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二人の約束 ~ジーンの初恋~(番外編)
寂しい二人
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ロキは何かが動く気配で目覚めた。
…どうやって渡すかを考えている内に、眠ってしまったのか…。
ロキは、まだ眠いながらも身体を起こす。
モヤがかかったみたいに頭がスッキリとしない…。
ボーッとしていると、ジーンがロキに毛布をかけてきた。
「服を着て!もうすぐ村の人達が来るよ!」
ジーンはそう言って、ロキから離れて、朝食の準備を始めた。
ロキは自分の身体を見回し、思い出す。
昨日は獣変化したまま眠ったから、裸のままだ…。
ロキは、いそいそと、脱ぎ捨てた服を引っ張ってきて、着始めた。
家の外から馬車の音がして、領主の息子が呼びに来た。
神殿の一つ目の建物の『転移』が始まるそうだ。
俺はあまり興味がなかったが、ジーンが見に行くと言ったので付いていった。
そこには村人達もいて、少し離れた場所から『転移』されてくるのを見守っていた。
四人の男の人が、空中に一つの大きい魔法陣を作りだし、しばらくすると、そこに背の高い建物が出現し、土台の上に重ねられると、魔法陣が消え、大きな音と共に建物がずっしりと落ち着いた。
「すごい…」
ジーンは思わず感嘆の声をあげ、何やら感動しているみたいだが、俺には変わった建て方をするのだな…と、思ったくらいだ。
見学が出来ると言うことで、建物の中に入ると、広い部屋があり、奥がガラス張りになっていて、そこから『世界樹』の木が見えるようになっていた。
これならば、『世界樹』の側に人を寄せ付けないで、祈りを捧げるのにはちょうど良いだろう。
人見知りの木霊に会えるのは、限られた者だけの方が良い…。
神殿の見学が終わると、ジーンは荷物を馬車に乗せた。
そろそろ王都に帰る時間だ。
ジーンは『世界樹』の元に行き、声をかけていた。
「フリク。…僕は帰るね…」
ジーンがそう言うと、木霊が顔を出してきて、ジーンの腕の中に飛び込んで行き、子獣人がしているのをたまに見た、離れたく無い時のイヤオヤをして、ジーンを困らせていた。
「また来るよ。…リーンもココに戻ってくるだろうし、それまで、さよならだ」
木霊はジーンの服にしがみつき、離れようとしない。
寂しいのは俺も一緒だが、そう言ってジーンを困らせるのも嫌だった。
ロキは仕方ないな…と、木霊をヒョイと持ち上げ、ジーンから離した。
「…俺も一緒に待つから、寂しく無いぞ」
ロキがそう言うと、木霊はじっとロキを見つめ、ロキの服にしがみついた。
木霊にも伝わっただろうか…。
ロキが木霊を片手で抱えると、ポケットから腕輪を取り出し、ジーンの方に差し出した。
今、渡さなければ、ジーンは帰ってしまう…。
「…やる」
いろいろグダグダ考えたが、素直に渡すしか思い付かなかったロキは、ぶっきらぼうに一言そう言って、昨日作った漆黒の中に星を散りばめたような色をした、腕輪を差し出していた。
ジーンは受け取ってくれるだろうか…。
ドキドキしながら、そのまま待っていると、ジーンは腕輪を受け取ってくれた。
「…ありがとう…」
ジーンが嬉しそうに微笑んだのを見て、ロキは内心でほっとすると、馬車の側で待っている領主の息子が、ため息をつく声が聞こえてきた。
…もう出発するぞ。と、言う合図だ。
ジーンは馬車へと向かい、その後をロキが付いていき、馬車に乗り込んだジーンを、複雑な気持ちで見ていた。
しばらく会えない…。
「また、来るから」
馬車の窓からこちらを見ていたジーンが、そう言うのと同時に馬車は動きだし、ロキは馬車の姿が見えなくなるまでその場から動けなかった。
ジーンが王都に帰ってからの、ロキの日課になってしまった事は、獣変化した狼の姿で『世界樹』のもとで、昼寝をする事。
そのときには、もれなく木霊のフリクが狼のお腹の側で丸まって一緒昼寝をしている事。
二人でジーンが帰ってくるのを待つ間の光景が、当たり前になってしまった。
村人達も微笑ましく、狼と一緒に眠る、珍しい羽の生えた木霊を拝んでいた。
…ジーン。
いつになったら、ココに戻ってくる…。
俺は早く会いたい…。
…どうやって渡すかを考えている内に、眠ってしまったのか…。
ロキは、まだ眠いながらも身体を起こす。
モヤがかかったみたいに頭がスッキリとしない…。
ボーッとしていると、ジーンがロキに毛布をかけてきた。
「服を着て!もうすぐ村の人達が来るよ!」
ジーンはそう言って、ロキから離れて、朝食の準備を始めた。
ロキは自分の身体を見回し、思い出す。
昨日は獣変化したまま眠ったから、裸のままだ…。
ロキは、いそいそと、脱ぎ捨てた服を引っ張ってきて、着始めた。
家の外から馬車の音がして、領主の息子が呼びに来た。
神殿の一つ目の建物の『転移』が始まるそうだ。
俺はあまり興味がなかったが、ジーンが見に行くと言ったので付いていった。
そこには村人達もいて、少し離れた場所から『転移』されてくるのを見守っていた。
四人の男の人が、空中に一つの大きい魔法陣を作りだし、しばらくすると、そこに背の高い建物が出現し、土台の上に重ねられると、魔法陣が消え、大きな音と共に建物がずっしりと落ち着いた。
「すごい…」
ジーンは思わず感嘆の声をあげ、何やら感動しているみたいだが、俺には変わった建て方をするのだな…と、思ったくらいだ。
見学が出来ると言うことで、建物の中に入ると、広い部屋があり、奥がガラス張りになっていて、そこから『世界樹』の木が見えるようになっていた。
これならば、『世界樹』の側に人を寄せ付けないで、祈りを捧げるのにはちょうど良いだろう。
人見知りの木霊に会えるのは、限られた者だけの方が良い…。
神殿の見学が終わると、ジーンは荷物を馬車に乗せた。
そろそろ王都に帰る時間だ。
ジーンは『世界樹』の元に行き、声をかけていた。
「フリク。…僕は帰るね…」
ジーンがそう言うと、木霊が顔を出してきて、ジーンの腕の中に飛び込んで行き、子獣人がしているのをたまに見た、離れたく無い時のイヤオヤをして、ジーンを困らせていた。
「また来るよ。…リーンもココに戻ってくるだろうし、それまで、さよならだ」
木霊はジーンの服にしがみつき、離れようとしない。
寂しいのは俺も一緒だが、そう言ってジーンを困らせるのも嫌だった。
ロキは仕方ないな…と、木霊をヒョイと持ち上げ、ジーンから離した。
「…俺も一緒に待つから、寂しく無いぞ」
ロキがそう言うと、木霊はじっとロキを見つめ、ロキの服にしがみついた。
木霊にも伝わっただろうか…。
ロキが木霊を片手で抱えると、ポケットから腕輪を取り出し、ジーンの方に差し出した。
今、渡さなければ、ジーンは帰ってしまう…。
「…やる」
いろいろグダグダ考えたが、素直に渡すしか思い付かなかったロキは、ぶっきらぼうに一言そう言って、昨日作った漆黒の中に星を散りばめたような色をした、腕輪を差し出していた。
ジーンは受け取ってくれるだろうか…。
ドキドキしながら、そのまま待っていると、ジーンは腕輪を受け取ってくれた。
「…ありがとう…」
ジーンが嬉しそうに微笑んだのを見て、ロキは内心でほっとすると、馬車の側で待っている領主の息子が、ため息をつく声が聞こえてきた。
…もう出発するぞ。と、言う合図だ。
ジーンは馬車へと向かい、その後をロキが付いていき、馬車に乗り込んだジーンを、複雑な気持ちで見ていた。
しばらく会えない…。
「また、来るから」
馬車の窓からこちらを見ていたジーンが、そう言うのと同時に馬車は動きだし、ロキは馬車の姿が見えなくなるまでその場から動けなかった。
ジーンが王都に帰ってからの、ロキの日課になってしまった事は、獣変化した狼の姿で『世界樹』のもとで、昼寝をする事。
そのときには、もれなく木霊のフリクが狼のお腹の側で丸まって一緒昼寝をしている事。
二人でジーンが帰ってくるのを待つ間の光景が、当たり前になってしまった。
村人達も微笑ましく、狼と一緒に眠る、珍しい羽の生えた木霊を拝んでいた。
…ジーン。
いつになったら、ココに戻ってくる…。
俺は早く会いたい…。
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