をかける台の上に座った聖の足に水をかけ、砂を洗い落とす。
そしてタオルで拭いて、車の中に入った。
黒龍もゾウリを脱ぎ、足に水をかけて、砂を洗い落とすと、タオルで拭いて靴を履いた。
濡れたゾウリを車のタイヤに立て掛け、バケツをトランクに片付けた。
そろそろ日が傾き始め、目的のモノを聖に見せて上げれそうだった。
「聖、おいで」
黒龍が車の中にいる聖に声をかけると、靴を履いて車から出てきた。
「見せたいモノがあるんだ」
黒龍はそう言って、聖の手を引き、さっきまでいた防波堤に向かう。
辺りはだんだんと赤く染まり始めた。
「わぁ…っ」
聖は水平線に沈みかけた太陽を見て声をあげた。
ほんの少し雲が有るが、太陽が沈むところを見れそうだ。
辺りは赤く染まり、少し雲に隠れると、丸い太陽の形が光って見える。
ゆっくりと太陽は水平線に沈んでいき、背後から夜が始まろうとしている。
そして最後に一瞬光ったかと思うと、辺りは暗く夜を迎える。
な残りの赤い光が、まだ、空を染めているが、どんどんと暗く、夜空が姿を表し始めた。
完全に太陽が沈み、夜空に変わると、黒龍は聖に声をかけた。
「聖、車に戻ろう」
「…海に沈む太陽…あんなに輝いて…赤く、染まるんだね…」
聖はまだ、余韻に浸っている。
「綺麗だったろ」
「うん。連れてきてくれて、ありがとう」
聖は嬉しそうに微笑んでいた。
太陽が沈み、夜の星空がキラキラと輝き始めた。
聖と手をつないで車に戻ると、車の中のカーテンを閉めた。
今日は、車中泊だからだ。
小さい駐車場なので、他に車も無く、離れたところに有る外灯が、ほのかに明かりを灯してくれる。
外灯の真下だと、虫がたくさん来るから、やめた方が良い、と、徹に言われていた。
予備として、電池のランタンも持ってきてはいるが、明かりが届くので、そこまで必要はないみたいだ。
「お腹空いてないか?」
「大丈夫。たくさん食べたから」
聖はそう言って、後部座席のクッションに寄りかかる。
「大輔がくれた弁当は、明日の朝御飯だな」
黒龍はクーラーボックスから、冷えたお茶を取り出すと、聖に渡した。
まだ、少し残暑が残っていて、少し暑いから、喉も乾く。
残りは運転席の後の、ポケットに入れて、いつでも飲めるように準備して、後部座席のドアを閉めた。
完全に窓を閉めてしまうと暑いので、少しづつ窓の隙間を開け、風通しを良くすると、静かな海の波の音が響く。
「こんな風に外で泊まるの始めてだから、ドキドキする」
「そうだな…」
誰も来ないだろうが、狭い車の中で、密着するように並んで座る。
「明日は、大輔が言っていた、露天風呂がある宿に泊まるぞ。小納谷に露天風呂は無いから、楽しみだな」
「そうだね。もしかして、海が見えるのかな…」
聖は海が気に入ったみたいだ。
「どうだろう。行ってみないと分からないな…」
黒龍がのんびりと答えると、聖が寄りかかってきた。
「んっ?…眠いのか?」
「…うん」
聖はテンションがいつもより高かったから、疲れたのだろう。
黒龍は聖を抱えるように身体を横たえた。
車内の横たわるスペースが広くなり、ギリギリ二人が横たわる事が出来たが、黒龍の足は少し曲げないと収まらない。
それでも最初に比べれば、ゆとりはある。
車の角に置いてあった毛布を引っ張り、二人で掛け合う。
聖が黒龍の胸に身体を埋めるように、潜り込んでくる。
その体勢、ヤバイんだけど…。
密着した身体から、熱が伝わってくる。
しかし、黒龍も長距離の運転で疲れたのか、その温もりに誘われるように身体がどっと重たくなってくる。
そして直ぐに眠りに付いていた。
黒龍は聖に焼きイカ、焼きそば、焼きおにぎりなど、小納谷では食べれないだろう、物を選んで、注文した。
聖は作り付けの小屋が珍しく、「これどうなってるの?」と、呉座を捲り上げたり、下を覗き込んだりしていた。
「すみません…」
黒龍は浜茶屋の料理を作ってくれている奥さんに謝った。
奥さんは苦笑いして、料理を作ってくれた。
聖は焼きイカを目の前に、どうして食べれば良いのか躊躇していたので、黒龍は串を持って、かぶりついた。
聖もそれを見て、かぶり付き、食べ始めた。
「こう言うのも、なんか良いね…」
聖は面白そうに焼きイカと格闘しながら食べている。
そうだろうな…。
小納谷では、焼きイカは一口にカットされ、箸で摘まんで食べる。
…今度、水族館へ連れていくか…。
魚が泳いでいるのを…、今食べているイカがどんな風に泳いでいるのかを見せるのも…。
二人で楽しく食べていると、浜茶屋の奥さんがサービスだと、イチゴのかき氷を持ってきてくれた。
聖は「ありがとう」と、ニコニコしながら受け取って食べ始めた。
「キーンてする」
聖は楽しそうに笑う。
さすがにかき氷は小納谷でも出てくるから、…アイスクリーム付だが、黒龍は頼まなかった。
でも、楽しそうに笑う聖を見れるのならば、興味を持ったもの全てを与えたくなってしまう。
程ほどに、と、紅緒さんにも念を押されているのに…。
車に戻り、トランクの水のタンクから、水をバケツに入れ、後部座席の戸を開けた足をかける台の上に座った聖の足に水をかけ、砂を洗い落とす。
そしてタオルで拭いて、車の中に入った。
黒龍もゾウリを脱ぎ、足に水をかけて、砂を洗い落とすと、タオルで拭いて靴を履いた。
濡れたゾウリを車のタイヤに立て掛け、バケツをトランクに片付けた。
そろそろ日が傾き始め、目的のモノを聖に見せて上げれそうだった。
「聖、おいで」
黒龍が車の中にいる聖に声をかけると、靴を履いて車から出てきた。
「見せたいモノがあるんだ」
黒龍はそう言って、聖の手を引き、さっきまでいた防波堤に向かう。
辺りはだんだんと赤く染まり始めた。
「わぁ…っ」
聖は水平線に沈みかけた太陽を見て声をあげた。
ほんの少し雲が有るが、太陽が沈むところを見れそうだ。
辺りは赤く染まり、少し雲に隠れると、丸い太陽の形が光って見える。
ゆっくりと太陽は水平線に沈んでいき、背後から夜が始まろうとしている。
そして最後に一瞬光ったかと思うと、辺りは暗く夜を迎える。
な残りの赤い光が、まだ、空を染めているが、どんどんと暗く、夜空が姿を表し始めた。
完全に太陽が沈み、夜空に変わると、黒龍は聖に声をかけた。
「聖、車に戻ろう」
「…海に沈む太陽…あんなに輝いて…赤く、染まるんだね…」
聖はまだ、余韻に浸っている。
「綺麗だったろ」
「うん。連れてきてくれて、ありがとう」
聖は嬉しそうに微笑んでいた。
太陽が沈み、夜の星空がキラキラと輝き始めた。
聖と手をつないで車に戻ると、車の中のカーテンを閉めた。
今日は、車中泊だからだ。
小さい駐車場なので、他に車も無く、離れたところに有る外灯が、ほのかに明かりを灯してくれる。
外灯の真下だと、虫がたくさん来るから、やめた方が良い、と、徹に言われていた。
予備として、電池のランタンも持ってきてはいるが、明かりが届くので、そこまで必要はないみたいだ。
「お腹空いてないか?」
「大丈夫。たくさん食べたから」
聖はそう言って、後部座席のクッションに寄りかかる。
「大輔がくれた弁当は、明日の朝御飯だな」
黒龍はクーラーボックスから、冷えたお茶を取り出すと、聖に渡した。
まだ、少し残暑が残っていて、少し暑いから、喉も乾く。
残りは運転席の後の、ポケットに入れて、いつでも飲めるように準備して、後部座席のドアを閉めた。
完全に窓を閉めてしまうと暑いので、少しづつ窓の隙間を開け、風通しを良くすると、静かな海の波の音が響く。
「こんな風に外で泊まるの始めてだから、ドキドキする」
「そうだな…」
誰も来ないだろうが、狭い車の中で、密着するように並んで座る。
「明日は、大輔が言っていた、露天風呂がある宿に泊まるぞ。小納谷に露天風呂は無いから、楽しみだな」
「そうだね。もしかして、海が見えるのかな…」
聖は海が気に入ったみたいだ。
「どうだろう。行ってみないと分からないな…」
黒龍がのんびりと答えると、聖が寄りかかってきた。
「んっ?…眠いのか?」
「…うん」
聖はテンションがいつもより高かったから、疲れたのだろう。
黒龍は聖を抱えるように身体を横たえた。
車内の横たわるスペースが広くなり、ギリギリ二人が横たわる事が出来たが、黒龍の足は少し曲げないと収まらない。
それでも最初に比べれば、ゆとりはある。
車の角に置いてあった毛布を引っ張り、二人で掛け合う。
聖が黒龍の胸に身体を埋めるように、潜り込んでくる。
その体勢、ヤバイんだけど…。
密着した身体から、熱が伝わってくる。
しかし、黒龍も長距離の運転で疲れたのか、その温もりに誘われるように身体がどっと重たくなってくる。
そして直ぐに眠りに付いていた。
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