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二人の約束 ~ジーンの初恋~(番外編)
馬車の旅
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翌朝、日の出前に起きて、食堂で軽く朝食を食べ終えると、アミュール様の側使えが呼びに来た。
アミュール様は、神官長候補のシノアス様の補佐官で、今回の遠出も、シノアス様が出向く関係だろう。
おいそれとシノアス様が出向くわけには行かないので、補佐官であるアミュール様が目的地に向かい、目的地にいる『転移』魔法を使える者と一緒に、魔法陣を発動させて、『転移』するためだ。
アミュール様は『転移』した後の移動の手配や、領主との懇談会の事前打ち合わせなど、つつがなく進行するように準備するのも仕事だ。
ジーンはその補佐として、書類や連絡の手伝いをするのだそうが、休日しか神殿に来ていない自分が、なぜ同行することになったのかよく分からなかった。
アミュール様と乗り込んだ馬車は、振動があまり無く、防御の魔法がかけられ、外敵から乗車した者を守る為の特別製の馬車だった。
乗り心地は良い。
動き出しても振動があまり無いので、本を読むのに支障はなさそうだ。
だが、この狭い空間のな中で、アミュール様と二人と言うのは落ち着かない。
それに眠い…。
馬車に揺られて身体が傾く。
「…ジーン様。少し眠ってもよろしいですよ」
神殿にいる時とは違う、優しい口調で話しかけてくる。
「…んっ…でも…」
「私も少し休みますから」
そう言ってアミュールは、ジーンの身体を座席に横に寝かせて、座席下にあった毛布を二枚目取り出して、一枚ジーンにかけてくれた。
「起きたら、なぜ貴方が同行することになったのか説明しますね」
アミュールがそう言ったが、すでにジーンは眠りについていた。
アミュールは微笑むと、座席に身体を横たえ、毛布をかけると目を閉じた。
ガタガタと馬車が揺れ、ジーンは何事かと目を覚ました。
「…あれっ…?」
ジーンは、なぜ馬車内にいるのか分からず、ぼんやりとした頭を傾げ、視界にアミュール様がいることに気がつき思い出す。
そうだ、ヤマツカ町への遠出…。
「目が覚めましたか。休憩地点に着きましたので、一旦馬車を降りますよ」
アミュール様にそう言われ、ジーンは慌てて一緒に馬車を降りた。
そこは山間にある、小さな神殿。
出迎えの神官が微笑んで向かえてくれた。
ジーンはアミュール様の後を追って神殿の中に入り、中庭の大広場の中心にある、『世界樹』を模した『宿り木』の側まで行くと、アミュール様と一緒に地面に膝を付き、祈りを捧げ始めた。
神殿での、朝の恒例行事だ。
しばらくすると『宿り木』の前に、緑色の髪の毛の長い人が現れ、アミュール様に何か囁いている。
ジーンには聞き取れないが、めったに姿を現さない『宿り木』の姿を見れただけで、感動ものだ。
カザナのお屋敷にいるミーネ様には、リーンが側にいるときに何回か会っているが、場所や環境によって『宿り木』の様子も、少しづつ違うんだな…と、ジーンは感じていた。
それの違いを感じるくらい、保有魔力が強いから、と言うのもあるが…。
神殿で軽食を食べ、再び馬車に乗ると、ヤマツカ町に向かって進み出した。
「さて、なぜジーン様が今回、同行することになったか説明しますね」
馬車が山間を進み初めてしばらくすると、アミュール様が言い出した。
ジーンの眠気も無くなり、頭もスッキリとしていたので、頷いて聞き耳をたてた。
ヤマツカ町の奥にあるタミネキ村に『世界樹』が出現したこと。
そしてその地に、リーンがいる事。
それを聞いてジーンはハッとする。
アミュール様は、僕がお父様の子供だと言うことは知っているし、魔力の番と呼ばれるリーンの事も知っている。
シノアス様の補佐官様だからね…。
「リーンがいるから…」
「それも有ります。…遠方の地に、シノアス様が出向かれると言うことは、レオン王子も同行します」
レオン王子…僕にとっては叔父になる方。
「シノアス様と王子と一緒にいて、気後れしない神官がいると思いますか?」
…言われてみればそうだ。
僕にとってシノアス様は、優しい兄のような教師のような方で、幼い頃から顔見知りだし、緊張することもない。
レオン叔父様には少し緊張するが、何度も王城でお父様と一緒に会っているので、気後れすることはない…。
「普通なら無理…」
シノアス様やレオン叔父様に憧れている、友人のルベアが同行することになったら、緊張しすぎて呼吸困難になっているかも…。
ジーンは苦笑いした。
「ですが忘れないで下さい。貴方は神官見習いとして同行しています。公式の場では、そのように立ち振舞いしなさい」
「はい。」
アミュール様は公私混合しないように、これも勉強だと教えてくれる講師だ。
「では、カザンナ王国のシランの街の『世界樹』と、神殿の関係性に付いて復習です」
そうだった。
アミュール様の個人講義があるんだった…。
「…はい」
ジーンは少し、しょんぼりして、アミュール様の講義を聴きながら、質問されることに答えていた。
これも、これから行く『世界樹』の側にいる、リーンに会いに行くため…そう思って、ジーンは頭をフル回転させ、アミュール様の問題に答えるのだった。
アミュール様は、神官長候補のシノアス様の補佐官で、今回の遠出も、シノアス様が出向く関係だろう。
おいそれとシノアス様が出向くわけには行かないので、補佐官であるアミュール様が目的地に向かい、目的地にいる『転移』魔法を使える者と一緒に、魔法陣を発動させて、『転移』するためだ。
アミュール様は『転移』した後の移動の手配や、領主との懇談会の事前打ち合わせなど、つつがなく進行するように準備するのも仕事だ。
ジーンはその補佐として、書類や連絡の手伝いをするのだそうが、休日しか神殿に来ていない自分が、なぜ同行することになったのかよく分からなかった。
アミュール様と乗り込んだ馬車は、振動があまり無く、防御の魔法がかけられ、外敵から乗車した者を守る為の特別製の馬車だった。
乗り心地は良い。
動き出しても振動があまり無いので、本を読むのに支障はなさそうだ。
だが、この狭い空間のな中で、アミュール様と二人と言うのは落ち着かない。
それに眠い…。
馬車に揺られて身体が傾く。
「…ジーン様。少し眠ってもよろしいですよ」
神殿にいる時とは違う、優しい口調で話しかけてくる。
「…んっ…でも…」
「私も少し休みますから」
そう言ってアミュールは、ジーンの身体を座席に横に寝かせて、座席下にあった毛布を二枚目取り出して、一枚ジーンにかけてくれた。
「起きたら、なぜ貴方が同行することになったのか説明しますね」
アミュールがそう言ったが、すでにジーンは眠りについていた。
アミュールは微笑むと、座席に身体を横たえ、毛布をかけると目を閉じた。
ガタガタと馬車が揺れ、ジーンは何事かと目を覚ました。
「…あれっ…?」
ジーンは、なぜ馬車内にいるのか分からず、ぼんやりとした頭を傾げ、視界にアミュール様がいることに気がつき思い出す。
そうだ、ヤマツカ町への遠出…。
「目が覚めましたか。休憩地点に着きましたので、一旦馬車を降りますよ」
アミュール様にそう言われ、ジーンは慌てて一緒に馬車を降りた。
そこは山間にある、小さな神殿。
出迎えの神官が微笑んで向かえてくれた。
ジーンはアミュール様の後を追って神殿の中に入り、中庭の大広場の中心にある、『世界樹』を模した『宿り木』の側まで行くと、アミュール様と一緒に地面に膝を付き、祈りを捧げ始めた。
神殿での、朝の恒例行事だ。
しばらくすると『宿り木』の前に、緑色の髪の毛の長い人が現れ、アミュール様に何か囁いている。
ジーンには聞き取れないが、めったに姿を現さない『宿り木』の姿を見れただけで、感動ものだ。
カザナのお屋敷にいるミーネ様には、リーンが側にいるときに何回か会っているが、場所や環境によって『宿り木』の様子も、少しづつ違うんだな…と、ジーンは感じていた。
それの違いを感じるくらい、保有魔力が強いから、と言うのもあるが…。
神殿で軽食を食べ、再び馬車に乗ると、ヤマツカ町に向かって進み出した。
「さて、なぜジーン様が今回、同行することになったか説明しますね」
馬車が山間を進み初めてしばらくすると、アミュール様が言い出した。
ジーンの眠気も無くなり、頭もスッキリとしていたので、頷いて聞き耳をたてた。
ヤマツカ町の奥にあるタミネキ村に『世界樹』が出現したこと。
そしてその地に、リーンがいる事。
それを聞いてジーンはハッとする。
アミュール様は、僕がお父様の子供だと言うことは知っているし、魔力の番と呼ばれるリーンの事も知っている。
シノアス様の補佐官様だからね…。
「リーンがいるから…」
「それも有ります。…遠方の地に、シノアス様が出向かれると言うことは、レオン王子も同行します」
レオン王子…僕にとっては叔父になる方。
「シノアス様と王子と一緒にいて、気後れしない神官がいると思いますか?」
…言われてみればそうだ。
僕にとってシノアス様は、優しい兄のような教師のような方で、幼い頃から顔見知りだし、緊張することもない。
レオン叔父様には少し緊張するが、何度も王城でお父様と一緒に会っているので、気後れすることはない…。
「普通なら無理…」
シノアス様やレオン叔父様に憧れている、友人のルベアが同行することになったら、緊張しすぎて呼吸困難になっているかも…。
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「ですが忘れないで下さい。貴方は神官見習いとして同行しています。公式の場では、そのように立ち振舞いしなさい」
「はい。」
アミュール様は公私混合しないように、これも勉強だと教えてくれる講師だ。
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