眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域

回廊での練習

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 魔素の放出の練習のため、僕はヒナキさんと一緒に、回廊カイロウに向かって歩き出した。

 ヒナキさんの店の裏側から、歩けば直ぐそばに有る森への入り口。
 魔法で隠されていたとは言え、場所が分かってしまえば、見逃すことは無いのだろうけれど、こんな側に有ったのに、本当に気が付かなかった。
 木々で覆われた森の入り口は、馬車が一台、通れるくらいの道。
 微かに馬車が行き来していた名残なのか、車輪のわだちの跡が見えるが、ほとんど消えかけている。
 今は、馬車を使っていないって事?
 
 森の奥に向かう道は、固く整備されているので、とても歩きやすい。
 両側から伸びた枝葉が地面に影を落として、遠くまでトンネルのようになっているのが、とても綺麗だ。
 この間の時は、『聖域』に行けるのだと浮かれていて、回りを見てはいなかった。
 今日は、余裕も有るので、ゆっくりと歩きながら辺りを見回せる。
 しばらくヒナキさんと、回廊カイロウを歩くと、次第に風が通り抜け、カサカサ、サワサワと葉が擦れた音を立て、気持ちが良い風が、二人の間を通り抜け始めた。
 この風が魔素の風…。
 『聖域』から『クルーラ』に流れてくる魔素の風…。
「…やっぱり気持ちが良いね」
 オルガはそう言って、ヒナキさんの方を見る。
 ヒナキさんは足を止め、真剣な眼差しでオルガを見る。
「魔素の風だ。覚えているだろう。風を受けた分だけ魔力を外に放出するんだ」
 オルガは頷き、練習したみたいに魔力を放出する。
 そして、放出し始めて気が付いた。
 どんどん魔素が身体に入り込んで、溜まっていこうとするのが…。
 これが魔素が身体に入り、魔力になって、身体の中を巡る魔力の流れ…。
 見えないから、身体で、感覚で覚えるしかないと言った意味が今なら分かる…。
 必死に魔力を放出するが、放出が追い付かない…。
 『クルーラ』で練習した時よりも、多くの魔力を放出しなければ、身体一杯になってしまいそうだ。
 少し焦り出したオルガにヒナキさんが声をかける。
「オルガ、水魔法を使って水の珠を作ってみろ」
 ヒナキさんにそう言われて、水魔法を発動させる。
 ゆっくりと、いつもみたいに水の珠を作ろうとするが、勢いよく水が集まり、大きな水の珠になってしまって、思わず慌てる。
「落ち着け。ココは『クルーラ』よりも魔素が濃い。同じだけの魔力を使っても、威力が大きくなるのは当たり前だ」
 そうは言っても、両腕で抱えれるくらいの大きな水の珠。
 これだけ大きな水の珠は作ったことはない。
「見た目が大きくなっただけで、いつもと同じだけの魔力を込めれば良い…」
 そうは言っても、支えきれない…。
「無理だったら、『聖域』の方に向かって飛ばせ」
 ヒナキさんがそう言ったので、オルガはとりあえず『聖域』の方に向かって、水の珠を放り投げた。
 大きな水の珠は、十メートル程、離れた場所に落ち、大きな水しぶきをあげて飛び散った。
 飛び散った水は雨の様に降り注ぎ、辺り一面を水浸しにする。
「…。」
 今までに無い大きさの水の珠は、オルガ達の所まで水しぶきを飛ばし、オルガは自分で作った水で、びしょ濡れになってしまった。
 冷たい…。
 ふと、ヒナキさんの方を見ると、ヒナキさんは濡れていなかった。
 えっ?!
 なんで?!
 オルガが驚いていると、ヒナキさんはニコリと微笑んで言う。
「…風の幕で水を防いだんだよ」
 風の幕…。
 そう言えば、教えてもらった…。
 風の基本の防御…。
 そう思っていると、ふわりとオルガの回りに風が集まり、ヒナキさんが濡れていた服を乾かしてくれた。
「もう一度くらい、出来そうか?」
「うん。やってみる」
 まだ、身体に魔素は溜まりきっていない。
 今ならもう一回くらい、水の珠を作って放出出来るだろう…。
 オルガは魔素の風を吸い込み、再び水の珠を作り始めた。



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