神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

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森の聖域 2

月日が流れ…。

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 あれから…三年の月日が流れていた。
 キースとミーナとニーナは、いよいよ王都の小等科に通うことになり、三人が住むことになる屋敷は、ジーンとユーリも暮らしていたメジノの屋敷だ。
 側にいて、少し甘やかしてしまったから心配だ。
 それでも成長していく子供達を見ているのはとても楽しい。

 キースが、グオルクのヒイロ達の家に泊まってから、少し変わった。
 ちゃんと歩くし…今までめんどくさいと、魔法を使ってフワフワ移動していたのも無くなり、手で物を掴むし…風魔法を使って物を取り寄せていたのも無くなり…ミーナやニーナと同じ様に地に足がついた生活をしている。
 キースはどうもルナの事が気に入ったみたいで、ルナの言うことは、ちゃんと聞くようになっていた。
 時々グオルクに行くと、ルナに甘えて膝の上に乗ったり、膝枕してもらっている。
 ルナは面倒見が良いから、かわいい弟が出来たみたいに、接してくれている。
 何がきっかけで、変わるのか分からないが、そうして大人になっていくのだろう…。

 ミーナは魔女の魔力を時々見せるようになった。
 魔女との接点がある私だから気が付いたのかもしれない…。
 普段は普通の子供なのだが、時々夢の中で『少し先の未来』を見ていることに気がついた。
 ミーナは『夢見』の力があるのかもしれない。
 だから、ミーナには「不思議な夢を見たら、教えてね」と、伝えてある。
 今は些細な事だが、いずれソフィアのように魔女の魔力が解放されると、どうなるのかわからない。
 それまでには、ソフィアの元に預けることになるのかもしれない…と、少し寂しさを思う時がある。

 ニーナはジーンと一緒で、おとなしく本を読むのが好きだ。
 ジーンが置いていった図鑑は、ニーナにとって分厚い絵本のようで、文字は読めないが、楽しそうに見ている。
 そして時々『読んで』と、本を持ってきて、文字を読み解説してあげると喜んで、覚えているようだ。
 文字は少ししか読めないし、意味も分かっていないだろうが、私が言ったことを覚えていて話してくれる。
 それが徐々に身の有る言葉になっていくのだろう…。

 先に王都で暮らしていたユーリは、十五歳の時に屋敷を出て、王都の騎士寮に入り、十七歳になった今は、見習い騎士として女子を率いて王城の任務に当たっている。
 ユーリは、リーンと同じ黒髪を長く伸ばし、ポニーテールにして、俊敏な動きで剣と魔法を使う。
 女の子の憧れの魔法剣士だそうだ。
 …ユーリがね…。
 訓練で傷を作る事など当たり前で、よくジーンに薬を調合してもらっているらしい…。
 無茶だけはしないで欲しい…。

 ジーンはこの屋敷から高等科に通い、薬草の調合、採取、栽培を勉強している。
 …私の影響も有るようだ。
 もともと本が好きだったのもあり、カザナに置いてある図鑑をニーナの様に絵本がわりに見ていたのもあり、知識としては学園一だろう…。
 ただ実物を見たり、よく似た薬草の区別は、経験を積まなくては覚えられないので勉強中だ。
 それと週末は、王都の隣に有る港街の神殿に通っている。
 ルークの真ん中の兄がレオン王子が警備する、カザンナ王国の神殿で見習いを始めた。
 目的の半分は、神殿に有る書物らしいが…。
 ジーンは…神官になるのかもしれない…。
 ルークの兄の幼馴染みであり、現在の神官長である方と意気投合してしまい、学校の無い週末に通っているのだ。
 …何が起こるか分からないものだ…。

 ルークと出会って、もうすぐ二十年になる。
 そのうちの何年間は眠っていたから、それだけ時間が経過した様に思えないが…。
 これほど長く一つの場所にとどまっている事は始めてだ。
 ルークは年齢を重ね、鍛えられた身体を維持しながら四十歳を迎えた。
 私は…魔力のあまり無い状態が、六年間続いていた…。
 不安もあったけど、ルークや子供達との時間をゆっくりと取れて、幸せだった。
 けれど、その六年間と眠っていた時間を合わせても、十年近く森の中を歩いていない…。
 カザンナ王国や獣人の町などでとれる対策はとって、自然の驚異を乗り越えてきた。
 それでも自然現象は土砂崩れを起こし、水害を起こしている。
 だから、地形も多少なり変化し、今まで大丈夫だった場所が、危険地帯になっている場合もあった。
 …私が森にいて、気が付けば被害は押さえられたのに…。
 何度もそう思う事態が起き、ルークは現地に人の手配をしていた。
 
 …もうすぐ『森の聖域』に向かう。
 三つ子達を王都に送り届け、学校が始まったらしばらくは会えないだろう…。
 それまでは…。
 『森の聖域』向かう時間は迫っていた。


 
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