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名前を呼んで…。(番外編) その後のヒナキとユグの話
ヒナキと世界樹
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リーンとルークが『森の聖域』を出て、家族が待つ場所へと帰っていった。
ヒナキにとって、家族とは『クルーラ』の住人の事だ。
クルーラの村を作り、長い時間を生きるヒナキに居場所をくれた、獣人達には感謝している。
家族と言うものを知らないヒナキにとって、『クルーラ』に住む住人達が、父母であり、兄弟であり、家族だった。
だから、リーンとルークのように、自分だけの家族と言うものに少し憧れた。
今のリーンは、ルークの側にいて幸せそうだった。
病弱で魔素に苦しめられたピット。
『森の聖域』に果樹園を作り、『宿り木』を育てて魔力を使い果たしたキュイ。
それなりに楽しいことも有ったけれど、番を得て、子供まで成したのはリーンだけだろう…。
それよりは前は、知らないが…。
僕は『森の守り人』に寄り添い、彼の目覚める場所を守る…『クルーラ』の村長。
…それが僕の役目…。
リーンとルークが帰った後、ユグが寂しがってないか少し心配になって、『森の聖域』に向かった。
ヒナキの住む家の脇道を少し歩けば、『森の聖域』の領域、結界内に入る。
ユグは『森の聖域』の『世界樹』の木霊。
樹齢は分からないが、長い間『森の聖域』に鎮座して、吹き出る魔素を閉じ込め、無意識に、この森に住む木霊や土霊、風霊や水霊達を守っている。
そして自我を持ち、波長の合う『彼』が瀕死になるたびに助け出して、自らの体内…世界樹の中で、時間を戻して生き返らせていた。
…ユグは世界樹の中で、時間を操る魔力を持っていた。
これは魔素の強い『森の聖域』だから出来ることであって、木霊でも長い時間生きて、自我を持ったユグだからこそなのだろう…。
そんなユグに名前をつけたのはヒナキだった。
ヒナキは、『リーン』の二つ前の『ピット』の時に『長寿の実』とは知らず食べた果実が、ヒナキの身体の時間を止め、少年の姿のまま、長い年月を過ごしている。
会いに行くから…。
その約束を守るためには良かったが、出来たら、もう少し大人になってから、時間が止まって欲しかった。
身長が低いのと、童顔のままなので、初めてクルーラを訪れる客人は、ヒナキを村長だとは思わない。
それで良い事も、嫌な事も有ったけれど…。
ヒナキは時々ユグに会いに行って、訪れる客人から聞いた『森の聖域』『クルーラ』の外の話をしたり、新たな魔法や魔法道具を作る話をしたり…世界樹の木の下で、たわいもない話をしたりしていた。
ユグは楽しそうに話を聞いてくれ、『またね』と、帰ろうとすると寂しそうにヒナキを見ていた。
ピットが深い眠りについて、キュイが目覚めて、ピットの時の、ヒナキの記憶が無いことにショックを受け、世界樹のもとで泣いたとき、ユグは泣き止むまで側にいてくれた。
ピットのままでは生きられないから、時間を戻して記憶も消えて…。
話には聞いていたけれど、それを理解するのに少し時間がかかった。
ある日、キュイが大事そうに、ピットの時にもらった本を見ているのを知って、キュイの中に、ほんの少しピットは存在しているのだと気がついた時、ヒナキはキュイの存在をやっと受け入れられたのだ。
今まで、どんな時も側にいてくれた世界樹の事を、名前で呼んだ事は無かった。
名前を呼ばなくても、世界樹の側に行けば姿を表したし、さほど必要だとは思わなかったのもある。
それに、ヒナキも名前を呼ばれた事が無かった。
リーンは、名前を与えた世界樹が成長していくと、言っていたが、いまいちピンと来なかった。
それだけ『名前』と言うものが、重要だと言うことも…。
ヒナキの中で、世界樹のユグの姿はずっと子供のままだったからだ。
それが、ヒナキが『名前』を与えたことによって、二人の関係が変わっていった。
ヒナキにとって、家族とは『クルーラ』の住人の事だ。
クルーラの村を作り、長い時間を生きるヒナキに居場所をくれた、獣人達には感謝している。
家族と言うものを知らないヒナキにとって、『クルーラ』に住む住人達が、父母であり、兄弟であり、家族だった。
だから、リーンとルークのように、自分だけの家族と言うものに少し憧れた。
今のリーンは、ルークの側にいて幸せそうだった。
病弱で魔素に苦しめられたピット。
『森の聖域』に果樹園を作り、『宿り木』を育てて魔力を使い果たしたキュイ。
それなりに楽しいことも有ったけれど、番を得て、子供まで成したのはリーンだけだろう…。
それよりは前は、知らないが…。
僕は『森の守り人』に寄り添い、彼の目覚める場所を守る…『クルーラ』の村長。
…それが僕の役目…。
リーンとルークが帰った後、ユグが寂しがってないか少し心配になって、『森の聖域』に向かった。
ヒナキの住む家の脇道を少し歩けば、『森の聖域』の領域、結界内に入る。
ユグは『森の聖域』の『世界樹』の木霊。
樹齢は分からないが、長い間『森の聖域』に鎮座して、吹き出る魔素を閉じ込め、無意識に、この森に住む木霊や土霊、風霊や水霊達を守っている。
そして自我を持ち、波長の合う『彼』が瀕死になるたびに助け出して、自らの体内…世界樹の中で、時間を戻して生き返らせていた。
…ユグは世界樹の中で、時間を操る魔力を持っていた。
これは魔素の強い『森の聖域』だから出来ることであって、木霊でも長い時間生きて、自我を持ったユグだからこそなのだろう…。
そんなユグに名前をつけたのはヒナキだった。
ヒナキは、『リーン』の二つ前の『ピット』の時に『長寿の実』とは知らず食べた果実が、ヒナキの身体の時間を止め、少年の姿のまま、長い年月を過ごしている。
会いに行くから…。
その約束を守るためには良かったが、出来たら、もう少し大人になってから、時間が止まって欲しかった。
身長が低いのと、童顔のままなので、初めてクルーラを訪れる客人は、ヒナキを村長だとは思わない。
それで良い事も、嫌な事も有ったけれど…。
ヒナキは時々ユグに会いに行って、訪れる客人から聞いた『森の聖域』『クルーラ』の外の話をしたり、新たな魔法や魔法道具を作る話をしたり…世界樹の木の下で、たわいもない話をしたりしていた。
ユグは楽しそうに話を聞いてくれ、『またね』と、帰ろうとすると寂しそうにヒナキを見ていた。
ピットが深い眠りについて、キュイが目覚めて、ピットの時の、ヒナキの記憶が無いことにショックを受け、世界樹のもとで泣いたとき、ユグは泣き止むまで側にいてくれた。
ピットのままでは生きられないから、時間を戻して記憶も消えて…。
話には聞いていたけれど、それを理解するのに少し時間がかかった。
ある日、キュイが大事そうに、ピットの時にもらった本を見ているのを知って、キュイの中に、ほんの少しピットは存在しているのだと気がついた時、ヒナキはキュイの存在をやっと受け入れられたのだ。
今まで、どんな時も側にいてくれた世界樹の事を、名前で呼んだ事は無かった。
名前を呼ばなくても、世界樹の側に行けば姿を表したし、さほど必要だとは思わなかったのもある。
それに、ヒナキも名前を呼ばれた事が無かった。
リーンは、名前を与えた世界樹が成長していくと、言っていたが、いまいちピンと来なかった。
それだけ『名前』と言うものが、重要だと言うことも…。
ヒナキの中で、世界樹のユグの姿はずっと子供のままだったからだ。
それが、ヒナキが『名前』を与えたことによって、二人の関係が変わっていった。
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