395 / 462
希少種
通信魔道具
しおりを挟む
リーンはその夜、ルークにもらった通信用の魔法道具を使い、ルークに連絡を取った。
通信用の魔道具は試作品で、魔道具に魔力を込めるとどこにいても繋がるらしく、現在はルークとリーンにしか繋がらない為、秘密の話をするには便利だ。
使い方としては簡単で、魔道具に個人の魔力を登録して、魔力同士を繋げるらしい…。
いずれ一つの魔道具で、何人もの魔力を登録して使えるように研究されているとの事。
そうなれば、固定の通信鏡を使わなくても連絡が取れるので、僻地や山間の村の非常用の連絡に重宝するだろう。
まだ先の話だが…。
そしてルークには、タミネキ村の『世界樹』の事を説明した。
今日、ルークは登城していたらしく、夕方、王城がバタついていたのを目にしていて、納得していた。
明日には正式に報告が上がってくるだろう…と。
すぐさま港街の神殿に連絡がいくだろうし、派遣される者が王城に挨拶に来て、先行団体がヤマツカ町を拠点にタミネキ村へと出向くことになるだろう。
そして、先行団体に転移魔法を使えるものが同行し、『転移』で神官長及び、神官が行き、今後の事を話することになるだろう…と。
神殿の先行団体が馬車で移動してくるなら、来るのは五日後。
もしくは、早馬だけを送ってくるなら、三日か四日…。
大体の流れだけを教えてもらっておくと、対応に困らないから助かる。
「…俺も行きたいが、多分、シノアスとレオン兄上が『転移』するだろうから、俺まで動いたら大事になる」
ルークが悔しそうに呟くのが聞こえて、リーンは思わず笑ってしまった。
シノアスとは、港街の神官で、次期神官長候補となっていて、ルークの二番目の兄、カザンナ王国第二王子レオンの幼馴染みでもあり、多分、レオン王子の大切な人…。
昔、シノアスが誘拐され、護衛で神殿の警備隊長のレオン王子が荒れ狂い、捕らえられていた屋敷を吹っ飛ばしたと言われている。
…まあ、私も昔、屋敷を吹っ飛ばした事があるから…、レオン王子はそれくらい、やってのけるだけの魔力は持っているので、真実だろう…。
レオン王子が怒りを押さえきれないくらい、大切な人だと周囲に知らしめた事件でもあった。
「…ルークまで、王都から離れるわけにはいかないだろうし、この件が終わったら…」
私の大切な人が眠る場所に案内しよう…。
「…そうだな」
ルークはそう言ってしばらく無言でいると、楽しそうに声をかけてきた。
「みんなで行こう。…ジーンとユーリと、キースとミーナとニーナと」
「えっ」
驚くリーンを置いて、ルークは閃いたとばかりに、楽しそうな声だ。
「子供達の学校が長期休暇になったとき、旅行がてらそっちに向かう。本当は俺達も『転移』して行けば直ぐだが、子供達にもいろんな町と風景を見せてやりたいしな」
そう言って、ルークが父親らしく子供達の見聞を広げれる環境を作ってくれる。
私達に馬車に揺られて長距離を移動する機会は、あまりない。
どうしても私やルークが一緒だと、『転移』魔法や『魔法陣』などを使って、遠く離れたグオルクやリオナスへ、すぐにたどり着いてしまうからだ。
子供達にも、本来の長距離移動を経験する良い機会になるだろう…。
リーンは嬉しくて、ムズムズしてルークに会いたくなってしまった。
でも今は…。
「うん。楽しみに待ってるよ」
リーンはそう答えて、通信を切った。
…以前の約束を覚えているのだろうか…。
いつか、ジーンの名前の由来になった、リーンの大切な人に会いに行こうと、約束した…。
それが、今、なのだろうか…。
…それとも、『世界樹』とは関係なく、何か重要な事が、起ころうとしているのだろうか…。
…しばらく考えたが、悩んでも仕方ないので、今、リーンができる事をしようと思った。
通信用の魔道具は試作品で、魔道具に魔力を込めるとどこにいても繋がるらしく、現在はルークとリーンにしか繋がらない為、秘密の話をするには便利だ。
使い方としては簡単で、魔道具に個人の魔力を登録して、魔力同士を繋げるらしい…。
いずれ一つの魔道具で、何人もの魔力を登録して使えるように研究されているとの事。
そうなれば、固定の通信鏡を使わなくても連絡が取れるので、僻地や山間の村の非常用の連絡に重宝するだろう。
まだ先の話だが…。
そしてルークには、タミネキ村の『世界樹』の事を説明した。
今日、ルークは登城していたらしく、夕方、王城がバタついていたのを目にしていて、納得していた。
明日には正式に報告が上がってくるだろう…と。
すぐさま港街の神殿に連絡がいくだろうし、派遣される者が王城に挨拶に来て、先行団体がヤマツカ町を拠点にタミネキ村へと出向くことになるだろう。
そして、先行団体に転移魔法を使えるものが同行し、『転移』で神官長及び、神官が行き、今後の事を話することになるだろう…と。
神殿の先行団体が馬車で移動してくるなら、来るのは五日後。
もしくは、早馬だけを送ってくるなら、三日か四日…。
大体の流れだけを教えてもらっておくと、対応に困らないから助かる。
「…俺も行きたいが、多分、シノアスとレオン兄上が『転移』するだろうから、俺まで動いたら大事になる」
ルークが悔しそうに呟くのが聞こえて、リーンは思わず笑ってしまった。
シノアスとは、港街の神官で、次期神官長候補となっていて、ルークの二番目の兄、カザンナ王国第二王子レオンの幼馴染みでもあり、多分、レオン王子の大切な人…。
昔、シノアスが誘拐され、護衛で神殿の警備隊長のレオン王子が荒れ狂い、捕らえられていた屋敷を吹っ飛ばしたと言われている。
…まあ、私も昔、屋敷を吹っ飛ばした事があるから…、レオン王子はそれくらい、やってのけるだけの魔力は持っているので、真実だろう…。
レオン王子が怒りを押さえきれないくらい、大切な人だと周囲に知らしめた事件でもあった。
「…ルークまで、王都から離れるわけにはいかないだろうし、この件が終わったら…」
私の大切な人が眠る場所に案内しよう…。
「…そうだな」
ルークはそう言ってしばらく無言でいると、楽しそうに声をかけてきた。
「みんなで行こう。…ジーンとユーリと、キースとミーナとニーナと」
「えっ」
驚くリーンを置いて、ルークは閃いたとばかりに、楽しそうな声だ。
「子供達の学校が長期休暇になったとき、旅行がてらそっちに向かう。本当は俺達も『転移』して行けば直ぐだが、子供達にもいろんな町と風景を見せてやりたいしな」
そう言って、ルークが父親らしく子供達の見聞を広げれる環境を作ってくれる。
私達に馬車に揺られて長距離を移動する機会は、あまりない。
どうしても私やルークが一緒だと、『転移』魔法や『魔法陣』などを使って、遠く離れたグオルクやリオナスへ、すぐにたどり着いてしまうからだ。
子供達にも、本来の長距離移動を経験する良い機会になるだろう…。
リーンは嬉しくて、ムズムズしてルークに会いたくなってしまった。
でも今は…。
「うん。楽しみに待ってるよ」
リーンはそう答えて、通信を切った。
…以前の約束を覚えているのだろうか…。
いつか、ジーンの名前の由来になった、リーンの大切な人に会いに行こうと、約束した…。
それが、今、なのだろうか…。
…それとも、『世界樹』とは関係なく、何か重要な事が、起ころうとしているのだろうか…。
…しばらく考えたが、悩んでも仕方ないので、今、リーンができる事をしようと思った。
0
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
僕に双子の義兄が出来まして
サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。
そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。
ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。
…仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。
え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。
【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?
キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。
知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。
今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど——
「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」
幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。
しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。
これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。
全8話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる