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神の宿り木~再生~
候補地
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リーンとカズキは魚人族の兄弟、ネオとナオに別れを告げて、リオナスに向かった。
二人には、フールシアに滞在させて『天水球』の作り方を教えてあげるように、紹介状を書いた。
検問も、その紹介状とリーンが作った『水球』が有れば、通してくれるだろう。
一緒に連れていっても良いのだが、リオナスに水場は少ないため、自分で水を確保できなければ、町中を歩いて回ることは困難だ。
その辺、何か考えないといけないな…。
リーンとカズキは、リオナスに向かいながら、馬車の中でそんな話ばかりをしていた。
水人族達が安心して休める宿。
町中の休憩所を考えなくてはいけない。
「…少し町から離れるけれど、上流の方の小さな滝がある場所が、湿度も高いから良いような気がするけれど…」
「場所的には。ただ、町から少し離れてしまうので、行き来が大変かと思います」
「そうなんだよな…」
「あとは、下流の方に小さな泉があったと思いますが、あの周辺はどうでしょう。町からも離れていませんし…」
「あそこは地盤が緩いから、建物が建てれるか調査してもらわないと…」
「そうでした。いくつかの候補地をあげて、調べてもらいましょう」
「…そうだね」
リオナスに帰ったら、魚人族の話をして、新たなエリア作りの話をして…。
…ルークの仕事を…増やしてしまった…。
お出掛けどころてはない…。
リーンは複雑な気持ちで一杯になってしまった。
リオナスに戻る途中で、リーンとカズキは寄り道をしていた。
候補地の下流の泉に寄り、リオナスまでの距離と土地がどれくらい確保できるかを調べるためにだ。
気になったら、行ってみる。
どうしても習慣になってしまっていて、目的地にたどり着くのが遅くなってしまう。
「…そう言うところが、ルーク様と似ていますよ」
カズキはそう言って笑う。
…性分なのだから仕方ない。
「土地的には問題ないですが、やはり地盤ですね…」
「…それと、水量が気になる。…雨が降ったとき、どこまで増えるのか…」
今は泉の水量が少ないが、周辺に水で抉れた場所が何ヵ所もある。
もしかして雨が降ると、かなりの水量が増えるのかもしれない。
そのため地盤が緩いのか…。
だったら少し離れた丘辺りの方が安全かもしれない。
「カズキ。もう少し上の丘辺りの地盤だったらどうだ?」
リーンが視線を向けるとカズキもそちらを見る。
「行ってみましょう」
二人は泉から離れ、リオナス寄りの丘に向かった。
「ここなら地盤は大丈夫ですよ。泉も近いし、水浴びしたくなったら歩いて行ける距離だし」
「ただ、平地の確保が無理だな…。段々になっている」
「でもそこを利用して、個別の建物にしたらどうですか?一ヶ所に二三部屋ぐらいで、渡り廊下で繋いだら…」
「そうだね。それなら確保出来そうだ。あとは、地質調査をしてもらって、どの辺りくらい位までなら建物を建てても支障がないか…だね」
「ええ。第一候補地として、地質調査隊を派遣してもらいます。…それより…そろそろ帰らないと、子供達が帰って来てしまいますよ」
カズキは苦笑いして、リーンを促す。
「ほんとだ!そろそろ戻ろう」
リーンとカズキは馬車を停めてあった街道脇に戻り、リオナスへ急いだ。
「もう、来てるかな…」
「時間的に、学校は終わっているし、来ていてもおかしくないですね。…でも、キリトが宿題をさせていると思いますよ」
カズキはそう言って笑う。
「リーンさんが眠っているときも、夕食までの間と寝るまでに、宿題をしていました。終わらないと、一緒に寝させてもらえないって、嘆いていましたから…」
…そうなんだ。
そんなジーンとユーリの姿も見てみたい気がした。
リーンは、少しづつ成長する子供達の成長過程を見ながら、時間の経過を感じていた。
時間って…こんなに早く流れているんだ…。
時間が止まったままのリーンには、子供達の成長が時間の経過を教えてくれる指針だった。
二人には、フールシアに滞在させて『天水球』の作り方を教えてあげるように、紹介状を書いた。
検問も、その紹介状とリーンが作った『水球』が有れば、通してくれるだろう。
一緒に連れていっても良いのだが、リオナスに水場は少ないため、自分で水を確保できなければ、町中を歩いて回ることは困難だ。
その辺、何か考えないといけないな…。
リーンとカズキは、リオナスに向かいながら、馬車の中でそんな話ばかりをしていた。
水人族達が安心して休める宿。
町中の休憩所を考えなくてはいけない。
「…少し町から離れるけれど、上流の方の小さな滝がある場所が、湿度も高いから良いような気がするけれど…」
「場所的には。ただ、町から少し離れてしまうので、行き来が大変かと思います」
「そうなんだよな…」
「あとは、下流の方に小さな泉があったと思いますが、あの周辺はどうでしょう。町からも離れていませんし…」
「あそこは地盤が緩いから、建物が建てれるか調査してもらわないと…」
「そうでした。いくつかの候補地をあげて、調べてもらいましょう」
「…そうだね」
リオナスに帰ったら、魚人族の話をして、新たなエリア作りの話をして…。
…ルークの仕事を…増やしてしまった…。
お出掛けどころてはない…。
リーンは複雑な気持ちで一杯になってしまった。
リオナスに戻る途中で、リーンとカズキは寄り道をしていた。
候補地の下流の泉に寄り、リオナスまでの距離と土地がどれくらい確保できるかを調べるためにだ。
気になったら、行ってみる。
どうしても習慣になってしまっていて、目的地にたどり着くのが遅くなってしまう。
「…そう言うところが、ルーク様と似ていますよ」
カズキはそう言って笑う。
…性分なのだから仕方ない。
「土地的には問題ないですが、やはり地盤ですね…」
「…それと、水量が気になる。…雨が降ったとき、どこまで増えるのか…」
今は泉の水量が少ないが、周辺に水で抉れた場所が何ヵ所もある。
もしかして雨が降ると、かなりの水量が増えるのかもしれない。
そのため地盤が緩いのか…。
だったら少し離れた丘辺りの方が安全かもしれない。
「カズキ。もう少し上の丘辺りの地盤だったらどうだ?」
リーンが視線を向けるとカズキもそちらを見る。
「行ってみましょう」
二人は泉から離れ、リオナス寄りの丘に向かった。
「ここなら地盤は大丈夫ですよ。泉も近いし、水浴びしたくなったら歩いて行ける距離だし」
「ただ、平地の確保が無理だな…。段々になっている」
「でもそこを利用して、個別の建物にしたらどうですか?一ヶ所に二三部屋ぐらいで、渡り廊下で繋いだら…」
「そうだね。それなら確保出来そうだ。あとは、地質調査をしてもらって、どの辺りくらい位までなら建物を建てても支障がないか…だね」
「ええ。第一候補地として、地質調査隊を派遣してもらいます。…それより…そろそろ帰らないと、子供達が帰って来てしまいますよ」
カズキは苦笑いして、リーンを促す。
「ほんとだ!そろそろ戻ろう」
リーンとカズキは馬車を停めてあった街道脇に戻り、リオナスへ急いだ。
「もう、来てるかな…」
「時間的に、学校は終わっているし、来ていてもおかしくないですね。…でも、キリトが宿題をさせていると思いますよ」
カズキはそう言って笑う。
「リーンさんが眠っているときも、夕食までの間と寝るまでに、宿題をしていました。終わらないと、一緒に寝させてもらえないって、嘆いていましたから…」
…そうなんだ。
そんなジーンとユーリの姿も見てみたい気がした。
リーンは、少しづつ成長する子供達の成長過程を見ながら、時間の経過を感じていた。
時間って…こんなに早く流れているんだ…。
時間が止まったままのリーンには、子供達の成長が時間の経過を教えてくれる指針だった。
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