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希少種
ジェス
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翌日、リーンが『世界樹』のもとに行くと、羽の生えた木霊のフリクが出てきて、リーンと一緒に『世界樹』の根元に座り、リーンは絵本を読み始めた。
フリクは興味津々で、絵本の絵に釘付けになっている。
本来ならば、多くの人を見守るなか、木霊として成長していくはずの『世界樹』は、幼いまま出てきてしまった。
『森の聖域』のユグの事もあるから、子供に接するように、言葉と知識を与えて、成長させるしかない。
神殿から来る者達も、まさか子供の状態で木霊として産まれ出ているとは思わないだろう…。
私は、ずっとココにはいれないが、出来るだけフリクに接していよう…。
そして神殿側の、フリクと波長の合う誰かが現れるまで、良い子に育つよう、大地を守るように育てていくしかない…。
この土地を守り、人々の生活に安らぎを与えるように…。
昼が過ぎて、昼寝から目覚める頃、山間の一本道から豪華そうな馬車がやって来た。
王都から王城に向かうときに乗った、扉付きの頑丈な作りの馬車だ。
神殿から来るには早すぎる…そう思っていると、フリクはリーンの腕の中から消えてしまい、『世界樹』に戻ったようだ。
知らない人が来て、警戒しているのだろう…。
馬車はリーン達が寝泊まりしている家の前で止まり、扉が開いて白髪の男の人が降りてきた。
馬車の音に気が付いたマークとカムイが家から顔を出す。
そして何か話をして、こちらを見て、リーンのいる『世界樹』に向かって歩いてくる。
見たことのある人…。
「…ジェス?」
ルークの側近で、『転移』の魔法が得意な為、あちらこちらに呼ばれてほとんど帰ってこない…リーンがルークと出会ったときにいた、メンバーの一人だ。
「お久しぶりです。リーンさん」
「…久しぶり…。ジェスが来るとは思わなかった」
リーンはそう言って、寄りかかっていた『世界樹』から身体を起こして立ち上がった。
「色々有りまして…」
ジェスは苦笑いして言う。
「…ルーク様に、俺が行けないから様子を見てこい、と…。神殿からの要望で、先に確認する為でもありますけどね」
ジェスはそう言って『世界樹』を見上げる。
「…やはりこの周辺は、吹き出る魔力が違いますね…」
そんな話をしていると、馬車からもう一人、御者に支えられて、ゆっくりと降りてきた。
白髪のご老人…。
リーンがそちらを見るとジェスは苦笑いして、そっと囁く。
「…ヤマツカ町やタミネキ村の領主です。…でもって、私の祖父です」
リーンは驚いてジェスを見る。
「領主の仕事は父と兄が取り仕切ってますが、発言力は祖父の方が上です。…そんな事情も有りまして、私の部屋にはココへ来る限定の魔法陣が有ると言うのもあって、派遣されて来ました」
「…なるほど」
領主の家がジェスの家でもあるので、王都のジェスの部屋とヤマツカ町の部屋を繋ぐ固定の限定魔法陣が有り、それを使って帰ってきたのだろう。
そして、ジェスがタミネキ村へ向かうと知って、ジェスの祖父も付いてきたと言うことだ。
「…リーンさんが居ることは、ルーク様に聞いて知っていますが、本来なら私達がタミネキ村の村長と連携して、ココを守らなくては行けない、と言うのも有りますから…」
領主一族としては『世界樹』の出現は、国や神殿を上げての重大事項だ。
ルークの側近であり、領主の息子あるジェスが顔を出せば、悪いことを考える者達は、一歩引くだろう事も想定しているようだ。
王子や領主が目を光らせている場所を、わざわざ狙っては来ないだろう…。
「…助かるよ」
リーンはそう言って微笑んだ。
その辺も配慮して、私がココにいると言うのも有るだろうが、ルークが顔見知りのジェスをこちらに向かわせたのだろう…。
神殿の先行団体が来るまでに、領主一族で確認し、粗方の方向性を見積もっておくためにも、ジェスがこちらに来る方が、話しが通りやすいのも有るだろうが…。
先の事を考えてるだろうルークに思わず笑みが浮かんだ。
フリクは興味津々で、絵本の絵に釘付けになっている。
本来ならば、多くの人を見守るなか、木霊として成長していくはずの『世界樹』は、幼いまま出てきてしまった。
『森の聖域』のユグの事もあるから、子供に接するように、言葉と知識を与えて、成長させるしかない。
神殿から来る者達も、まさか子供の状態で木霊として産まれ出ているとは思わないだろう…。
私は、ずっとココにはいれないが、出来るだけフリクに接していよう…。
そして神殿側の、フリクと波長の合う誰かが現れるまで、良い子に育つよう、大地を守るように育てていくしかない…。
この土地を守り、人々の生活に安らぎを与えるように…。
昼が過ぎて、昼寝から目覚める頃、山間の一本道から豪華そうな馬車がやって来た。
王都から王城に向かうときに乗った、扉付きの頑丈な作りの馬車だ。
神殿から来るには早すぎる…そう思っていると、フリクはリーンの腕の中から消えてしまい、『世界樹』に戻ったようだ。
知らない人が来て、警戒しているのだろう…。
馬車はリーン達が寝泊まりしている家の前で止まり、扉が開いて白髪の男の人が降りてきた。
馬車の音に気が付いたマークとカムイが家から顔を出す。
そして何か話をして、こちらを見て、リーンのいる『世界樹』に向かって歩いてくる。
見たことのある人…。
「…ジェス?」
ルークの側近で、『転移』の魔法が得意な為、あちらこちらに呼ばれてほとんど帰ってこない…リーンがルークと出会ったときにいた、メンバーの一人だ。
「お久しぶりです。リーンさん」
「…久しぶり…。ジェスが来るとは思わなかった」
リーンはそう言って、寄りかかっていた『世界樹』から身体を起こして立ち上がった。
「色々有りまして…」
ジェスは苦笑いして言う。
「…ルーク様に、俺が行けないから様子を見てこい、と…。神殿からの要望で、先に確認する為でもありますけどね」
ジェスはそう言って『世界樹』を見上げる。
「…やはりこの周辺は、吹き出る魔力が違いますね…」
そんな話をしていると、馬車からもう一人、御者に支えられて、ゆっくりと降りてきた。
白髪のご老人…。
リーンがそちらを見るとジェスは苦笑いして、そっと囁く。
「…ヤマツカ町やタミネキ村の領主です。…でもって、私の祖父です」
リーンは驚いてジェスを見る。
「領主の仕事は父と兄が取り仕切ってますが、発言力は祖父の方が上です。…そんな事情も有りまして、私の部屋にはココへ来る限定の魔法陣が有ると言うのもあって、派遣されて来ました」
「…なるほど」
領主の家がジェスの家でもあるので、王都のジェスの部屋とヤマツカ町の部屋を繋ぐ固定の限定魔法陣が有り、それを使って帰ってきたのだろう。
そして、ジェスがタミネキ村へ向かうと知って、ジェスの祖父も付いてきたと言うことだ。
「…リーンさんが居ることは、ルーク様に聞いて知っていますが、本来なら私達がタミネキ村の村長と連携して、ココを守らなくては行けない、と言うのも有りますから…」
領主一族としては『世界樹』の出現は、国や神殿を上げての重大事項だ。
ルークの側近であり、領主の息子あるジェスが顔を出せば、悪いことを考える者達は、一歩引くだろう事も想定しているようだ。
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「…助かるよ」
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その辺も配慮して、私がココにいると言うのも有るだろうが、ルークが顔見知りのジェスをこちらに向かわせたのだろう…。
神殿の先行団体が来るまでに、領主一族で確認し、粗方の方向性を見積もっておくためにも、ジェスがこちらに来る方が、話しが通りやすいのも有るだろうが…。
先の事を考えてるだろうルークに思わず笑みが浮かんだ。
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