神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

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魔女の森~対価~ *リーンの過去編です~ 

解読~リーン~

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 移動された行き先は、広場のような大きな空間のある、建物の中だった。
 リーンを張り付けにした『断罪の十字架』が、部屋の中央に立ち、側に先ほどの金髪の女性がリーンの頬に触れる。
「『断罪の十字架』に張り付けにされても、意識を失わないなんて、高い『保有魔力』を持っているのね」
 彼女も、同じくらいの魔力を持っているから、鎖から逃れられない!
「離せ。ここには探し物をしに来ただけだ!」
 ユキあげた耳飾りを探しに来ただけだ。
 こんな所で、捕まっている分けにはいかない。
「ダメよ。満月の『魔女の森』に来て、この森から出すことは出来ないわ」
 もしかして、結界の狭間は、魔女の森を守るための、境界線…魔女の領域なのか。
「…。」
「それにしても、いろんな魔力を感じるわね…」
 彼女は張り付けにされたリーンの首筋に顔を近付ける。
 さっきの魔女みたいに、強い香水の匂いはしないが…。
「確認しておきましようか」
 彼女は一歩、離れて右手をリーンにかざす。
「『解読』!」
 リーンの回りに魔法陣が現れ、目を見張った。
 同時に、幾つもの魔法を、それも高度な魔法を使う者は、リーンでさえ、数える程しか知らない。
 かなりの上級者だ!
 しばらくすると、魔法陣から幾つもの光の文字が浮き出てきて、彼女はそれを興味深めに眺めている。
「自分で掛けてる魔法もあるけど、獣人族、竜人族にも魔法を掛けられているのね。…不思議ね…」
 彼らとは守護の魔法や『魔力の交合』をしているので、いろんな種族の魔法が混じっているのは知っている。
 内容まで、ハッキリとは知らないが…。 
「…。」
「あら、面白いモノもあるじゃないの…」
 彼女は独り言で、楽しそうに笑う。
 リーンにはそれが、どんなものかを見ることが出来ないため、何の話をしているのか分からない。
「…どこかで感じた魔力だと思ったら、ユキの耳飾りの魔力…」
 その言葉に、リーンはハッとして、叫んでいた。
「返せ!」
 まさか、彼女が持っているのか?
 だったらユキはやはり…。
「貴方が、リーン?想像してたのより可愛らしいから驚いたわ」
 リーンは彼女を睨み付ける。
 ユキにあげた耳飾り…どうしたら、返してもらえる…。
「…返して欲しい?」
 彼女はリーンの心を読んだかのように、そう、投げ掛けてくる。
「だったら、私のベッドに来なさい。ユキの事、教えてあげるわよ」
 彼女は不適に笑う。
 返して…欲しい、あれは大切なモノ…。
 …ユキの事も…聞きたい…。
 リーンは項垂うなだれて、うつ向くと、『断罪の十字架』の鎖が解かれ、その場に座り込んだ。
 うつ向くリーンのあごを彼女が持ち上げ、今にも泣きそうなリーンに口付けて微笑み、二人はその場から姿を消した。


 リーンは彼女のベッドの上で泣いていた。
 初めて、親しい人が亡くなったのだ。
 長い時間を生きるリーンにとって、死と言うものは、遠い存在だった。
 獣人も、水人も寿命が長く、まだあまり、交流の無い人族に関しては、それほど親しい人はまだいなかった。
 
 ユキはリーンと別れた後、まだ、森の奥には帰らず、近くをウロウロして暮らしていたらしく、子獣のシロが人族に見つかって捕まり、奪い返そうとして傷付き、魔女の森周辺に倒れていたのを保護したらい。
 魔力と心が不安定で、白獣になったり獣人になったりとして、片言で『ユキ』『シロ』『リーン』『どこ』と、少しづつ話して、子獣とリーンの事を教えてもらい、『会いたい』と、言いながら衰弱していき、息を引き取ったのだと。
 耳飾りだけが、ユキとは違う存在を放っていたので、手元に残したのだと。

 そんな話を聞かされ、呆然として涙を流していた。
 彼女は、リーンの額に口付ける。
「泣きたいだけ泣きなさい。私が慰めてあげるから。私達のように、長い時間を生きる者は、限りあるものに、心を奪われてはダメよ。一線を引きなさい。もしくは、心構えをしっかりと持ちなさい」
 彼女は服を脱ぎ、リーンを抱き締める。
「私の名はソフィア。魔女の森の魔女王よ。リーン、私を暖めて…」




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