神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

文字の大きさ
328 / 462
森の聖域 1

添い寝

しおりを挟む
 ルークがリーンを抱えてソファーで眠っていると、カタリと音がして目が覚めた。
 ルークは反射的に目覚めてしまい、暗闇のなか目を凝らすと、ミーナがリビングの端に立っていた。
 どうしたのだろうとルークは身体を起こし、ミーナに声をかけた。
「…ミーナ。どうした」
 ミーナはピクンと反応して言う。
「…お手洗い…」
 たくさん食べて飲んで、それで目が覚めたのだろう。
 ルークはリーンを起こさないように、そっとソファーに寝かせ、立ち上がってミーナの元に向かう。
「…こっちだ。おいで」
 ルークはミーナを連れてお手洗いに向かう。
「…待ってて…」
 そう言って、ミーナはお手洗いの中に入っていく。
「…おとうさま。…いる?」
「ああ。前にいるぞ」
 ミーナは不安そうな声で何度も聞いてくる。
 始めてくる家で、夜中に目覚めて不安なのだろう。
 しばらくして、スッキリしたミーナが出てきて、一緒にキースとニーナが眠るリーンの部屋に連れていく。
「…おとうさまはリーンといっしょ?」
「…そうだよ」
 ミーナは黙ったまま、動かない。
「…ミーナも一緒に寝るか?」
「うん!」
 ミーナは嬉しそうにルークの後をついてきて、リーンの眠るソファーの側に来ると、リーンをじっと見る。
 ルークはリーンを抱えて、ソファーに横たわると毛布をリーンにかけ、そしてミーナを見て手を差し出す。
「おいで」
 ミーナはソファーによじ登り、リーンの上に乗って、ソファーの背もたれとリーンの間にスポッとはまり、モゾモゾと動いてルークの胸の上に頭をつける。
 ルークはリーンとミーナが落ちないようにそっと抱えて、ミーナの頭を撫でる。
「お休み」
「おやすみ…」
 しばらくするとミーナは寝息をたてて、眠りについた。
 …もしかしたら、さっきヒイロにした話を聞いていたのかもしれない…。
 俺達にとって、ミーナも大切な子供だと言うことが、伝わっただろうか…。
 ルークはそんなことを思いながら、眠りについていた。

***

 誰かの声で、ルークが目覚めると、キースが目の前にいた。
「ミーナだけズルい!」
 キースはムッとした顔をして、眠るミーナとリーンを見ていた。
 名前を呼ばれて目覚めたミーナは身体を起こし、ボーッとキースを見ている。
 状況が分かっていないのだろう…。
「ミーナ…ココにいた…」
 ニーナはソファーによじ登りリーンとソファーの背もたれの間にいる、ミーナの横に潜り込む。
「…ニーナ…」
「…へへっ。おそろい」
 そう言ってニーナが笑う。
 …何がお揃いなのか分からないが、ニーナは嬉しそうに笑っている。
 ルークは少し身体を起こし、キースに向かって手招きする。
「キースもおいで」
 キースはムッとしたままソファーによじ登り、ニーナの隣に潜り込んで、リーンの上にペタンと寝そべった。
「私も!」
 そう言ってニーナもリーンの上に寝そべり、ミーナも一緒になって寝そべる。
「…んっ…」
 さすがに子供三人が乗り掛かったら、重いだろう…。
 俺も重い…。
 リーンはぼんやりと目を開け、ルークと目が合うと微笑んだ。
「…おはよう…」
「…おはよう…。身体が重いんだけど…」
 リーンが背後を見ると、目を丸くして、笑いだした。
「お前達、なにやってるんだ?」
「リーンの毛布」
「背伸び」
「リーンのふとん」
 三人はそう答えて、リーンの上をゴロゴロ動く。
 そこへヒイロとチイが起きてきて、その様子を見て笑う。
「なにやってんだ?」
 子供達は答えない。
「じゃれてるだけだよ。いつもと違う部屋で、起きてびっくりしたんだろう」
「甘えてるだけだ。…ほら、もう起きるぞ!」
 ルークが子供達を促して、身体を起こす。
 子供達はしぶしぶリーンの上から退いて、ソファーから降りると、さっきまで寝ていたリーンの部屋に向かって走っていった。
「俺達も起きるか…」
 ルークはそう言って背伸びする。
 リーンはまだ眠そうだが、さすがに二度寝するわけにはいかない。
「リーン。朝食作るの手伝って!」
 チイがそう呼んだので、リーンは身体を起こしてキッチンに向かって歩いていった。
 
 こんな平穏な日々がずっと続けば良いのに…。
 ルークはそう思いながら、着替えに奮闘しているだろう子供達の様子を見に、リーンの部屋へ向かった。
 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!

タッター
BL
 ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。 自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。 ――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。  そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように―― 「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」 「無理。邪魔」 「ガーン!」  とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。 「……その子、生きてるっすか?」 「……ああ」 ◆◆◆ 溺愛攻め  × 明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

僕に双子の義兄が出来まして

サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。 そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。 ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。 …仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。 え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

処理中です...