神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

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アリミネ火山~追憶のキース~

帰り道

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 有翼族の元から狼族の町に戻ってきて、クロナとシロに今後の町同士の交流の話をして、熊族の町に戻り始めた。
 『移動』を使えば直ぐに熊族の町に着くのだが、キラにも少し歩かせようと言うことで歩くことになった。
 狼族の町から熊族の町までは歩いても一時間ほど…。
 両方の目の届く場所で、危険はないと判断したから、護衛と共に歩くことに決めたのだった。
 少し大きくなって、自分の体重を支えるくらい足を丈夫にさせておきたいと思ったのも正直あるし、重くなってきたのもある。
 キラはアヤメと手を繋いで、ゆっくりと歩く。
 アヤメは上機嫌で、歌を歌いながら歩き、キラも時々キュイーと返事している。
 和むし、可愛いな…。
 そんなことを思いながら、キースはイオとジュンタと、今後のキラの話をしながら歩いていた。
 キースはしばらくキラと過ごした後、元の森に帰ること。
 アリミネ火山で数日過ごした山小屋を、キラの家として改装して、山での生活もしてもらうこと。
 人に慣れすぎて、本来の炎の竜の役目を忘れてもらってはいけないからだ。
「…いつか魔力が安定したら、人変化することが出来るかもしれないし…言葉も話せるようになるかもしれない」
 キースはこの先に起こりうるキラの未来の話をしていた。
 その時、側に私はいないだろうけれど…。
 そんな話を三人でしていると、急に『風霊』がキースの側に現れて『危ない!』『危ない!』と、言い出した。
「?!『風霊』が危険だと言っている!キラおいで!」
「アヤメ!来い!」
 アヤメとキラはそれぞれの保護者の腕の中に収まると、街道の外れの方から矢が飛んで来た。
 森の中で炎は厳禁だ。
 イオは剣を抜き、襲ってくる矢を落としはじめ、護衛のもの達も風を起こして起動を変え、矢を放つ者達を捕らえようと近づいて行った。
 キースもキラを腕の中に抱いたまま、風を操り矢の軌道を変える。
「一体何人いるんだ!」
 止まらない矢の雨。
 軌道を変えれなかった矢がキースの腕や足に刺さる。
「つっ…!」
 アヤメは震えてジュンタに抱きついて、今にも泣き出しそうだ。
 ジュンタが地面に触れて『土の壁』と、言うと、街道の土が盛り上がって来て壁を作り、壁に次々と矢が刺さる。
 『土の壁』を盾に避難した、キラを連れたキースと、アヤメを抱えたジュンタはため息を付いた。
「魔法なら感知出来るのに、まさか古典的な矢で襲ってくるとは…」
「それを見越してかもしれないぞ」
 キラは怯えるアヤメを見ていて、キラの体温が上がった気がした。
「どうする。矢が止まれば、イオと護衛が犯人を取り押さえに行くと思うが…」
「囮のような気もしないか?これだけの矢を森の中で放つなんて…逃げ場は無いんだぞ」
「そのようだな!」
 ジュンタが背後からの殺気に再び『土の壁』を作り出す。
 視界に捕らえたのは、どこの種族か分からないが獣人で、剣を持って襲ってきたのは三人いた。
 土壁に振り下ろされた剣が刺さる。
「何が目的だ!」
 ジュンタが大声でそう言うと、相手も叫んだ。
「炎の竜のせいで村が半分になった!」
 …何を言っているんだ?
「そいつが産まれたせいで、村の半分が大地に飲み込まれた!そいつを渡せ!」
 完全に逆恨みだ!
「おいおい。炎の竜が産まれたのは、火山が噴火したからだぞ!炎の竜のせいじゃない!」
 順序を間違えている。
 火山が噴火したから、そのエネルギーが炎の竜を生み出し、炎を押さえるための守護竜となって、アリミネ火山周辺を守ってくれる者になるのだ。
 それは代々アリミネ火山周辺に住む住民に、伝えられて来たことだとチハヤから聞いた。
「…よそ者か?」
 ジュンタがそう言うと。
「我らは二十年以上ココに住んでいる!よそ者ではない!」
 …二十年なら、後から住み着いたもの達だ。
「…火山地帯がどんな場所か分からずに住み着いたんだな…」
 ジュンタはため息と共に、ぼそりと呟いた。
 ジュンタは剣を持つ三人を睨み付け、
「炎の竜が、熱風を食べてくれ、火山を押さえてくれているんだぞ!分かっているのか!」
 だから、いつもの普通の生活に戻れるんだ。
「俺達には、村を飲み込んだ者でしかない…」
 …ダメだ。
 何を言っても聞いてくれなさそうだ。
「あまり手荒なことはしたくないが…」
 ジュンタが震えるアヤメをキースにそっと渡してきて、『土の壁』の外に出て右手を森に向けると、森の中からこん棒みたいな太い木が飛んできて、ジュンタの手の中に収まった。
 魔法で探り当てて拾って来たのだろう…。
 そしてそれを一振し、ブウーンと凄い音がして、戦士の顔をしたジュンタがニタリと笑った。


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