神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

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アリミネ火山~追憶のキース~

町を巡って 1

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 熊族の町に行くと、また同じ様に炎の結晶石を作り、宴が始まった。
 敷物を強いた上にたくさんの料理と果物が並べられ、ジュンタはキラの側で、自慢の果物を食べさせていた。
 美味しそうに食べるキラを遠くから見ていた子供が、恐る恐るやってきて、ジュンタの後ろに隠れて、モコモコの耳をピクピク動かしながらキラをじっと見ていた。
 人族で言うと、五、六才くらいの子供だ。
「俺の子供の末っ子だ」
 ジュンタはそう言って、子供の頭を撫でる。
「アヤメ。お前もキラ様に食べさせてみるか?」
 子供は涙目になって、ジュンタを見上げる。
「大丈夫だよ。手のひらに果物を乗せて、近付けてごらん」
 キースはそう言って、手のひらに赤い果実を乗せキラに食べさせてあげる。
 アヤメは震えながら果物を持ち、キラの側に近づき、手のひらに果物を乗せて近付けた。
 キラはじっとアヤメを見て、手のひらの果物を舌でペロリと救い取り食べ始めた。
 アヤメはキラの様子を見ながら、その場に硬直したまま動かない。
「…触っても…大丈夫…?」
 キースは微笑んで言った。
「食べ終わったら、触っても大丈夫だよ」
 アヤメはキラが食べ終わるのをじっと待っていた。
 さっきまで震えていたアヤメは、目を輝かせている。
「もう大丈夫だよ。頭をそっと撫でて上げて」
 アヤメは意を決してキラに近づき、手を伸ばしてキラの頭を触れた。
「ゴツゴツしている…。でも柔らかい…」
 アヤメがゆっくりと頭を撫で始めると、キラは気持ち良さそうに目を細めた。


 翌日、狼族のもとに向かおうとすると、アヤメが一緒に行きたいと駄々をこね始めた。
 あの後、アヤメはキラに慣れて、一緒に食事をしながら寄り添っていた。
 困り果てたジュンタがイオとキースに聞いてくる。
「…アヤメがこんなに駄々を捏ねるのは初めてだ…。連れて行っても良いだろうか…」
 ダメではないが、大人ばかりの中にいても、退屈でしかないだろうが…。
 イオがアヤメと同じ視線になるようにしゃがんで、目を見て真剣な眼差しで言う。
「…大人しく、ジュンタか俺達の側にいるんだぞ」
「…はい」
 アヤメはジュンタの服にしがみつきながら、ちゃんと返事をした。
「…まあ、儀式の間は退屈だろうが、キラの側に子供がいた方がなごむだろうしな」
 キースはそう言って苦笑いした。
 昨日は、キラとアヤメがじゃれあっているのを見て、酒の肴にしていたのは確かだ。
「アヤメ。急いで着替えて来なさい。直ぐに出発するぞ」
「はい!」
 アヤメは慌てて部屋の中に戻り、よそ行きの服に着替えに行った。


 
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