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天水球

獣人のキリト 1 ***

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 滞在八日目。
 いつもの様に、ミーネのもとで身体を横たえていると、ザワリと木々が揺れた。
 そして、ミーネが姿を現す。
『外に…獣人がいる。リーンを…呼んでる』
 それを聞いたリーンは、そっと立ち上がる。
 誰かが、迎えに来た…?。
「…どこ?」
『森の湖の…向こう側…結界の外…』
「…ありがとう」
 リーンはミーネに言われた森の湖に向かう。
 そして、湖の縁を歩き、屋敷から一番離れた湖の端まで来ると、見知った獣人の姿を見つけた。
「キリト…」
 灰色がかった黒髪と、鋭い目を持つ狼の獣人はリーンの姿を見るとほっとして微笑んだ。
「動けるようだな」
「とりあえず…」
 リーンはミーネの結界の外に出た。
 ココにはミーネの結界の境目があり、認知されていないキリトは中に入る事が出来ない。
「…ヒイロさんに、様子を見てこいって…」
「…。」
「あれだけ派手に『天水球』作れるのは、リーンくらいだろ…。心配してた」
「…。」
「リーン」
 キリトはリーンを腕の中に閉じ込め、上を向かせる。
 抱き締められる腕が、暖かい…。
「…俺の魔力、受け取れ…」
 キリトはそう言って、リーンに口付けた。
「んんっっ…」
 キリトから魔力が流れ込んでくる。
 昔に比べて尖ったところが無くなってきたキリトの魔力は、直ぐにリーンに馴染んでいく…。
「んっ…っ」
 リーンはキリトの服にしがみついた。
 久しぶりの包容に…身体が…火照り出したのだ。
 唇がゆっくりと離され、潤んだ瞳でキリトを見上げると、キリトは微笑んだ。
「まだ欲しそうだな」
 …きっと、そうなんだろう。
 …魔力は流れてきても、身体が満たされていない…。
 キリトはリーンの身体を抱き抱え、少し歩き、切り立った岩場の陰に押し付けた。
「リーン…」
 キリトは再びリーンに口付けし、堪能しながらリーンの服を脱がし始めた。


「んっっ…ああぁ…」
 リーンの甘い声が森の中に響く。
 胡座あくらをかいたキリトに背後からつらぬかれ、身体をまさぐられているリーンは、火照ほてる身体を震えさせ、身悶みもだえた。
「…もう…お願い…んっ…だから…んっっ…イかせて…」
 キリトはリーンの首筋に吸い付く。
「つっっ…」
「久しぶりなんだから、もう少し味あわせろ…」
 そう言って、下から突き上げてくる。
「ああぁん…あっあっ…あっ…つっっ…もう…んっっ…」
 リーンの腰が勝手に揺れ、ち上がった前からは蜜がとろとろと流れ出ている。
 寸前で止められ過ぎて、おかしくなりそうだ。
「…キリト!…キリト!つっっ…!」
「くっ…!」
 リーンがイクのと同時に、キリトもリーンの中に放っていた。
 そして、二人を中心に光が放たれる。
 『魔力の交合』の終わりを告げる光…。
「はぁ…はぁ…はぁ……」
 とろんとしたリーンは背後のキリトに寄りかかり、荒い息を整えていた。
 キリトは愛しそうにリーンの髪に口付ける。
 不意にガサリと音がして振り返ると、ルークが茫然ぼうぜんとそこに立っていた。


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