神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

文字の大きさ
346 / 462
森の聖域 2

観察日記 3

しおりを挟む
 観察十二日目。
 リーンの髪飾りは二個目が消えたまま…。
 変化が無いのを確認すると、世界樹とは反対側の、家の横の昨日作ったブランコの方に向かい、ルークは自分の目を疑った。
 …昨日、作ったのは…小さなブランコを三個…だったよな…。
 ソコには背丈ほどの高さ、横幅も広くなったブランコが有った。
 地面に突き刺した二組の四本の木は、根っこが出来ていて、幹は太くなり、枝から緑の葉っぱが生えていて、その上に結んだはずの木が、両サイドの木から生えた枝が絡まり太くなっている…。
 そしてソコに、昨日作った小さなブランコが揺れている。
 それも、少し間隔を開けて並べた三個のブランコが、支える幹から伸びた枝が絡まりあって繋がり、一つに繋がっている…。
 と、言うことは、ブランコを五つの場所でする事が出来ると言うこと…。
 呆然とルークが見ていると、土霊が、たぶん結んであった紐をずるずると引っ張ってきて、ルークに差し出した。
 …もう二ヵ所分のブランコを作れと言うことか…。
 と、言うか、この大きくなったブランコのサイズに、あの座るサイズは小さいだろう…。
 ルークは背丈ほどになったブランコの座る部分を五つ作ることになった。
 でも、昨日作った座る部分ももったいないので、両脇に膝丈の枝を伸ばしてもらって、ソコに結びつけた。
 しばらくはそれで遊べるだろう。
 ルークが黙々とブランコを作る作業をしていると、ヒナキが笑って近付いてきた。
「楽しそうなことをしてるじゃないか」
「…俺が作ったのは、もっと小さかったんだが、朝になったらこうなってた」
 ルークが真面目な顔をして言うと、ヒナキは再び笑った。
「水霊にも何か、水で遊べそうなモノを作ってあげて」
 ココで遊んでいるのは、土霊、木霊、風霊達だ。
 水霊はココまで来れないのだろう。
「わかった」
 時々、魚をもらうお礼に、簡単な水車でも作るか…。
 ルークはヒナキに、使わない木の板が有ったら欲しいと頼み、ブランコの製作にいそしんだ。

 観察十三日目。
 …リーンの観察でなく、ココにいる子達との生活の日記みたいになってきた事に、今さらながら気が付く。
 …今日はヒナキが板を持ってきてくれたので、水霊の為に水車を作る。
 太めの真っ直ぐな枝に、放射線状に板をくっ付け、水を溜める為に両サイドを少しふさぎ、木霊に強化してもらう。
 二本の枝を、ブランコの時より少し下辺りで結んで広げ、二個作ると、川辺にそれらを持って行った。
 川の中に結んだ二本の枝を広げて固定させ、二ヵ所並べると、ワイの字になった凹みに、板を付けた棒を乗せる。
 すると水に押されて水車のプロペラが回る。
 カタカタカタと安定感は無いが、勢いよく回って水を跳ね上げていく。
 …思ったより、地味だな…。
 何か違うものの方が良いかも知れない…。
 ルークは頭を悩ませながら、家へと戻っていった。

 観察十四日目。
 家の横に作ったブランコ柱の回りに蔦が絡まり、どんどん緑に溶け込んでいく。
 まるで、もともとココに有った木にブランコを結んだみたいに…。
 ルークは水車がどうなったか気になったので、水辺に向かうと、水車を支える木が少し太くなっただけで、変わらずカラカラと音をたてている。
 でもよく見ると、取り付けた板の間、水を送るための凹みに何人か座っていて、水車が回って川の中に入ったり外に出てきたりしている…。
 そして時々、水中飛び出している…。
 …我慢大会か…?
 そんな風に思えるくらいに…。
 ルークはふと思い立ち、家に戻ると、森の中で折れて撤去した長い木の枝を肩に担ぎ、川辺に戻ってきた。
 木の長さは川幅よりも長いので、向こう岸に届く。
 川の流れの邪魔にならないように、少し高めにアーチを作ると、木霊と土霊にお願いして固定させ、木の橋を作った。
 人が渡るには細くて折れてしまいそうだが、水霊や木霊達なら大丈夫だろう。
 木の上から板を固定し、川の中に向かって滑るように、滑り台を作った。
 板は水中に付かないように、少し短めにして、取りあえず二ヵ所。
 多めに作ったブランコの座る部分を、木に結びつけて、水上のブランコ。
 取りあえずこんなもんでどうだ。
 すると水霊が木の橋を渡り、斜めにした板の前に立つ。
「ソコは座って滑る滑り台だ」
 ルークがそう言うと、恐る恐る座り、斜めにした板の上へと進み、ズルズルと滑り落ち始め、慌てているうちに水中にポチャンと落ちた。
「…。」
 ちょっとイメージと違うか…。
 ルークがそう思っていると、水霊達が木に登りだし、板を滑り落ち出した。
 ポチャン、ポチャンと辺り一面に水飛沫を上げ始めた。
 …取りあえず、気に入ってくれたみたいだ。
 ルークはホッとして家に戻った。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!

タッター
BL
 ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。 自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。 ――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。  そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように―― 「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」 「無理。邪魔」 「ガーン!」  とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。 「……その子、生きてるっすか?」 「……ああ」 ◆◆◆ 溺愛攻め  × 明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

僕に双子の義兄が出来まして

サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。 そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。 ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。 …仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。 え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。

【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?

キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。 知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。 今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど—— 「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」 幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。 しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。 これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。 全8話。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

処理中です...