神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

文字の大きさ
454 / 462
二人の旅の始まり

孫達

しおりを挟む
 リーンとルークは三日間、家にこもって貪りあい、そのあと数日『森の聖域』とクルーラで木霊達とのんびり過ごし、無事に目覚めた報告をしに各地に向かった。
 獣人の街グオルクに行って、ヒイロとチイに報告し、念願のユーリとキリトの子供達に会いに行った。
 ルークが眠る前、ユーリのお腹にいた子供は人族のリシト。 
 ユーリと同じ黒髪の、キリトと同じ金色の瞳、三才になるリシトは恥ずかしがりやで、キリトの足に隠れてなかなか顔を見せてくれなかった。
 なれるまでに少し時間がかかるだろう…。
 そしてもう一人、産まれたばかりの獣人族のユリトはユーリの腕の中で眠っていた。
 キリトと同じ灰色がかった黒髪の間から、小さな耳がピクピクと動いて可愛い…。
 リーンは眠るユリトを抱っこして、ムニムニと動く口元を見て微笑んだ。
「…可愛い…」
 リーンが無意識に呟くと、隣からルークが覗き込んで、言う。
「もう一人、作るか?」
 リーンが驚いてルークを振り向いて見ると、ルークはニヤリと笑って言う。
「『魔女の宴』を利用すれば、出来るみたいだしな」
 そう、最初のジーンとユーリが出来たときも、三つ子のミーナとニーナとキースが出来たときも、『魔女の宴』の時だった。
 絶対とは言えないが、宿す確率は高い。
 『魔女の宴』では、魔女達が子供が宿るように、魔法陣を発動させ、発情期に似た行為に及ぶのだ。
「…考えておく…」
 リーンはそう答えて、頬を染めた。
 そんな様子をユーリとキリトは苦笑いして眺めていた。
 
 その日は一晩、ユーリ達の家に泊まった。
 皆で談話室で話をしていると、キリトの胡座の上に座っていたユリトが急に立ち上がり、ちょこちょこと歩いてルークの元に行き、ルークの胡座の上にちょこんと座った。
「「「おーっ」」」
 ユリトの行動に思わず声が出てしまった。
 恥ずかしがっていたユリトが、やっと慣れてくれたようだ。
 そして時々、ルークに寄りかかって見上げ、ニヘラっと笑うのが可愛くて、ルークと二人で悶絶し、目尻を下げてユリトの頭を撫で回した。
 孫って良いな…。
 子供達も可愛いかったが、その子供達となると、また、別の可愛らしさがある。
 ジーンの所も、大きくなってるだろうな…。
 こっそりと覗いていたが、実際には会っていない…。
 早く抱き締めてみたい…。
「…そう言えば、ヤマツカ町の屋敷の『桜』が、そろそろ咲く時期だったはずたが…今年は見れるか?」
 キリトにそう言われて気が付いた。
「もう、そんな季節か…」
 リーンは思い出していた。
 初めて見た『桜』の淡いピンク色の美しさ。
 咲いている時期は短く、ヒラヒラと舞い落ちる花びらがとても綺麗だった。
 『桜』の木霊モモが、もうすぐ目覚める時期…。
「…せっかくだから、皆で集まらないか」
 ルークはユリトの頬をぷにぷにとつつきながら言った。
「マークに連絡して、桜が咲く頃、ヤマツカの屋敷で花見をしようか」
「そうだね。全員は無理でも、ルークが秘密裏に生きていることを知らせるには、各地を回るより確実だね」
 下手に顔を見られて、ルークが若返って生きていることが分かれば、色々と問題が起こるような気がする…。
 リーンがリシトを抱えるユーリを見ると、ユーリはニコニコと笑って言う。
「もちろん行くわよ。『桜』が咲く頃をマークさんに予測してもらって、ソレまでに、片付けないといけない仕事を終わらせるわ」
 キリトも頷いて、部屋を出ていく。
 今後の段取りを確認しに行ったんだろう。
 リーンはルークと顔を見合せ、微笑んだ。
「『桜』が咲く頃、お花見だね」
「ああ、楽しみだ」






しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!

タッター
BL
 ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。 自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。 ――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。  そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように―― 「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」 「無理。邪魔」 「ガーン!」  とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。 「……その子、生きてるっすか?」 「……ああ」 ◆◆◆ 溺愛攻め  × 明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

僕に双子の義兄が出来まして

サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。 そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。 ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。 …仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。 え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。

【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?

キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。 知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。 今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど—— 「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」 幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。 しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。 これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。 全8話。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

処理中です...