眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域

風を司るもの 1

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 オルガは『聖域』と『クルーラ』を繋ぐ『回廊』で、魔素の受け流しの練習をしていた。
 いつものように、ヒナキさんも一緒だ。

 今までは、水魔法を使って水の珠を作り、魔力放出の練習をしていたが、今度は風魔法を使っての練習だ。
 『回廊』は常に魔素の強い風が吹いているので、その風を制御し、風の珠を作るのだ。
 この練習は、折り魔紙マシの『シュリケン』を使うための練習にもなる。
 風魔法を使って風を制御し、『シュリケン』を自分が思う場所に運ぶためだ。
 
 追い風に、風魔法を使うと風に流されて、風の珠を維持することが出来ない…。
 流されないように、しっかりと場所を固定して風の珠作りは大変だ。
 さらに、逆風に向かって風魔法を出すのは難しい…。
 風に押されて、自分に向かってきてしまうからだ。
 だから風を横に受けるよう、横向きになっての練習だ。
 とは言え、風の珠は流されていこうとするので、目の前に維持するのは、なかなか至難の練習だ。
 三十分もすれば時間なので、練習は終了…。
 オルガは、コツコツと繰り返し、覚えるしかなかった…。


 だけど、今日はいつもと違って、風が柔らかく感じた。
 何がって言うと、答えようがないが、身体に当たる『回廊』の風が…通り抜ける魔素の風が少ないような気がしたのだ。
 だからか、横向きだけでなく、追い風なのに風の珠が目の前で止まって渦巻いているのだ。
 『回廊』の風に流されていない!
 オルガは驚きと共に嬉しかった。
 すると、オルガの頬を風が撫でた。
 撫でると言うより、触られた…?
 オルガは不思議に思って、触れられた左側を向くと、目の前に、手のひらサイズの白い鳥が羽ばたいていた。
 そしてオルガの肩にちょこんと留まる。
「…。」
 鳥…?
 肩に留まっているのに、重さを感じない…。
 オルガはソノ鳥に気を取られ、風魔法で作った風の珠が消えた事に気が付いていなかった。
「どうした?」
 ヒナキさんが聞いてきて、オルガはハッとして、ヒナキさんの方を向く。
「…鳥」
「ああ…。良かったな。姿を見せてくれたぞ」
 姿を見せてくれた?
 オルガが首を傾げると、白い鳥はオルガの肩から飛び立ち、『クルーラ』の方に向かって消えていった。
「…。」
 えっと…どう言う事…?
 オルガが困惑していると、ヒナキさんが微笑んで教えてくれた。
 さっきの白い鳥は、風を司るもの。
 『風霊ふうれい』と呼ばれ、普段は見えず、大気に溶け込むように存在していて、気まぐれに姿を現すそうだ。
 魔素の強い『聖域』に住む『風霊ふうれい』達は、多くの魔素を取り込み、実体化して、さっきの白い鳥のように自我を持つモノもいると言う…。
 そうだよね…。
 あの白い鳥は、自分の意思で僕の肩に留まっていた…。
「きっと、また来るよ」
 ヒナキさんはそう言って微笑んだ。

 
 数日後、再び『回廊』で風の珠を作る練習をしていると、不意に魔素の風が緩んだ。
 風の珠の制御が楽になった。
 オルガがハッとして横を見ると、白い鳥が真横で羽ばたいていた。
 もしかして、この鳥が来た時だけ、制御がしやすくなってる?
 白い鳥はオルガの肩にちょこんと留まり、毛繕いを始めた。
「…。」
 オルガがヒナキさんの方を見ると、ヒナキさんも白い鳥に気が付いたみたいで、微笑んでいた。
 もしかして、白い鳥は、僕の練習の手伝いをしている?
 風の珠を作り、風の制御をしやすくしている?
 そんな気がして、オルガは微笑みながら、風の珠を維持できるように魔力を込めた。
 


 
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