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魔女の森~対価~ *リーンの過去編です~
森の監視
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リーンは初めて入る森に、不信を抱いていた。
結界が有った場所から森の中に入って直ぐ、誰かに見られているような気がして、しょうがなかった。
気配はない。
だけど、視線を感じる…。
リーンは奥へと進みながら、慎重に辺りを確認していった。
どれくらい歩いただろうか、山の斜面に綺麗に整備された、山葡萄の棚が作られていた。
棚は背丈ほどあって、小さな実が連なって並んでいる。
それが、幾つもあるのだから、この近くに住む住人が作っているのだろう。
そこから細い道が有り、少し進むと、山が下り坂になっていて、道なりに進んでいった。
道の両脇は木々で覆われていて、蛇行しながら下っている筈なのに、進んでいる気がしない。
「…。」
視線もまだ感じる。
リーンは思いきって『風霊』を呼び、『瞬脚移動』で一気に移動した。
時々、視線を感じなくなるが、すぐに追い付いて来る感じがして、やはり誰かに監視されているみたいだ。
結界が有った事といい、視線を感じる事といい、ここは、どこか違う種族の領域に入り込んでしまったのではないかと、思うようになってきた。
そんな事を思いながら、山を下っていくと、突然、茶髪の派手な黒いドレスを着た女性が姿を現した。
いや、出現したと言ったほうが良いのだろうか。
まるで、何処からか『移動』をしてきたみたいに…。
女性は目を見開き、頬を染め、嬉しそうに微笑んだ。
「ソフィア様。可愛い、綺麗な男ですよ。私がもらっても良いですか?」
『捕まえれたらね。その男『移動』が出来るわよ』
何処からともなく、森全体に響く声が返事する。
「ふふっ。最高じゃないですか!!」
女性がフッと消えて、リーンの目の前に『移動』してきて、慌てて後ずさる。
「反射神経が、良いわね」
にっこりと微笑まれたが、きつい香水の匂いが鼻について、顔をしかめ、無意識にリーンは『移動』で、その場を離れた。
「何なんだ。ここは…」
リーンは『風霊』を使い空中に浮いて『移動』した。
彼女も面白そうに、『風霊』を使い空中に浮いて追いかけてくる。
捕まったら、イヤな予感しかない。
『ミヤ。街に追い込みなさい』
「はい。ソフィア様」
そんなやり取りを、リーンに聞こえるように話している。
…街が有るのか?
そう思っていると、森の木が無くなり、急に赤い家の屋根が目に入った。
…こんな所に街がある…。
赤い屋根と緑の木々が点在し、所々に広場や噴水が有り、多くの人影が見える。
と、言うか今、『移動』させられた?!
それだけの、魔力の使い手…。
リーンが振り返ると、シンプルで細目の白い城とさっきの女性が目に入った。
こんな所にお城が…。
「今夜は満月。『魔女の宴』からは、逃げられなくてよ」
女性が微笑むと、次々と、同じように黒いドレスを着た女性が近づいて来た。
箒に乗ったり、『風霊』を使って浮いていたり、使い魔だろうか、名前の知らない生き物に乗った者がリーンの回りを囲み始めた。
…魔女だと?!
魔女の事は話でしか聞いたことがなく、『魔女の宴』の事も噂には聞いていた。
…どうやって逃げる!
『一戦交えて、捕まえれそうに無ければ止めて置きなさい。魔力は弱くても、優しい男が待っているわよ』
また、空間を響かすような声が聞こえてくる。
魔女達は魔法陣を作り出し、拘束魔法を繰り出してくる。
『鉄の鎖』『水の檻』『見えない鎖』『蔦のネット』
リーンはそれらの全てを避けて、凍らせて砕き、切り裂き、魔女達の拘束魔法から逃れた。
ここは『魔女の領域』。
いつもみたいに、『風霊』『水霊』が上手く扱えない。
長期戦になればこちらの部が悪い…。
何とか気を反らして…。
「『断罪の十字架』」
「くっ?!」
急に背後から鎖で引っ張られ、いつの間にか出現していた、十字架に張り付けにされた。
今度は、簡単にほどけない!
見れば、目の前に、金髪の黒いドレスを着た女性が、空中に浮いていた。
何者だ!
他の魔女とは違って『保有魔力』が桁違いに違う…。
それも、隠そうとはせず、圧倒的な魔力…。
「今の貴女達には敵わないわ。彼、『保有魔力』を魔法で押さえている」
先ほどから、響いていた声の主だ。
それも、リーンの『保有魔力』に気付いている。
「ソフィア様」
「下で、優しくしてくれる男を探しなさい」
諦めきれない仲間の魔女に、優しく囁やくと、魔女達が地上に降りていき、彼女はリーンに向かって微笑んだ。
「久しぶりに楽しめそうね」
そしてリーンを張り付けにした『断罪の十字架』ごと、彼女は一緒に『移動』した。
結界が有った場所から森の中に入って直ぐ、誰かに見られているような気がして、しょうがなかった。
気配はない。
だけど、視線を感じる…。
リーンは奥へと進みながら、慎重に辺りを確認していった。
どれくらい歩いただろうか、山の斜面に綺麗に整備された、山葡萄の棚が作られていた。
棚は背丈ほどあって、小さな実が連なって並んでいる。
それが、幾つもあるのだから、この近くに住む住人が作っているのだろう。
そこから細い道が有り、少し進むと、山が下り坂になっていて、道なりに進んでいった。
道の両脇は木々で覆われていて、蛇行しながら下っている筈なのに、進んでいる気がしない。
「…。」
視線もまだ感じる。
リーンは思いきって『風霊』を呼び、『瞬脚移動』で一気に移動した。
時々、視線を感じなくなるが、すぐに追い付いて来る感じがして、やはり誰かに監視されているみたいだ。
結界が有った事といい、視線を感じる事といい、ここは、どこか違う種族の領域に入り込んでしまったのではないかと、思うようになってきた。
そんな事を思いながら、山を下っていくと、突然、茶髪の派手な黒いドレスを着た女性が姿を現した。
いや、出現したと言ったほうが良いのだろうか。
まるで、何処からか『移動』をしてきたみたいに…。
女性は目を見開き、頬を染め、嬉しそうに微笑んだ。
「ソフィア様。可愛い、綺麗な男ですよ。私がもらっても良いですか?」
『捕まえれたらね。その男『移動』が出来るわよ』
何処からともなく、森全体に響く声が返事する。
「ふふっ。最高じゃないですか!!」
女性がフッと消えて、リーンの目の前に『移動』してきて、慌てて後ずさる。
「反射神経が、良いわね」
にっこりと微笑まれたが、きつい香水の匂いが鼻について、顔をしかめ、無意識にリーンは『移動』で、その場を離れた。
「何なんだ。ここは…」
リーンは『風霊』を使い空中に浮いて『移動』した。
彼女も面白そうに、『風霊』を使い空中に浮いて追いかけてくる。
捕まったら、イヤな予感しかない。
『ミヤ。街に追い込みなさい』
「はい。ソフィア様」
そんなやり取りを、リーンに聞こえるように話している。
…街が有るのか?
そう思っていると、森の木が無くなり、急に赤い家の屋根が目に入った。
…こんな所に街がある…。
赤い屋根と緑の木々が点在し、所々に広場や噴水が有り、多くの人影が見える。
と、言うか今、『移動』させられた?!
それだけの、魔力の使い手…。
リーンが振り返ると、シンプルで細目の白い城とさっきの女性が目に入った。
こんな所にお城が…。
「今夜は満月。『魔女の宴』からは、逃げられなくてよ」
女性が微笑むと、次々と、同じように黒いドレスを着た女性が近づいて来た。
箒に乗ったり、『風霊』を使って浮いていたり、使い魔だろうか、名前の知らない生き物に乗った者がリーンの回りを囲み始めた。
…魔女だと?!
魔女の事は話でしか聞いたことがなく、『魔女の宴』の事も噂には聞いていた。
…どうやって逃げる!
『一戦交えて、捕まえれそうに無ければ止めて置きなさい。魔力は弱くても、優しい男が待っているわよ』
また、空間を響かすような声が聞こえてくる。
魔女達は魔法陣を作り出し、拘束魔法を繰り出してくる。
『鉄の鎖』『水の檻』『見えない鎖』『蔦のネット』
リーンはそれらの全てを避けて、凍らせて砕き、切り裂き、魔女達の拘束魔法から逃れた。
ここは『魔女の領域』。
いつもみたいに、『風霊』『水霊』が上手く扱えない。
長期戦になればこちらの部が悪い…。
何とか気を反らして…。
「『断罪の十字架』」
「くっ?!」
急に背後から鎖で引っ張られ、いつの間にか出現していた、十字架に張り付けにされた。
今度は、簡単にほどけない!
見れば、目の前に、金髪の黒いドレスを着た女性が、空中に浮いていた。
何者だ!
他の魔女とは違って『保有魔力』が桁違いに違う…。
それも、隠そうとはせず、圧倒的な魔力…。
「今の貴女達には敵わないわ。彼、『保有魔力』を魔法で押さえている」
先ほどから、響いていた声の主だ。
それも、リーンの『保有魔力』に気付いている。
「ソフィア様」
「下で、優しくしてくれる男を探しなさい」
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