神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

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神の宿り木~再生 3~

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 翌日。
 リーンはテーブルの上に置いたままの炎の魔法石が安定したことを確認して『物質保管庫』に収納した。
 後は『水の魔法石』と『風の魔法石』宿り木の『苗木』…。
 カザンナ王国を出て、だいぶん時間が経ってしまった。
 侵食は何処まで進んでしまったのか心配でもある。
 ルークがリオナスに戻るのならば、一緒に戻ってグオルクに行き、状況を確認したい。
 そんな事を思っていた。
 
 朝食を食べ終わる頃、ワイトデ自治区から迎えのテオが来て、部屋の後かだつけを終えると、外にある『移動』の魔法陣に向かって歩きだした。
 キラは竜体になってワイトデ自治区に向かうそうだ。
 キラの発着所が、領主の屋敷の近くにあるらしく、そこまで行ってから人の姿になり、服を着て屋敷に向かうらしい。
 それまでキリトの後をついて回っていた。
 賑やかな話し声を聴きながら、最後に小屋を出ようとしたリーンは、側で魔力の動きを感じだ。
 この感じ…『魔女の抜け道』
 リーンが振り向くと、そこには『魔女の抜け道』から顔を覗かせている、魔女の森のソフィアがいた。
「ずいぶん遠くにいるのね」
 彼女の『魔女の抜け道』は何処にでも出現することが出来る。
 それだけ魔力が強いと言うこと…。
「…今から帰るよ」
 リーンがそう言うと、ソフィアは真剣な眼差しで言った。
「…次の満月に…」
「…。」
 彼女がそう言うと、『魔女の抜け道』は跡形もなく消え去った。
 …次の満月…。
 何日後だ…?
「どうしたリーン。そろそろワイトデ自治区に戻るぞ!」
 外からルークの声が聞こえ、リーンはハッとした。
 今は一旦、戻らなくては…。
 リーンは小屋を出て、ルーク達の元に向かった。

 リーンとルーク、カズキとキリトは、迎えに来たテオの『移動』で、ワイトデ自治区の領主の屋敷に戻った。
 カズキの馬車は、領主のもとに置いてあるので、カズキは馬の様子を見に行き、ルークは領主に別れの挨拶をしに行っていた。
 キラはまだ、こちらに来てはいない。
 リーンはキリトと二人で部屋で待っている間に、今後の事をキリトに話した。
「リオナスに繋げるみたいだから、私もルークと一緒に戻るよ。それでグオルクのヒイロの所に行く」
「急ぎですか…」
 キリトは不安そうに言ってくる。
「確認したいから…」
 リーンはそう言って苦笑いする。
「カズキと一緒にお土産を持って帰ってきて」
「…分かりました。カザナのお屋敷に、お土産は置いておきます」
 あえてキリトは、カザンナ王国のカザナのルークのお屋敷を強調した。
 …何か気が付いているのだろうか…。
「よろしくね」
 リーンはそう言って微笑んだ。
 

 固定の『転移移動』の魔法陣は、ワイトデ自治区の領主の屋敷の一室に準備されていた。
 これから外交などをしていく方としては、有りがたいことだ。
 カズキが準備されていた魔法陣に座標を、リオナスのルークの執務室に書き足した。
 その横で『通信網』を開きながら確認を取る。
 ルークが魔力を込めると、ぼんやりと輝きだし、魔法陣が浮かび上がった。
「そっちはどうだ?」
 カズキが『通信網』越しにアオに聞いている。
「こちらも反応し始めました。繋がったと思いますよ」
 カズキは魔力を込めて作った、手のひらサイズのボール玉を取り出し、新しく作ったばかりの魔法陣に向かって転がす。
 ボールはコロコロと転がって魔法陣の中に消えていく…。
 しばらくすると『通信網』の向こう側のアオから、ボールが届いたと連絡が来る。
 これで準備が整った。
 ルークとリーンはワイトデ自治区の領主やテオ、キラと、馬車で後から帰ってくるカズキとキリトの見守るなか、魔法陣に魔力を込めた。
「先に帰っている。後は頼む」
「はい」
 カズキが返事して、キリトが頷くと、ルークは魔法陣に足を踏み入れ姿が消えた。
「…じゃあね」
 リーンはそう言って微笑む。
「また来て!」
 キラがリーンに言うが、返事はしない。
「尻尾を隠せるようになったら、遊びにおいで。子供達と遊んであげて…」
「うん」
 キラがそう返事して微笑むと、リーンも魔法陣に足を踏み入れた。
 そして出現先はリオナスのルークの執務室。
 帰ってきた…そんな気がした。
 ルークは早速、机に座ってアオから差し出された書類に目を通している。
「ルーク。グオルクのヒイロの所に行ってくる」
 リーンがそう声をかけると、
「週末には帰ってこい。ジーンとユーリに久しぶりに会えるのだからな」
「…わかった…」
 リーンは頷きグオルクのリーンの部屋への魔法陣をくぐった。


***

「カズキさん…。なるべく急いで帰りましょう」
 キリトは嫌な予感がして、カズキにそう言った。
 領主の屋敷を出て、帰り道にある途中の市場で、土産を買う予定だったが、さっきから何かが引っ掛かって落ち着かない…。
「どうした?…土産を買いに行く予定だったんではないのか?」
「…リーンが、返事をしなかった…」
 キリトはそこに引っ掛かっていた。
「『また、来て』と、キラが言ったのに…『遊びにおいで』と、言った…」
 キリトは言葉にして、気がついた…。
「…どう言うことだ?」
「ここには来ないから…来れないから…『おいで』と言って、約束をしなかった…様に思う…」
「…。」
 リーンは大概どこに行っても、『また来るよ』と、返事しているのだ。
 制限付きだが、直接『転移移動』を繋げたのに…来れない筈がない。
 それも、リオナスのルーク王子の執務室に繋げたのだ。
 …急ぎでグオルクに確認に行く…そう言っていた。
「…急ぎましょう」
 キリトがそう言うとカズキは頷いて馬車を走らせた。
 


 



 
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