神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

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滅び行く大地

小さな冒険 2 ~はじめての家~

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 壁に吸い込まれた、ジーンとユーリが目を開けると、知らない部屋にいた。
 ベッドとテーブル、椅子が置いてあるだけの、あまりに生活感が無い、シンプルな部屋。
 何処に来てしまったのだろう…。
 不意に、部屋の外から足音が聞こえてきた。
 ジーンとユーリは不安になり、震えながら互いに抱き締めあった。
 扉が開くと、女の人が部屋の中を覗き込んできた。
 キラキラと光る金色の髪の、頭の上に耳の生えた女の人…。
 …獣人だ。
 お屋敷にも獣人は何人もいる。
 僕達の世話をしてくれるキリトが狼の獣人で、その姿を見たことはあった。
 普段、人族の姿をしているのは、人族が獣人族に慣れていないから、怖がられないためだそうだ。
 …キリトは怖くない。
 …でも、知らない獣人だと、ドキドキしてしまう。
 女の人が、震えて互いに抱き合う僕達を見付けると、にっこりと微笑んで手招きしてきた。
「こっちに、いらっしゃい」
 ジーンとユーリは顔を見合わせた。 
「そろそろ、おやつの時間よ。一緒に食べない?」
 …そういえば、お腹が空いてきた。
 お腹が、グゥーと鳴る。
 ジーンとユーリは恐る恐る、抱き合う腕を緩め、女性の方を向く。
「…確か、ジーンとユーリだったかしら」
 二人はウンウンと、頭を縦に振る。
「ルークには言ってきたの?」
 二人は頭を横に振る。
 父様を知っている…。
「だったら、心配しているわね。おいで…」
 そう言って、女の人は部屋を出ていった。
 ジーンはユーリと顔を見合わせ、頷いて、手を取り合って、部屋を出た。
 恐る恐る部屋を出ると、暖かな甘い香りがしてきた。
「…いい匂い」
「…お腹空いた…」
 二人は廊下を歩き、扉の開いている部屋を覗きこんだ。
 そこは、広いリビングになっていて、ソファーとテーブル、下に暖かな色の絨毯が、敷かれていた。
 そして、ソファーの背もたれの所から、女の子が顔を覗かせた。
 女の人と同じ金色の髪の毛と耳…クリクリとした大きな目。
 ひょこんとソファーの背もたれに顔を隠す。
 ジーンとユーリは顔を見合せ、ソファーに近付いた。
 そこへ女の人が、再びやって来た。
「はい。ホットミルクよ。クッキーも食べてね」
 そう言って、テーブルにマグカップを四つ置いて、いろんな形のクッキーが入ったお皿を置いた。
 ジーンとユーリは、一人掛けのソファーに、二人でギュッと座ると、目の前にいる、同じくらいの子供に目が行った。
 金色の尻尾がユラユラと揺れて、耳をピクピクとさせている。
 …かわいい。
 …獣人の子供だ…。 
 二人は自分達の事を棚上げして、目の前の、始めてみる獣人の子供に、くぎ付けになっていた。
 女の人がその子供のいる、ふたり掛けのソファーに座り、マグカップを手に取った。
「ルークにはココに居るって、伝えておいたから、心配しないで」
 女の子が、テーブルのクッキーに手を伸ばし、食べ始めた。
「紹介が、まだ、だったわね。この子はルナ。私の子供よ」
 そう言って女の人は、ルナの髪を撫でる。
「私はチイ。リーンの家族よ」
 ジーンとユーリは目を丸くして、チイをじっとみる。
「…リーンの家族…」
「そうよ。リーンがルークと出会うまで、住んでた家よ」
 チイはそう言って微笑む。
「…さっきの部屋…リーンの部屋?」
 ジーンがそう言うと、
「そうよ。…お母さんではなく、リーンて呼んでるの?」
 チイが不思議そうに聞いてくる。
「うん。…だって…それで良いって…」
「ルークの事は?」
「お父様…」
「…。」
 チイはため息をついて、二人に言う。
「…リーンが、二人を産んでくれた事は分かっているよね」
「うん」
「分かってる」
「…それなら良いか…。冷めない内に、ホットミルクを飲んでね」
 チイにそう言われ、二人はマグカップに手を伸ばし、飲み始めた。
「…甘い」
「蜂蜜が入っているの。飲みやすいでしょう」
 チイはそう言って微笑んだ。
 
 
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